受験勉強をするにあたって、人それぞれいろんな勉強法を試すことがあるでしょう。
大学受験は膨大な範囲と量を学習することが必須のため、沢山の受験生が効果的な勉強法があればいいのに・・・と考えていることでしょう。
そこで今回、推奨したいのが「音読」をする勉強方法です。
小学生の時から親しんでいる音読ですが、なかなか普段の勉強に取り入れている方は少ないのではないでしょうか?
実は、国語や英語だけでなくすべての教科・科目において効果的な勉強方法なんです。
この記事では、受験勉強において非常に効果的な勉強法である音読の効果ややり方についてご紹介していきます。
音読による勉強法とは?
一般的な勉強法として、ペンで書いたり参考書を熟読したりといったやり方があります。
他にも英語の勉強においては、リスニング形式で勉強するといった方法もあるでしょう。
このように人は、手や目、耳を使って勉強したり記憶したりするケースが多いです。
ですがこれらの勉強法はどうしても作業化しやすく、続けるほどに集中力も落ちてしまいます。
そこでおすすめしたいのが「音読」による勉強法です!
音読は声・目・耳を使う効果的な勉強法
音読は、問題集や参考書に書かれていることを目で追いながら、実際に声に出して読むという勉強法です。
目から読み取った文字を声に出して、さらにそれを耳で聞くという「声・目・耳」の3つの要素から脳に刺激を与えて勉強します。
脳は、刺激を感じることで記憶力が上がりメモリー量もアップするといわれており、音読しない場合と比較すると1.2〜1.3倍も効果があるのです。
問題を解き始める前に音読するだけでも、問題集の内容を理解しやすくなったり単語を記憶しやすくなったり、さまざまな面で良い効果があります。
勉強を効果的にするなら音読を取り入れよう
「音読」と聞くと英語の勉強をするときに取り入れる場合が多いのではないでしょうか。
しかし効果的に勉強を進めていきたいなら、英語以外の教科にも音読を取り入れることをおすすめします。
では勉強において音読がどれくらい重要なのか、まずは音読の重要性について解説していきましょう。
音読は「読み飛ばす」をなくすために重要
そもそも勉強において音読をする目的は、ずばり「読み飛ばさない」ようにすることです。
問題集に取り掛かるとき、ちゃんと読んでいるようで実は読み飛ばしているケースがたくさんあります。
特に数学が苦手な人は、問題文を読まずに解答や解説を見てしまい、根本を理解しないまま解き方だけを覚えてしまうことが多く、それでは一定以上のレベルの問題は解けません。
そのような事態を防ぐため、問題集を読み飛ばさずにしっかりと読む癖を付けるためにも音読は重要なのです。
音読は正しい勉強のやり方を身に付けるために重要
国語や英語の勉強で長文を読む時、読むのではなく眺めてしまっている学生が多く、そういった学生に対して音読をさせてみるとうまくできないことが多いです。
音読は本人が文字を認識できる速さが要求されるので、それ以上の速さで目で読むのはただ眺めている・読み飛ばしているということになるのです。
音読をする習慣がないと「読んだつもりで実は読んでいない」「読むこと自体を忘れて問題・答えに意識が向く」など、勉強のやり方を間違えてしまいます。
正しく効果的に勉強していくためにも、まずは習慣的に音読していくようにしましょう。
音読は根本から理解して問題を解くために重要
問題を解くとき「時間は足りているけど内容がよく読み取れない」という方は、問題文をきちんと読めていない可能性が高いです。
例えば「この問題は△△という問題だよね」と聞かれたときに「なぜ?」と思うことがあれば、それは問題文から読み取れていない証拠といえるでしょう。
もし問題文をよく読めていれば解き方の方向性が見えて、結果的に解くための公式もすぐに浮かんでくるはずです。
音読をすれば、今まで自分が問題文を読み飛ばしていたことを知るきっかけにもなるでしょう。
効果的に音読勉強法を取り入れるポイント
きちんと問題を解ける人は問題文や設問だけで答えを導き出すことができ、それくらい問題文・設問は問題を解くうえで重要な情報といえます。
そう考えると、その問題文をきちんと読まずに問題を解こうとするのはハンデ戦に挑むようなものです。
そのハンデを埋めるためにも、音読によって効果的に勉強を進めていくことが重要となってきます。
では、音読のポイントにはどういったものがあるのでしょうか。
音読のポイント①読み飛ばさないようにする
音読する際は、まず「読み飛ばさないようにする」ことが何よりも重要です。
これまでも説明したように、読んでいるようで実は読んでいない状態だと意味がありません。
問題を解く前に、まずは問題を声に出して音読してみましょう。
音読から入って、その後に実際に問題を解いてみる癖を付けるとより効果的に音読することができます。
音読のポイント②プロセスを説明できるようにする
音読をするといっても、ただ声に出して読めばいいというわけではありません。
音読の目的は声に出すこと自体ではなく、声を出すことで意識的に問題の内容を理解・把握することです。
「なぜこの問題はこの方向で解くのか」ということを音読を通じて理解することで、「問題文に◯◯と書いてあって選択肢が□□だから」というプロセスがわかるようになります。
ただ答えを導き出すのではなく、その答えに行き着くまでのプロセスを説明できるように勉強していきましょう。そして、このプロセスを説明する意識を持つためには音読が効果的です。
音読を取り入れることで、嫌でも内容を理解しプロセスを説明せざるを得ないようにしましょう。
音読のポイント③耳栓をして音読する
音読勉強法を効果的に行いたいなら、「耳栓」をして音読するのがおすすめです。
脳科学や勉強法に詳しい医学博士 福井一成氏によると、耳栓をして音読をすると集中力が高まるといわれています。
耳栓をしたまま、音読する箇所を指でなぞり、声に出すようにしてみましょう。
小声で音読するだけでも、骨伝導によって頭の中で声が反響して集中力がアップします。
耳栓がない場合は、イヤホンやヘッドホンでもOKです。
音読のポイント④録音してみる
音読するだけでも十分に効果的ですが、さらに効果的な勉強法は、音読の際録音して、その録音を聞くことです。
英単語や社会・理科科目の単語を録音して、その音声を自分で聞くと音読するだけよりも記憶が定着しやすいことが分かっています。
移動時間や寝る前の時間、お風呂の時間などのスキマ時間に自分の音声を聞くのがおすすめです。
自分の音声を聞くのは少し気恥ずかしく感じるかもしれませんが、音読に加えるだけで記憶の定着度が大きく向上します。
どの教科に音読を取り入れると効果的?
これまで音読がとても効果的な勉強法であることを解説してきましたが、実際どの教科で取り入れるのが一番効果的でしょうか?
この項目では、音読はどの教科に取り入れるべきかについてご紹介します。
音読は全ての教科に取り入れるのがおすすめ
結論から言うと、音読は全ての教科で取り入れるべき勉強法です。
音読は記憶力を上げる勉強法でもあるため、英語や国語はもちろん理科や社会などの単語を覚えるのにも効果的です。
数学などの一見暗記ではない科目の場合でも、問題文をしっかり読解するために音読を取り入れるとよいでしょう。
先述した音読のポイントを参考にして、全ての教科に音読を取り入れてみてください。
苦手な教科から音読を取り入れる
とはいえ、全ての教科の参考書・問題集を音読していては時間がかかりすぎてしまいますし喉にも負担がかかってしまいます。
もし音読を取り入れるなら最初は苦手な教科から取り入れてみるといいでしょう。
問題文を音読してみる・単語を音読してみるところから始めると、きっと効果を実感しやすいはずです。
苦手な教科で音読の効果と自分に合った音読の取り入れ方を知ってから全ての教科に無理なく取り入れていくのがおすすめです。
英語は必ず音読しよう
英語は音読の効果が最も点数に直結しやすい教科と言えるでしょう。
英語にはリスニング試験があり、音読やシャドーイング(英語音声に続けて音読すること)は得点向上に直結する必須の学習法です。
また、長文読解をするうえでも音読をしながら読解を進めていくことで文章の構造が見えやすくなってきます。
英語を勉強する上で音読・シャドーイングは非常に効果的で必須の勉強法のため、他の教科で取り入れない場合でも英語では必ず音読を取り入れましょう。
音読による効果的な勉強法まとめ
勉強をするときは、全ての教科で音読することをおすすめします。
音読は、単純に学習効果や集中力を高めるだけでなく、問題を解くうえで欠かせない「プロセスを理解する」ことにも効果的です。
いつも問題を解くとき、「解くことはできるけど内容をちゃんと読み取れていない」という場合は、問題文を読み飛ばしてしまっている可能性があります。
正しく効果的に勉強していくためには、問題文の内容をしっかりと理解することが大切です。
読み飛ばし防止策として、勉強をする前の音読を習慣化していきましょう。