コラム

国公立大学と私立大学の学費はいくら?4年間の目安や違いを解説

2023年07月05日(水)

年々値上がりが続いているのは食料品や光熱費だけでなく、大学にかかる学費も同様ですが、国公立大学と私立大学ではいくら学費がかかるのでしょうか。

大学進学を目指す高校生や浪人生・保護者の中には、ある程度把握している方もいるかもしれませんが、学費以外にも大学進学に必要となる費用が発生するため、いざという時のために余分に貯蓄しておく必要があります。

本記事では、国公立大学と私立大学の学費総額から学費以外に必要な費用、支払い方法・奨学金などの学費にまつわる内容をご紹介しますので、大学進学を考えている人や保護者は参考にしてください。

 

国公立大学と私立大学の学費は4年間でいくら?

学費のイメージ

一般的な4年制大学の場合、国公立大学と私立大学かの違い以外にも、学部や学科によっても学費は異なります。

入学する初年度は入学金や出願費用などがかかるため最も高額ですが、2年次以降は授業料のみとなるため、目安としては授業料×卒業までの年数で計算した費用が発生します。

ここからは、国公立大学と私立大学別で4年間の学費にどの程度違いがあるのか、4年間の学費総額の目安を確認してみてください。

国公立大学の学費総額の目安

国公立大学の場合、国立大学と公立大学では学費の詳細な金額が異なるため、国立大学と公立大学に分けて学費総額をお伝えしていきましょう。

まず、国立大学の授業料や入学金は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」により標準額が決まっていて、年間の授業料は535,800円で入学金は282,000円です。※一部を除く

4年間の授業料は約214万円で、入学金を併せると約242.5万円が国立大学の学費総額となりますが、一部大学では授業料を値上げしているため、先にいくら違うのかを確認しておきましょう。

また、公立大学は各自治体や学部によっても違いがあるため、文部科学省の調査データ(国公私立大学の授業料等の推移)から平均額で計算してみると、年間の授業料は536,520円と国立とさほど変わりありません。

入学金は地域内と地域外で異なり、地域内の平均入学金は224,369円ですが、地域外だと382,806円と約16万円の差があるため、志望大学の学費を確認する際は地域内外の入学金も必ず確認してください。

私立大学の学費総額の目安

続いて私立大学の学費総額は、大学自体や学部によって学費・入学金に違いがあるため、文部科学省が発表している調査結果(令和7年度 私立大学入学者 に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について)を基に、学部系ごとの全国の平均額をご紹介します。

私立大学の4年間にかかる学費総額は、文系で約420万、理系は約567万円と国公立よりも費用がかさむため、早めに貯蓄を始めておくとよいでしょう。

また、医歯系は在籍が6年間と実習も多い学部のため、授業料と入学金を足した学費総額は医学部で約2,394万円、歯学部では約2,201万円と桁数までもが変わってきます。

さらに私立大学では施設設備費が別途かかり、年間の学費に約15万~105万円が加算されるため、志望する学部ごとの学費をしっかり把握しておくことが大切です。

国公立大学と私立大学の学費の違い

国公立大学と私立大学、それぞれにかかる学費総額の目安は以下の通りです。

大学の種類 学費の目安 年数
国立大学 約242.5万円 4年間
公立大学(地域内入学) 約224万円 4年間
公立大学(地域外入学) 約253万円 4年間
私立大学(文系) 約420万円 4年間
私立大学(理系) 約567万円 4年間
私立大学(その他) 約484.2万円 4年間
私立大学(医歯系) 約2,323万円 6年間

私立大学は、別途かかる施設設備費も含んだ金額ではあるものの、国公立大学とは倍近い金額の差があるとわかります。

さらに文系よりも理系の学費が高い傾向にある理由としては、理工学部や薬学部、農・獣医などでは、実験・実習の多さや高額な機器が必要なためです。

国立大学では学部による学費の差はありませんが、公立大学だと実験・実習にかかる費用を加算される場合もあります。

国公立・私立別!初年度に納付する学費の目安

学費を納付

大学進学に向けた学費準備では、4年間の総額だけでなく、入学時に必要となる初年度納付額も早い段階で把握しておくことが大切です。

国公立大学と私立大学では、入学料や授業料の決め方が異なるため、最初に納める学費にも無視できない差が生まれやすくなっています。

進学先を検討する段階で納付額の目安を知っておくと、受験する大学選びとあわせて現実的な資金計画を立てやすくなるでしょう。

国公立大学の初年度納付額の目安

国立大学の初年度納付額は、標準額ベースで入学料282,000円と授業料535,800円を合わせた約817,800円が目安です。

公立大学も国立大学に近い水準となるケースが多い一方で、地域内と地域外で入学料に差を設けている大学があり、10万円以上の差になることもあります。

国公立大学を志望する場合は、標準額だけで判断せず、志望校ごとの納付額や入学区分まで含めて確認しておくことが大切です。

  入学料 授業料 合計
国立大学 282,000円 535,800円 817,800円

公立大学(地域内入学)
※平均

224,369円 536,520円 760,889円
公立大学(地域外入学)
※平均
382,806円 536,520円 919,326円

※出典:2025年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)|文部科学省

私立大学の初年度納付額の目安

私立大学の初年度納付額は国公立大学より高くなる傾向があり、学部や学科の違いによって必要となる金額にも大きな差が出やすいです。

特に医歯系の学部は、入学金や授業料・施設設備費などが他の学部よりも高額になりやすく、初年度だけでも500万円近い納付額になります。

授業料や入学料に加えて、施設設備費や実験実習料、教育環境を整える教育充実費などが上乗せされるため、想定以上の負担につながることもあります。

私立大学を検討する際は、大学全体の平均額だけでなく、志望する学部ごとの納付額まで細かく確認しておくと安心です。

  入学金 授業料 施設設備費 合計
文化系 219,951円 850,392円 141,892円 1,212,235円
理科系 245,362円 1,195,313円 161,378円 1,602,053円
医歯系 1,088,248円 2,825,359円 865,535円 4,779,143円
その他 247,208円 990,190円 235,657円 1,473,056円

※出典:令和7年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について|文部科学省

学費以外に大学進学でかかる費用には何がある?

学費以外の大学進学費用

大学に進学する場合は学費以外にさまざまな面でお金がかかるため、事前にどのような費用がかかるのか把握しておきましょう。

まず国公立大学と私立大学の受験にかかる受験料は、以下のとおりです。

受験科目数 受験料
共通テスト(2教科以下) 12,000円
共通テスト(3教科以上) 18,000円
国公立大学 2次試験(前期) 約17,000円
国公立大学 2次試験(後期) 約17,000円
私立大学(医歯系以外)総合型・学校推薦型選抜 約30,000~35,000円
私立大学(医歯系以外)共通テスト利用入試 約15,000~20,000円

私立大学では、2026年度からは同じ大学内の他学部を併願する場合、2併願目以上の受験料を無料または割引する大学が増えているため、2025年度以前よりは受験費用自体は少し安くなったのではないでしょうか。

上記受験料のほかに、志望大学の受験会場によっては交通費や宿泊費なども発生し、さらに大学入学後も通学にかかる交通費や生活費・学校外活動費などが必要です。

生活費に関しては全国大学生活協同組合連合会のデータによると、実家から通う場合は月に平均約7万円、一人暮らしの場合は平均約13.8万円とおよそ2倍の差があります。

大学の学費の支払い方法や納付タイミングとは?

学費の支払い方法

実際に大学受験に合格すると学費を支払わなければなりませんが、具体的な支払い方法や納付のタイミングがわからないという方もいるのではないでしょうか。

ここからは、大学の学費の支払い方法と納付タイミングについて解説していきます。

学費の支払い方法は大学によって異なる

受験の出願料や入学金に関してはクレジットカード払いに対応している大学が増えていますが、金額が大きくなりがちな授業料などに関しては銀行振込・口座振替で対応している大学が多いです。

しかし、最近ではインターネットの普及にともなってWeb上から納付できる大学があるほか、ATM支払いなどに対応している大学もあります。

さらに、一部大学で取り入れられているのが専用の納付書を使用したコンビニ払いで、インターネットバンキングからの振込を可能としている大学も増加傾向にあります。

入学金の支払いには対応していても、授業料は口座振替や専用振込用紙での銀行窓口払いとしている大学が多いため、納付方法についても事前に確認しておくようにしましょう。

大学の学費を納付するタイミングはいつ?

一般的に入学金は入学手続きの期間内に納付しますが、具体的な日程は大学によって異なるため、入学が決まったら大学からの案内を忘れずに確認しましょう。

国公立大学では、合格発表から1〜2週間程度を期限としている傾向にあり、前期日程で合格した場合は3月中旬まで、後期日程での合格であれば3月末となります。

私立大学の場合は、合格発表が11月~12月となる総合型・学校推薦型選抜は発表後約2週間から1か月以内に、2月~3月の合格発表となる一般選抜であれば納期期限が1週間から10日程度になるため納付額を事前に準備しておくとよいでしょう。

また複数の大学を受験して合格した場合で、第一志望の大学よりも滑り止めの大学の合格発表が先のケースにおいては、第一志望が不合格だった場合に備えて滑り止めの大学に入学金を支払っておかなければなりません。

授業料に関しては前期と後期の2回に分けて支払うのが一般的ですが、大学によっては1年分を一括で支払うケースもあります。

初年度の前期授業料においては、入学前に入学金と併せて支払う必要がある場合と入学後に別途支払う場合があり、後者の場合は4〜5月ごろに支払うことが多いです。

大学の学費の工面が難しい場合は奨学金制度がある

奨学金制度の利用

奨学金制度とは金銭的な理由で大学へ通うのが難しい受験生に対して、お金を給付もしくは貸与して学費や生活費などをサポートする制度を指します。

奨学金制度は国・地方自治体のほかにも民間団体や大学が独自で設けており、奨学金を提供する機関としては「独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)」や「一般財団法人あしなが育英会」などが有名です。

ここからは大学の学費を準備するうえで知っておきたい、奨学金制度について確認していきましょう。

奨学金はおもに「給付型」と「貸与型」の2つがある

奨学金には「給付型」と「貸与型」の2種類があり、給付型奨学金は返済不要の奨学金で貸与型奨学金は返済義務があります。

返済義務のある貸与型奨学金と比べて、給付型奨学金は応募条件や審査が厳しい傾向にあり、学力だけでなく家計状況などの基準を満たしていなければなりません。

給付型奨学金は高校在学時の評定平均値が3.5以上で、入試の成績が上位50%以内に入っているか・学修意欲があるかを確認した上で、世帯の年収や資産の基準をクリアしなければならない制度です。

また、生計維持者(保護者)が扶養している子どもが3人以上いる世帯(多子世帯)は、入学金や授業料の減免に加えて給付型奨学金の支給も可能なため、入学後は大学の学生課や奨学金担当窓口へ相談してください。

令和2年4月施行の「高等教育の修学支援新制度」もある

国の支援として令和2年4月に施行された「高等教育の修学支援新制度」は、給付型奨学金に入学金・授業料の減免を同時に受けられる制度で、住民税非課税世帯と課税される住民税の金額が低い世帯、多子世帯が対象です。

全額支給の対象は年収が約270万円未満の世帯または多子世帯で、自宅から通う場合と一人暮らしをする場合、国公立大学か私立大学下でも支給額が異なり、高校在学時の評定平均値が3.5以上かつ学ぶ意欲があるかを評価されます。

全額支給でなくても、2/3か1/3、1/4を支給されるケースもあるため、給付型奨学金や入学金・授業料の減免を受けたい場合は在学中の高校や進学先の大学へ申請の申込みをしてください。

また、大学入学から3か月が経過すると、入学金の減免申請を受け付けてもらえないので注意しましょう。

国公立大学・私立大学の学費に関するよくある質問

学費にまつわる質問

国公立大学・私立大学の学費を調べる際は、初年度納付額や4~6年間の総額など、気になる点は人によって異なります。

文部科学省の調査では、私立大学の初年度学生納付金等平均額は約150万円となっており、学部による差も大きくなっています。

国立大学は標準額、公立大学は地域内外の区分、私立大学は学部別の違いを確認しながら比較することが大切です。

ここからは、国公立大学医学部の6年間の学費、私立大学の文系・理系の差、私立大学の初年度納付額、学費が払えないときの考え方を順番に整理します。

国公立大学医学部は6年間でいくらかかる?

国立大学医学部の学費は、標準額をベースにして入学料が282,000円、授業料は年間535,800円が基本で、6年間の授業料総額は3,214,800円となるため、入学料を含めた総額の目安は約350万円です。

公立大学医学部も国立大学に近い水準が多い一方で、地域内外で入学料に差を設ける大学もあるため、志望校ごとの確認が欠かせません。

さらに、一人暮らしをする場合は、学費に加えて家賃や光熱費、食費、通学費などの生活費も継続して発生するため、医学部は6年間の総負担が大きくなりやすい点にも注意が必要です。

私立大学は文系と理系でどれくらい違う?

私立大学の学費は学部によって差があり、一般的には文系より理系の方が高く、初年度納付額にも大きな違いが出やすい傾向があります。

理系学部の方が納付額が高くなる理由としては、授業料に加えて実験実習費や施設設備費などもかかるため、文系学部より初年度に必要な負担額が大きくなりやすいです。

文系学部は理系学部より学費を抑えやすいものの、学科や大学によっては施設費などで差が広がる場合もあり、私立大学の学費を比較する際は、大学全体の印象だけで判断せず、志望学部ごとの初年度納付額まで確認することが大切です。

なお、私立大学文系学部の中でも、言語系の学部では海外留学が必須単位となっている場合もあるので、「文系は絶対に理系よりも学費が安い」と過信しすぎないようにしましょう。

私立大学は初年度にいくら必要?

私立大学へ進学する場合、初年度納付額だけで150万円前後が必要になることも多く、入学前からまとまった学費の準備を進めておく必要があります。

初年度納付額には授業料や入学料だけでなく、施設設備費や実験実習料なども含まれるため、想定していた以上に負担が大きく感じられる場合もあります。

文系・理系・医歯系では必要な金額に大きな差があり、私立大学の学費を比べる際は、大学全体ではなく志望学部ごとの金額まで確認しておくと安心です。

学費が払えないときはどうする?

大学の学費負担が難しい場合は、利用できる支援制度や相談先を早い段階で確認し、入学前から給付型奨学金や授業料減免制度・教育ローンなどを組み合わせ、家庭全体にかかる負担を抑えましょう。

また、入学後に学費の支払いが難しくなった場合は、状況が深刻になる前に、大学の学生課や学費窓口へ早めに相談することが重要です。

大学によっては分納や延納に対応している場合もあり、家庭事情や支払い状況を伝えると納付方法を調整できる可能性があり、家計急変に対応した支援制度や、在学中でも申し込める奨学金を案内してもらいましょう。

学費の支払いが厳しいと感じた時点で相談を始めれば、早めに利用条件や申請期限の確認ができ、必要書類の準備や手続きも落ち着いて進めやすく、選べる対応策も広がります。

国公立大学・私立大学の学費まとめ

国公立大学と私立大学では、4年間で必要となる学費総額だけでなく、入学時に納める初年度納付額にも無視できない差があります。 

大学の学費総額は、実際に通う大学の種類などによって異なるため一概にいえませんが、以下の金額を目安にするとよいでしょう。

大学の種類 学費の目安 年数
国立大学 約242.5万円 4年間
公立大学(地域内入学) 約224万円 4年間
公立大学(地域外入学) 約253万円 4年間
私立大学(文系) 約420万円 4年間
私立大学(理系) 約567万円 4年間
私立大学(その他) 約484.2万円 4年間
私立大学(医歯系) 約2,323万円 6年間

大学進学では授業料や入学料に加え、教材費や通学費、住居費や生活費まで含めて、必要な費用を十分に見積もる視点が欠かせません。

学費の支払い方法は銀行振込のほか、大学によってはクレジットカード支払いやWeb決済に対応しているところも最近では増えています。

大学ごとに納付期限の日程が異なるため、学費の支払い方法や納付時期を早めに確認し、支払い忘れがないように気をつけましょう。

大学に進学するとなると数百万単位のお金が必要になるため、長期的な計画を立てて学費を工面する必要がありますが、学費の準備が難しい場合は奨学金制度や高等教育の修学支援新制度を検討することをおすすめします。

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