多くの受験生が数学を勉強する際に使用する参考書「青チャート」。
青チャートは非常に有名な参考書の一つで、学校で配られたという方も多いのではないでしょうか。
青チャートを完璧にすれば共通テストで8〜9割取れると言われていますが、生徒さんによっては勉強方法がわからないこともあるでしょう。
今回はそんな「青チャートを買ったがどう勉強するべきかわからない」「青チャートが何日で終わるか知りたい」という方向けに、青チャートの効率的な使い方について解説していきます。
青チャートとは?
青チャートは数研出版が出版している数学の参考書で、チャート式参考書と呼ばれるシリーズの一種です。
チャート式参考書には他にも「白チャート」「黄チャート」「赤チャート」などの種類がありますが、チャートシリーズの中で2番目に難しい青チャートは、基礎から難関大学レベルまで幅広く対応しています。
青チャートは基本例題から難易度の高い内容が含まれており、5段階のレベルに分けられた例題を順番に解いていくことで実力を高めていくことが可能です。
出題される問題はかなり難しいため、数学が苦手な方は、本気で取り組む覚悟が必要です。
青チャートの構成
青チャートには「基本例題」「重要例題」「演習例題」の3種類の例題と演習問題が掲載されています。
「基本例題」は基礎力をつけるための問題、「重要例題」は応用力をつける問題、「演習例題」は他の単元・科目の内容も絡む、応用度のかなり高い問題です。
その他にも「Exercise」という例題とは解き方が違ったり追加要素が入っている問題も掲載されています。
青チャートは何日で終わる?
まず、青チャートのⅠ+A・Ⅱ+Bは合計で約2100題、理系ならⅢまでのため合計約3000題です。
1周だけするとして、1日2~3時間10問ずつ解くと単純計算で文系だと210日、理系だと300日かかります。
ただし、もちろんきちんと数学を理解・定着させるためには復習の時間も必要なため、1周するだけでは不十分であり、2周するとしたら1年~1年半以上の時間がかかることになります。
この問題量の多さとかかる時間の長さが、青チャートが挫折しやすい参考書である最大の理由となっています。
青チャートのレベルは?
青チャートはチャートシリーズの中で2番目に難しい参考書ですが、レベルとしては基礎から難関大学まで幅広く対応しています。
基本例題をマスターできればMARCHレベル、演習例題までマスターできれば早慶レベルに到達することができます。
基礎固めから難関大学の受験対策までをこの一冊で行うことができるため様々な人におすすめの参考書です。
ただし、解説の内容は簡潔なものとなっているので数学が苦手な人には不向きと言えるでしょう。
青チャートの使い方
ここでは青チャートの使い方を説明していきます。
青チャートが学校で配られたものの、「どう使ったらいいかわからない」「難しい」と思っている生徒さんもいることでしょう。
ここではそんな青チャートの使用方法を様々な観点から解説していきますので、青チャートを持っている生徒さんはぜひ参考にしてみてください。
青チャートの使い方①どこまでやる?
まず、青チャートをどこまでやるか決めましょう。
青チャートは難易度・網羅性が高く問題数も多い参考書のため、すべてを解くという気持ちで挑んでしまうと途中で挫折してしまうことがあります。
東大・京大などの最難関校を目指すなら「Exercise」「総合演習」までマスターする必要がありますが、早慶レベルであれば「演習問題」まで、MARCHレベルであれば基本例題の習得で十分です。
自分の志望校のレベルと照らし合わせて、自分はどこまで青チャートを進めるべきか考えておきましょう。
青チャートの使い方②基本例題を進めるペースは?
武田塾では、青チャートを解くペースとして「1日約15〜20題を3時間程度」が理想的としています。
実際には数学に充てられる時間と正解率によって左右されますが、1日に最低でも10題、可能なら15〜20題を進められるようにしましょう。
1周だけではあまり効果が見られないため2~3周はする計算で、自分にとって必要なレベルの問題を全て解けるよう計画を立ておくのがおすすめです。
青チャートの使い方③青チャートの目標設定は?
青チャートを進める際は、「この問題は完全に理解した!」というレベルにまで到達するのを目標にしましょう。
問題を理解したと言えるラインは、問題を見たときにすぐに解法が思いつき、正答できる状態です。
青チャートはただでさえ問題量が多く時間がかかりすぎてしまうため、以下のポイントに気を付けて問題に取り組むのがおすすめです。
①少し考えてわからなければすぐ解答で確認
②やり方を理解してもう一度思い出せるか確認
③最終的に記述で書いてみる
数学が苦手だと青チャートはハードルが高い
ここまで青チャートの特徴や使い方を紹介してきましたが、前提として青チャートはすべての受験生におすすめできる参考書ではありません。
難しく量も多い参考書のため、数学が苦手な受験生や文系の方、受験本番までにあまり時間がない方は青チャートを使っても挫折してしまうことが多いでしょう。
旧帝大や医学部を目指すのでなければ、必ずしも青チャートを選ぶ必要はありません。
青チャートは素晴らしい参考書ですが、挫折してしまう前に自分にとって必要な参考書かどうかしっかりと検討しておきましょう。
数学が苦手な受験生は青チャートよりも「数学 基礎問題精講」がおすすめ
青チャートは数学が苦手な方や受験までに時間がない方には向かないとお伝えしましたが、ではそんな方に向いている数学の参考書とはどんなものでしょうか?
数学が苦手な方や、できるだけ早く数学の基礎を固めたい方には、『数学 基礎問題精講』という参考書がおすすめです。
この項目では、なぜ『数学 基礎問題精講』がおすすめなのかの理由と基礎問題精講の使い方についてお伝えします。
『数学 基礎問題精講』は青チャートよりも挫折率が低い
『数学 基礎問題精講』は、青チャートの問題数と比べると約3分の1と厳選された問題数となっているため挫折率が低い参考書となっています。
網羅性は青チャートと比べると劣りますが、数学が苦手な人や時間がない人にとってはまずこの参考書で確実に数学の基礎を理解するのが大切です。
青チャートに闇雲に取り掛かって時間をかけて途中で挫折してしまうよりも、やりきれる量の『基礎問題精講』をきちんと終わらせるほうが効果的です。
数学が苦手な人や時間がない人、青チャートの使い方がわからない人は、青チャートから基礎問題精講に切り替えて勉強してみてください。
『数学 基礎問題精講』の特徴
『数学 基礎問題精講』は、旺文社から出版されている数学精講シリーズの基礎レベルの問題集です。
難易度としては教科書レベルで、偏差値50程度の大学であればこの参考書で対応可能であり、基礎固めにも最適な参考書となっています。
問題数も少なく、1日約10題のペースで進めた場合1ヶ月ほどで1周できるボリュームとなっています。
解説が丁寧なため、数学の理解に時間がかかる人にもおすすめです。
『数学 基礎問題精講』の使い方
『数学 基礎問題精講』を使うときは、1日10問のペースで4日間進めて次の2日間で40問の復習をするという使い方がおすすめです。
やりっぱなしではなく復習をして、忘れないように知識を定着させていきましょう。
また、問題の解き方を説明できるようになるまで理解を深めることも大切です。
ぬいぐるみや家族に向かって問題の解き方を説明してみることで自分の理解度も深めることができるので、問題を解けるようになった方はこの方法も試してみてください。
『数学 基礎問題精講』の注意点
『数学 基礎問題精講』は数学が苦手な方や時間の無い方におすすめの参考書ですが、数学の公式や概念が全く分からないというレベルの人は『数学 入門問題精講』から始めるようにしてください。
『数学 基礎問題精講』は基礎を固めるのには最適ですが、分かりやすい解説で基礎から学びなおしたいという方にとっては難易度が高い参考書となっています。
公式や概念を理解していない状態で『数学 基礎問題精講』を始めても効果は薄く、表面をなぞるだけの学習となってしまうため注意してください。
青チャートにチャレンジするなら早めに取り掛かろう
ここまで青チャートの特徴・使い方と、青チャートでは挫折してしまう方向けに「数学 基礎問題精講」の使い方を解説してきました。
もしこの二つを比較して、「それでも自分は青チャートで勉強したい!」という方は高1から始めるとよいでしょう。
高校3年生の1年間で青チャートのⅠ+A・Ⅱ+B、理系ならⅢまでを終えて、さらに入試問題・過去問をやるとなると全然時間が足りなくなってしまいます。
途中で挫折してしまったり時間が足りなくなってしまっては意味がないので、自分には受験本番までに青チャートを仕上げる時間があるのかをよく検討してください。
もし十分な時間をもって青チャートを完璧に仕上げることができたなら、数学の偏差値を急成長させられます。
数学が苦手な受験生必見!青チャートの効率的な使い方を解説!|まとめ
青チャートの効率的な使い方をまとめると以下になります。
①少し考えてわからなければすぐ解答で確認
②やり方を理解してもう一度思い出せるか確認
③最終的に記述で書いてみる
また、青チャートはどうすれば解く時間を短縮できるのかを意識しながら進めることがポイントです。
青チャートを完璧にできれば難関大学に合格する可能性も高まりますが、その分問題量が膨大で難しい青チャートは挫折してしまう人もたくさんいます。
青チャートで挫折しそうな場合は挫折しにくい『基礎問題精講』に切り替えて勉強するのがおすすめです。
自分の現在の学力や受験本番までの時間、志望校のレベルなどを鑑みて自分に最適な参考書を使用するようにしましょう。