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社会系教科書の読み方!教科書もパラグラフリーディングせよ!

社会系教科書の読み方!教科書もパラグラフリーディングせよ!

 

こんにちは!武田塾武蔵小杉校の三浦です。

世界史とか日本史とか、教科書が大事ってよく言いますよね。だからといって教科書は読みにくいからと避けてきた人はたくさんいると思います。そもそも教科書の読み方が下手な受験生が非常に多いんですよね。

実は、教科書にも読み方、読解のテクニックがあるんです!よく授業中に教科書を読んでるだけで成績が上がる人がいるじゃないですか?頭が良いと呼ばれている人たちには秘密があります。彼らが、無意識に行なっている読み方について知ってみたいと思いませんか?

読み方には人それぞれの工夫があるものですが、誰でもやっている基本は同じなので、今回はその基本部分を明確化したいと思います。そんなこと当たり前だって人もそうではない人も、改めて、わざわざ誰も教えてくれない教科書の読み方を考えてみましょう

 

 

読むための適切なスピード

適切な読むスピード

大前提として教科書はゆっくりと読んでください

みんな読みやすいとか読みにくいとか、個人の感覚で文章を評価していますが、まず文章と接するときに誤解が無いか疑ってほしいです。文が読みにくいと言っている人も、実際には読むスピードが噛み合っていない人が多い。たとえば、幼稚園児が読む絵本レベルの物語、Twitterの文章、大衆小説、現代文の読みやすい評論、同じ文字数で並べられても、それぞれ読むスピードは同じでしょうか?もちろん個人差があって、小説を読むのは速いけど、評論を読むのは遅い、その逆もあったりするのではないでしょうか?

実際に、人間が文章を読む活動を、単純に目が文字を追っているだけだと考えることは出来ません。文章を読むプロセスはもっと複雑で、文字から読み取ったことを、自分の中にある経験や知識の枠組みに照らし合わせながら、文章の内容を理解する活動として捉えなければなりません。こう考えると、小学生レベルの計算は速く出来るけれど、高校レベルの数学には時間が掛かるように、それぞれ文章を理解する難しさによって、文章ごとに適切な読解スピードがあることが理解出来ますでしょうか?

 

教科書を読むスピード

では教科書を読むスピードはどうでしょうか。

基本的にはゆっくりと読んでください。教科書は世の中に出回っている本の中で、最も情報の圧縮率が高い本です。簡単な歴史書でも2〜3ページで説明されている内容がわずか4行ほどに圧縮されているのが教科書です。ゆっくり時間を掛けて、ワンパラグラフずつ、何度も読み直してようやく理解出来る。これが基本だと思ってください。焦る必要はありません。

特に、授業や概説書では度も何度も同じことを繰り返して説明されるうちに、理解が落ち着いてくるものなので、教科書のように簡潔に書かれた文章を読むときは、何度も読み直すことが前提だと思った方がよいです。基本的に、一発でキャッチ出来るのは、もともとかなり覚え込んでいたり、理解が深まっている人です。たとえある程度分かっていても、この圧縮率には頭がクラクラするものです。

加えて、読解スピードには個人差があるので、自分にとって適切なスピードを探りましょう。そのスピードで継続して読んでいくと、だんだん慣れてきて集中出来るようになるので、結果的に速く読めるようになります。本を読み慣れている人にとっては、一冊の本を読み進めていくと、没頭して少しずつスピードが上がる感覚がありますよね?

 

線を引きますか?

加えて、一文一文の意味もパラグラフ単位での時代背景の流れを理解していけば、より明確になっていきます。これは英語の長文読解や現代文でも同じことですよね。

こうした読解力を鍛える勉強方法として教科書を読む訓練が大事だと思うのですが、どうしても読みにくく、集中出来ないならば、現代文と同じように線を引いたりしたほうがいいです。僕が受験生のときは、こういった感じで線を引いたりしながら頭が混乱しないように読み進めていました。書かなくても分かるけれど、集中して読むために、自分の意識を教科書に縛り付ける読み方です。

 

教科書の読み方

特にルールは無く、大事だと思ったところをその場その場で強調しているだけですが、1)キーワードには丸や四角、そして因果関係などの説明で大事なところには波線を引くようなざっくりとしたルール、2)パラグラフを囲ってタイトルを付けたり、一年後になっているものは矢印で繋いだりなど、を工夫しています。

 

 

教科書はパラグラフリーディングせよ!

パラグラフ単位でタイトルを付ける

さて、ここから本格的な読解の方針を説明します。まず、教科書は一冊の本だと思ってください。一冊の本というものには、基本的に目次があって、章立てごとに小さな見出しがあってというように、綺麗な階層構造があります。教科書もまた、そのようにして体系立てた説明をしようとしているわけですよね。この筋立てを追っていくと歴史の全体像が見えるようになって読みやすくなるわけです。

更にこの発想を応用して考えて欲しいことは、それぞれの見出しも明確にいくつかのパラグラフへと分かれていることです。現代文や英語長文のように、パラグラフはそれぞれひとつのお話のまとまりになっているんですよね。このパラグラフを意識して、見出しの内容を体系的に整理していくと、明晰な歴史の整理が出来ていることになります。

そのための訓練として、自分でこのパラグラフはこういうパラグラフだと、一言でタイトルを付ける方法を紹介します。たとえば、山川の日本史の教科書を少しだけ引用します。それぞれパラグラフごとに自分でタイトルを付けられるでしょうか?これは自分で考えるということが大切なので、やり方が分かってきたら自分でタイトルを付けてみてください

タイトルを付けるときのルールは基本的に、「誰が」「何をしたか」を思い出すためのトリガーを作るイメージです。場合に応じて、「いつ」「どこで」「なぜ」を付け加えてもいいですが、点だけ覚えておけば、後でその点を繋いで線に出来るような覚え方をここでしたいところです。■の後にあるのが僕が付けたタイトルです。

 

第9章 近代国家の成立 1節 開国と幕末の動乱 1頁 開国

イギリスの産業革命による植民地競争の波が日本に来た
 18世紀後半、イギリスで最初の産業革命が始まり、工業化の波はさらにヨーロッパ各国やアメリカにおよんだ。巨大な工業生産力と軍事力を備えるに至った欧米諸国は、国外市場や原料供給地を求めて、競って植民地獲得に乗り出し、とくにアジアへの進出を本格化させた。

清国がアヘン戦争に負けて天保のマキミズ給与令を出す
 清国はアヘン戦争でイギリスに敗れて南京条約を結び、香港を割譲し、開国を余儀なくされた。清国の劣勢が日本に伝わると、幕府は1842(天保13)年、異国船打払令を緩和していわゆる天保の薪水給与令を出し、漂着した外国船には薪や水・食料を与えることにした。

■オランダの開国勧告を拒絶する。
 しかし1844(弘化元)年、オランダ国王が幕府に親書を送り開国を勧告しても、世界情勢の認識に乏しい幕府はこれを拒絶し、あくまでも鎖国体制を守ろうとした。

■アメリカのビッドルが、寄港地として日本の開国をのぞむ。
 アメリカは、北太平洋を航海する自国の対清国貿易船や拿捕船の寄港地として日本の開国を強くのぞんでいた。1846(弘化3)年、アメリカ東インド艦隊司令長官ビッドルが浦賀に来航して通商を要求したが、幕府は拒絶した。アメリカが、1848年にメキシコからカリフォルニアを奪って領土を太平洋岸まで拡大すると、同国と清国との貿易はいっそうさかんになり、ますます日本の開国を必要とするようになった。

■ペリーがフィルモアの国書を持ち開国要求。ロシアのプチャーチンも。
1853(嘉永6)年4月に琉球王国の那覇に寄港したアメリカ東インド艦隊司令長官ペリーは、軍艦(「黒船」)4隻を率いて6月に浦賀沖に現われ、フィルモア大統領の国書を提出して日本の開国を求めた。幕府は対策のないままペリーの強い態度におされ国書を正式に受けとり、回答を翌年に約してひとまず日本を去らせた。ついで7月には、ロシアのプチャーチンもも長崎にきて、開国と国境の画定を要求した。

■日米和親条約の4点、燃料・食料、救助、下田函館、最恵国待遇
 ペリーは翌1854(安政元)年1月、7隻の艦隊を率いてふたたび来航し、条約の締結を強硬にせまった。幕府はその威力に屈して3月に日米和親条約を結び、(1)アメリカ船が必要とする燃料や食料などを供給すること、(2)難破船や乗組員を救助すること、(3)下田・函館の2港を開いて領事の駐在を認めること、(4)アメリカに一方的な最恵国待遇を与えることなどを取り決めた。ついで、幕府はイギリス・ロシア・オランダとも類似の内容の和親条約を結んで、200年以上にわたった鎖国政策から完全に転換した。

■阿部正弘の相談ごと(安政の改革)、人材登用と国防充実
一方、1853(嘉永6)年のペリー来航後、老中首座阿部正弘は、それまでの方針をかえて朝廷への報告をおこない、諸大名や幕臣にも意見を述べさせて、挙国的に対策を立てようとした。しかし、この措置は朝廷の権威を高め、諸大名の発言力を強めるもので、幕政を転換させる契機となった。また幕府は、人材を登用するとともに、前水戸藩主徳川斉昭を幕政に参画させ、国防を充実する必要から江戸湾に台場(砲台)を築き、大船建造の禁を解くなどの改革をおこなった(安政の改革)。

 

ここでもう一度タイトルだけを繋げば、テーマの流れが明確に分かる要約が完成します。このタイトルだけは自分で覚えるようにしましょう。これが知識を取り出すためのトリガーとなって、細かい知識を覚えるときに忘れにくくなる土台となります

 

■イギリスの産業革命による植民地競争の波が日本に来た。

■清国がアヘン戦争に負けて天保のマキミズ給与令を出す。

■オランダの開国勧告を拒絶する。

■アメリカのビッドルが、寄港地として日本の開国をのぞむ。

■ペリーがフィルモアの国書を持ち開国要求。ロシアのプチャーチンも。

■日米和親条約の4点、燃料・食料、救助、下田函館、最恵国待遇

■阿部正弘の相談ごと(安政の改革)、人材登用と国防充実

 

特に重要なのは、自分が因果関係を思い出しやすいように、呼び方を具体的な名前に変えることです。正しい名前を思い出すことは簡単なので、覚えるとき用の工夫は随所に凝らします。

たとえば天保の薪水給与令を天保のシンスイキュウヨレイと音で覚えても何のことか忘れてしまうけれど、マキミズ給与令と訓読みをしていれば薪と水を外国船に与える法律だということが分かりますし、意味で名前を覚えておけば、異国船を打ち払っていた方針からの転換としても簡単に理解を思い出すことが出来ます。他にも4点と数字でポイントを数えることで、思い出さなければいけない項目の数を明確化する。そうすると情報の区切りが明確になって、思い出そうという意識も強くなります。指で数えられる数程度に、大事なポイントは○個で、と意識しながら覚えていくと非常に勉強しやすくなりますよ

 

 

教科書読解は学習能力を上げる!

文系は読解力=記憶力を鍛えろ!

どうでしょうか?たしかにパラグラフごとにお話が区切れていることはわかると思います。でも、自分でタイトルを付けるのは難しいと思う受験生は多いと思います。それに結局は覚えるべきところが明確になっている参考書を使う方が勉強しやすいという意見も根強いでしょう。

しかし、ここで気を付けてもらいたいのは、こうやって整理する力が無いまま、ただ言われたことを覚えるような勉強を続けても、頭の中がゴチャゴチャするだけで決して点数にはならないという事実です。だからこそ、教科書を読み込んで整理していく勉強をして欲しい。それは、目先の効率以上に学習能力そのものを上げるはずです。文系の勉強とはどこまで行っても読解力を問われるので、教科書を読むこと自体が訓練だと思って取り組んで欲しい。

教科書の読み方もスポーツと同じで直ぐに上手くはならないと思います。そういう前提でめげずにトライし続けてください。もし難しかったら、上手な人と一緒に読んでもらうとコツが分かると思います。相談できる相手がいなければ、受験相談に来てもらっても構いません。とにかく何度も読んで、誰かの読み方を真似して、少しずつ上手くなっていってください!

 

最後に

いかがだったでしょうか?特別なことは何も言っていない地味な記事でしたが、最後にダメ押しで真っ当なことを言います。

覚えることには時間が掛かるので、時間を掛けることを恐れないでください。一気にやろうとしないでください。毎日時間を掛けて、焦って表面的にならずに、正確に流れを覚えていくことを継続してください。

忘れないように覚えれば歴史の勉強は直ぐに終わります。今ならまだ間に合います。でも、表面的に参考書を何周もしてるだけでは、いつまで経っても覚えられずに受験を迎えることになるでしょう。このことだけは肝に銘じて勉強を続けてください。

 

 

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