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大学入試の現代文を伸ばすために!(文章・設問編)

受験生のみなさんこんにちは、武田塾春日井校です。本日は、最近の受験相談で質問が増えてきた現代文の勉強法解答のルールについてお話ししていきます。

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現代文を解くルール!

現代文が解けない人で次の文に当てはまる人はいますか。

□日本語だから読めると思って対策を後回しにしているひと。

□問題によって成績に波があるひと。

□選択肢を2つまでは絞れるのに、間違ってしまうひと。

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上述した3つに残念ながら当てはまる人は、ズバリ「現代文のルール」を知らない人である可能性がかなりあります。

逆にいうと、どんな文章にもあてはまるルールを知ってしまえば、あらゆる文章が怖くなくなり、どんな設問にもこたえられるようになります。

 

傍線部内容説明問題

01:必ず出る設問

現代文の勉強でいうと「よく出る」テーマを覚えたりする場合が多いです。しかし、「よく出るテーマ」といっても皆さんの第一志望校の入で出るとは限りません。「よく出るテーマ」は第一志望から第五志望の中に出てくる可能性はありますが、ズバリ第一志望で出る確率は極めて低いでしょう。

試しに第一志望校の過去問を見てください。おそらくその文章のテーマは、「よく出る」テーマの参考書に書かれているテーマではないと思います。

ところが、設問という観点から見ると「よく出る」どことではなく「必ず出る」設問というのがあります。それが「どういうことか」の問題なのです。入試対策では「必ず出るもの」に的を絞って勉強するのが、最も効率的で本質的です。ですから、「どういうことか」の解き方をマスターするのが、皆さんの第一志望合格のために最も重要なことなのです。

今回は「どういうことか」=傍線部内容説明問題へのルールを例として勉強してください。

02:文の構造とポイントになる言葉をとらえ、根拠をさがす

まず、傍線部のある一文の構造を分析してください。「主語は何か」「述語は何か」「修飾部はどこにかかっているか」など文の成分に応じて、構造を調べます。

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その際には次のような記号が役に立ちます。

主語・主部…〈  〉

修飾語・修飾部…〔  〕

論理フレーム…🔲(太字カッコ)

接続部・中止法…/

指示語…□(カッコ)

接続表現…🔳(二重カッコ)

*自分で使いやすいものにかえてもかまいません。

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次に「ポイントとなる言葉」ですが、ここが「どういうことか」の本質になります。「どういうことか」という問題は「文脈の中にあってはじめてわかる言葉」を「文脈がなくても誰でもわかる言葉」に書き換える問題なのです。単なる「イイカエ」ではないことに注意してください。

「ポイントになる言葉」には次のようなものが挙げられます。

指 示 語:

例えば、「この問題はこうやって解きましょう」といってもわかりませんね。指示語は指示の内容から切り離され たら意味が分からなくなります。

比喩表現:

例えば、「現代文の勉強は水滴が岩を穿つようにやりなさい」と言われても何のことかわかりません。何を何にたとえたのかが分かっていないと意味が通じないのです。

個人言葉:

筆者が辞書的な意味とは少し違う意味で使っている言葉のことです。例えば本文中で「文化」というようにカギカッコがついえている言葉が出た場合、辞書的な文化の意味とは少し違う意味で使っているのです。

「どういうことか」の問題でポイントになる言葉は、文脈から切り離された瞬間に意味がわからなくなるような言葉なのです。それを「本文を読んでない人でもわかるように説明する」のが「どういうことか」の問題なのです。

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最後に、傍線部の周りにある「解答の根拠」となる文を探しましょう。「指示語の指示内容」や「比喩を説明している文」や「個人の言語を定義している文」を周囲に探してみるのです。近くから遠くへと探していきましょう。

はじめから遠くを見ると近くの根拠を見落としてしまいますから気をつけましょう。この「どういうことか」を解くためのルールを使って、自分がもっている問題集をやってみてください。これまでの読み方・解き方とは明らかに違った経験をすることができるはずです。

 

下の問題で実践してみよう。(下の問題は、後で3ステップで解説します。)

実戦問題

次の文章読んで、後の問いに答えよ。

精神分析家スペンスは、物語を重視する立場から精神分析について考察しているが、その中で歴史的事実と物語的真実の区別を強調している。その区別に即していえば、自己物語にとって重要なのは、歴史的事実性ではなくて、物語的真実性なのである。

スペンスも指摘するように、心理療法家は、相談に訪れたクライエントを援助するために過去の葛藤の歴史的事実を見抜く必要はない。重要なのは、クライエントの語りにあらわれる物語的真実のほうだ。そして、心理療法家は、クライエントが自分自身の過去の物語を矛盾のない一貫したものへと語り直していくのを促進することによって、クライエントを援助できるのだ。たとえその改訂された自己物語が歴史的事実に厳密に一致しなくてもかまわない。本人が納得できる物語であり、社会的にも受け入れられる物語であればよいのである。もちろん、本人が生きる勇気をくみ取ることができるような物語であるのが望ましい。

人は、人生に行き詰ったとき、だれかにその窮状を語る必要に迫られる。こちらの語りに耳を傾けてくれる聞き手を必要としている。人生に行き詰るというほど大げさなものでなくても、ちょっと深刻な悩みをもったときや迷いを感じたとき、悩んでいることや迷っていることを誰かに語らずにはいられない。

傍線部「自己物語にとって重要なのは、歴史的事実性ではなくて、物語的真実性なのである」とあるが、どのようなことが重要なのか。次の中から最適なものを選びなさい。

①社会の歴史と矛盾していないことよりも、自分自身の経験と矛盾していないこと。

②本人の記憶に即していることよりも、物語として聞き手が興味をもてること。

③事実を正確に説明する語りよりも、心の葛藤を忠実に反映しや語りであること。

④本人が納得できることよりも、社会的に受け入れられる物語であること。

⑤実際に起きたことを反映しているかどうかよりも、本人に生きる勇気を与えること。

解説をする前に自分で解いてみて、その解答の根拠を明らかにしていてください。

解説

ステップ1:傍線部を含む一文を分析する(文構造⇒ポイント)

 その  区別に即して言えば/

 指示語                            接続部

自己物語にとって重要なのは歴史的事実性ではなくて

      主部       個人言語   否定

物語的真実性なのである

 個人言語  述部

文の構造を分析すると、主部は「自己物語にとって重要なのは」となっているので、述部に解答の根拠があるとわかります。そして述部には「物語的真実性」とありますが、これだけではなんのことだかわかりません。このような言葉は個人言語ですから、筆者がわかるように説明してくれるはずです。

また、傍線部には「AだはなくてBである」という否定のフレームが使われています。このような「フレーム=構文」に注目することによって、解答の根拠は見つけやすくなります。

 

03:否定フレームに注意する

ステップ2:解答の根拠を捉える(周囲の文を見る)

第一段落

 精神分析家スペンスは、物語を重視する立場から精神分析について考察しているが、その中で歴史的事実と物語的真実の区別を強調している。その区別に即していえば、自己物語にとって重要なのは、歴史的事実性ではなくて、物語的真実性なのである。

「指示語」の指示内容を全文に求めるとき、「その区別」というのは「精神分析家スペンス」が強調している区別だということがわかります。つまり、「歴史的事実性」と「物語的真実性」というのは「スペンス」の個人言語だと考えられます。ですから、スペンスの考え方を説明しているところに解答の根拠があるとわかります。

第一~二段落

精神分析家スペンスは、物語を重視する立場から精神分析について考察しているが、その中で歴史的事実と物語的真実の区別を強調している。その区別に即していえば、自己物語にとって重要なのは、歴史的事実性ではなくて、物語的真実性なのである。

スペンスも指摘するように、心理療法家は、相談に訪れたクライエントを援助するために過去の葛藤の歴史的事実を見抜く必要はない。重要なのは、クライエントの語りにあらわれる物語的真実のほうだ。そして、心理療法家は、クライエントが自分自身の過去の物語を矛盾のない一貫したものへと語り直していくのを促進することによって、クライエントを援助できるのだ。たとえその改訂された自己物語が歴史的事実に厳密に一致しなくてもかまわない。本人が納得できる物語であり、社会的にも受け入れられる物語であればよいのである。もちろん、本人が生きる勇気をくみ取ることができるような物語であるのが望ましい。

「否定」もフレームに注目しながら「物語的真実性」の説明を探していくと、第二段落に説明が出てきます。第三段落は「人はどういうときに物語るのか」の説明になっているため、「物語的真実性」の説明は第二段落で終わったととらえてください。まずは本文の根拠となる部分に線を引いて、そこをもとにして正解をイメージしてください。できれば記述解答にまとめられるといいのですが、最初は線を引くだけでも構わないと思います。

ステップ3:記述解答から選択肢へ。

先ほどの第一・第二段落の分析で黄色の箇所は「歴史的事実性」を表し、青色の箇所は「物語的真実性」を表しています。青色の箇所を合わせると次のような解答が得られます。

「クライエントがより矛盾のない一貫したものへと語り直した過去の物語が、本人や社会にとって納得できるものであり、本人に生きる勇気を与えるものであること」

この解答に近い選択肢を選びましょう。正解は⑤「実際に起きたことを反映しているかどうかよりも、本人に生きる勇気を与えること。」です。「AよりもB」は「否定のフレーム」と同じ働きをすると考えて問題がありません。Bだけ解答とすればいいのですが、「Aではなく(よりも)」がついていてもかまいません。

他の選択肢を検討します。

①は「矛盾していない」という部分が「よりも」の前にあるところが誤りです。②は今回とらえた説明にありませんので誤りです。③は「よりも」の後に「葛藤を忠実に反映」がある点が誤りです。④は「よりも」の前に「本人が納得できること」があるところが誤りです。

こういった現代文の勉強を下の問題集を通じて実践していくことができますので、ご紹介しておきます。

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