コラム

高校化学が苦手な受験生必見!化学反応式の覚え方のコツをご紹介!

2020年09月28日(月)

高校化学を勉強していて意外と多いのが、化学反応式を暗記できないというお悩みです。

高校化学で覚えるべき化学反応式の量は非常に多いため、「どうやって覚えたらいいかわからない」「記号と数字だけで覚えづらい」と困っている受験生もいるでしょう。

そこで今回は、化学反応式の覚え方のコツなどを詳しくご紹介していきたいと思います。

覚え方のコツをつかみ、効率よく覚えていくようにしましょう。

そもそも化学反応式とは?

元素記号

化学反応式の覚え方を解説する前に、そもそも化学反応式とは何かきちんと把握しておきましょう。

化学反応式とはなんだったか、化学式との違いは何なのかを解説しますのでぜひご一読ください。

化学反応式は化学反応を化学式で表したもの

化学反応式の説明をする前にまず化学式を説明する必要があるでしょう。

化学式はH2Oのように、化学物質がどのような元素で構成されているのかを表した式のことです。

化学式で表される物質は、何らかの「化学反応」によって別の性質を持つ物質に変化することがあります。

このとき変化する前の物質を「反応物」、変化した後の物質を「生成物」と言いますが、この反応物と生成物を用いて化学反応を表したものを化学反応式と言うのです。

・2H2+O2→2H2O

このように、反応物と生成物を”→”で結ぶのが化学反応式の基本的な書き方になっています。

左右の物質の量が同じであることにも注意

また化学反応式の重要な特性として、左右で物質の量が変わらないようにしなければならないということにも注意しましょう。

例えば、 

・CH4+2O2→CO2+2H2O

という化学反応式では、左側では2O2で酸素が4つ、右側ではCO2で2つと2H2Oで2つの合計4つの酸素が含まれています。

このように、化学反応式は全ての元素において左右の量が等しくなるように係数を付けなければいけないのです。

この特性は化学反応式を覚えるときにも多用するので、しっかりと確認してきましょう。

化学反応式の覚え方のコツは?

化学

受験で使用する化学反応式は非常に数が多いです。

丸暗記するには大変なので、いくつか覚え方のコツを押さえて効率的に化学反応式を覚えていきましょう。

化学反応式の暗記のコツ①まずは基礎部分を暗記する

高校化学は法則などを使って導出できる問題も多いため「化学は暗記ではない」と言われることもありますが、基礎の知識に限っては暗記していなければどうにもなりません。

特に化学反応式において左右の化学式が何の物質を表しているのか、起こっている化学反応はどのようなものか、といった情報は非常に重要です。

これらはただ文字として覚えるのでは無く、その間でどのような反応が起こっているのかなどと関連付けることで記憶に定着しやすくなります。

元素周期表で最初に出てくる最も基本的な20種類の原子の暗記や、陽イオン・陰イオンなどの理解、イオン式の暗記が大切です。

また、化学式にも種類があるので、分子式、組成式、電子式、構造式などがそれぞれ何を表しているかについても把握しておきましょう。

化学反応式の暗記のコツ②「作れる反応式」と「暗記する反応式」を分ける

化学反応式は組み合わせや法則から「作れる」ものと最初から丸ごと暗記してしまった方が早いものの2種類に分けられます。

例えば、酸と塩基の反応や酸化還元反応などは他の式の組み合わせなどで導出できる場合が多く、そのまま暗記してしまうのは効率が悪くなってしまいます。

このようなタイプは「作れる反応式」として、基本的な事項だけを暗記して自分で作り出せるようにしておきましょう。

逆に、錯イオン生成反応のような反応では反応しやすい元素が決まっていることが多く、それらは種類も限られているため丸暗記してしまった方が早いです。

暗記するべきところは割り切って暗記し、組み合わせで作れる部分に関しては組み合わせで作る、というのが化学反応式の基本的な覚え方となります。

化学反応式の暗記のコツ③化学反応式の作り方を覚える

化学反応式を覚える時は一緒に化学反応式の作り方も覚えるようにしましょう。

ただ、一口に化学反応式の作り方と言っても半反応式を足し合わせることで目的の化学反応式を得る方法や、反応物と生成物を暗記しておいて係数を合わせる方法など色々あります。

係数の合わせ方は未定係数法など論理的に導出する方法があるので、そのような方法をしっかりと押さえておきましょう。

また、酸化還元反応の半反応式なども決められたステップを踏めば作れるようになっているので、それぞれの目的に合わせて反応式の作り方も逐一覚えていきましょう。

具体的な化学反応式の覚え方のポイント

女子高生

化学反応式を覚える際のコツや全体の流れがわかったところで、実際にどのような場合に丸暗記するのか、逆にどのような場合に導出するのかなどケース別の覚え方のポイントをご紹介します。

簡単に覚えるためには化学反応自体の理解が必要ですので、それぞれの反応の内容を確認しながら覚えていきましょう。

化学反応式を覚えるポイント①酸や塩基の反応式は自分で作れる

酸や塩基に関連する化学反応式のほとんどは、基礎さえわかっていれば自分で作ることができます

酸・塩基の反応で有名なものに中和反応がありますが、これは酸や塩基の特性やイオンの結びつきについて理解していれば反応式を作ることができます。

他の酸・塩基の反応では弱酸遊離反応・弱塩基遊離反応などもありますが、これらも原理さえわかっていれば電離式を用いて比較的簡単に導出することが可能です。

このように酸・塩基の反応のほとんどは基本原理などを理解していれば作れてしまいますが、一部例外もあります。

濃硫酸の反応などはそのまま暗記するしか無いため頑張って覚えてしまいましょう。

化学反応式を覚えるポイント②酸化還元反応は半反応式から導出可能

酸化還元反応は出てくる物質の数も多く長い化学反応式も多いのですが、これも暗記する必要はありません

この酸化還元反応は酸化剤・還元剤の半反応式を足し合わせると作ることができるのですが、半反応式自体も作ることができてしまいます。

そのため、

①酸化剤と還元剤の半反応式を作る
②それらを足し合わせて、足りない部分や余計な部分を整える

というステップで反応式を導けるので、まずはこの方法を勉強するようにしましょう。

化学反応式を覚えるポイント③沈殿生成反応・錯イオン生成反応は暗記

逆に、沈殿生成反応や錯イオン生成反応などは暗記が大切です。

例えば沈殿生成反応ですが、これは陽イオンと陰イオンから沈殿物が生成されるという反応です。

この沈殿物が生成される陽イオンと陰イオンのペアは決まっているため、それを丸暗記してしまうしかありません。

錯イオンも同様で、生成できる相性の良いペアは決まっているためこれもそのまま丸暗記してしまいましょう。

効果的な暗記方法

ペンとルーズリーフ

ここまでの項目で、化学反応式の中でも丸暗記するべきものと作ったほうが効率が良いものがあるということを解説してきました。

ここでは丸暗記しなければならない化学反応式について、どうすれば効率よく丸暗記ができるかを紹介します。

暗記方法①こまめに化学反応式に触れる

一度にまとめて暗記をするよりも少しでもいいからこまめに暗記を繰り返すほうが暗記に効果的です。

これは科学的にも実証されており、エビングハウスの忘却曲線でも裏付けられています。

エビングハウスの忘却曲線では、復習のタイミングとして覚えた日から1日後、1週間後、1か月後に復習をするのがよいとされます。

この方法を使って、こまめに化学反応式に触れることで記憶を定着化させましょう。

暗記方法②テストをする

暗記をする際は、単に化学反応式を見返すのではなく化学反応式を思い出すのが大切です。

そのため、丸暗記したい化学反応式は単語帳のようにまとめておいてテスト形式で暗記をするようにしましょう。

たとえすぐに思い出せなくても、思い出そうとして悩んだ過程がとても重要になるのですぐに答えを見るのではなく頑張って思い出そうとしてみてください。

これを何度か繰り返すことで、しっかりと化学反応式を暗記することができます。

暗記方法③寝る前に暗記する

暗記に関しては寝る前が最も効果的ということが科学的にも実証されています。

寝る30分前くらいに暗記を集中して行い、そのあとすぐに眠ることで記憶が定着します。

ただしここで注意してほしいのが、睡眠時間です。

短い睡眠時間ではなかなか暗記の効果を発揮できないので、最低でも6~7時間は眠れるようしっかりとタイムスケジュールを組むようにしましょう。

化学反応式の覚え方まとめ

化学反応式は決して丸暗記する必要は無く、今まで勉強した知識や原理などを使って作ることができます。

今回ご紹介した覚え方以外にも反応によって法則性があったりするので、その点に注意しながら覚えていくと良いでしょう。

また、そもそも反応の原理と覚え方が密接に関わっていることも多いため、普段の化学の勉強中に原理と一緒に覚えるようにするのも良いかもしれません。

化学反応式は丸暗記しようとすると大変なので、ぜひ今回ご紹介したコツやポイントを使って効率的に勉強してみてください。