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【学習指導要領改訂】時代の変化に沿った学習を目指す!

こんにちは!

武田塾明石校です。

 

今日は、2022年度からの高校学習指導要領の変更について、考えていきたいと思います。

 

指導要領の変更はなぜ必要か

まず、学習指導要領は何のためにあるかというと、ざっくり言ってこんな感じです。

「日本国を発展させていくために必要な人材を、全国一定の水準で育てる」

 

そして、学習指導要領の変更は、およそ10年ごとに行われています。

なぜ10年ごとに改訂が必要なのでしょう。

 

それは、およそ10年ごとに、日本が「社会の変化」をまとめ、次の世代に必要な人材について考え直すからです。

 

例えば、これまでの学習指導要領の改訂のタイミングで、世の中の動きがどのようなものだったか、見てみましょう。

平成元年

     昭和から平成へ

     女子の大学進学率が男子を上回る

     海部俊樹内閣に2人の女性官僚、女性初の官房長官誕生

     ベルリンの壁崩壊

女性の活躍が注目されるようになり、冷戦から世界情勢が大きく動き出したことがわかります。

 学校の週5日制、生活科が導入されました。

 

平成10年~12年

         iMac日本発売、「パソコン教育の充実必要」通信白書

         高校生の就職内定率過去最低を更新

         男女共同参画社会基本法成立、介護保険制度スタート

         宇宙飛行士、科学者、スポーツ選手の海外進出、九州・沖縄サミット

国際的な活躍をする日本人が注目され、科学分野での発展が目立ってきます。

 現行の社会保障も、どんどん始まってきました。「総合的な学習」が導入されました。

 

平成20~21年

        ゆとり教育の転換、「学校裏サイト」3万8千件以上(文科省調査)

       「後期高齢者医療制度」スタート、メタボ対策義務化・裁判員制度始まる

        iPhone日本発売、Facebook・Twitter日本語版開始

        米大統領にオバマ氏就任

※日本ではSNS利用が爆発的に増え、個人・社会的弱者・少数派への攻撃が社会問題として多く挙がりました。

 アメリカでオバマ大統領が就任したことで世界的に人種問題や平和活動への認識が高まりました。

 ゆとり教育から脱却し授業数や学習事項が増え、外国語・道徳への取り組みが充実してきます。

 

このように、日本国内の情勢、問題意識は、技術の発展もあいまってどんどん変わってきているのです。

このようにとめどなく変化を続ける社会の中で、教育に対する意識も変わってくるのは当然です。

 

「学習指導要領の改訂によって学生が振り回される」というような具体的な案件も聞かれますが、

それはシフトチェンジするプロセス・方法に不足や不備があるだけで、

改訂の【ねらい】に対しては、学生も、先生も、家庭や社会も理解することが必要だと思います。

 

今回の改訂のねらい

さて、今回の改訂では、社会の変化に伴い重要視される、求められる人物像は、どのように変わるのでしょうか。

文部科学省の「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説総則編」を参考に、以下に挙げてみます。

 

①成熟した少子高齢社会における労働力

生産年齢人口が減少することによって、「より早く、効率よく、長く働くこと」ができるシステム

それができる人材を育てる教育システムができつつあります。

以前は1年間程度をかけて行っていた新入社員研修は、どんどん短くなり、

いまやインターンなど学生が実際に企業に貢献することを求められる制度まで活用されています。

また、高齢者、後期高齢者となっても働くことを選択できる制度もあります。

②さまざまな社会への参加能力

選挙権年齢、成人年齢が相次いで引き下げられ、以前は出来なかった形での社会参加が出来るようになっています。

最近は、事業や投資を行う部活があったり、校則に対して異議を投げかける運動が活発になったりと、

学生が「自分自身で考え、行動する」例をよく目にします。

また、国家間のボーダーレス化が進む一方で、日本国内の地理的な人口分布も変化し、

学校など公共施設や人員の配置など、地方の状況は厳しくなる一方です。

自分の生まれた土地について考える地域性や、世界レベルの多様性について、広い視野で見ることも求められています。

③最新技術を扱える人間力

チャットボットやビッグデータの利用、身近な物の働きがインターネット経由で最適化される IoT など、

「機械ができること」が増えるにつれて、「人間でないとできないこと」が検討されるようになって久しいです。

創作活動やお笑いなど、人間のみが許されると考えられてきた創造性ですら、ロボットが持つことができるようになってきた今、

機械が人間の仕事を奪う、などというような論調も、もはや過去のもののように感じます。

技術を使用し管理する力だけでなく、人間の可能性を、常に積極的に更新していく姿勢が、今後いっそう必要になることでしょう。

 

求められる人間像

このような状況を踏まえて、次に来る10年を生き抜くための人間像として、以下のようなことが想定されます。

 

      様々な問題を横断的に思考し、      

     社会に活かせる即効性・行動力を持つ    

 

ちなみに…

これは筆者の個人的な見解ですが、食文化も発達し、体の成長も早まっていることも関係していると思います。

幼児のいわゆるイヤイヤ期、思春期、反抗期も、徐々に早まっているそうです。

少年期に経験しなければならないことが多くなっている(と親世代も感じている)ために、

小さなうちから幾つも習い事をしたり、中高生はグレて不良化する時間的な猶予を与えられないまま、

社会に出なければならなくなっているような気がしますね。

 

教科はどう変化するか

例えば、国語を例にとって変化する点を見てみましょう。

「国語」の改訂要点

改訂前

科目 標準単位数 必履修科目
国語総合 4 ○(2単位まで減可)
国語表現 3  
現代文A 2  
現代文B 4  
古典A 2  
古典B 4  

改訂後

科目 標準単位数 必履修科目
現代の国語 2
言語文化 2
論理国語 4  
文学国語 4  
国語表現 4  
古典探求 4  

ポイント

●これまでの必修科目「国語総合」に代わる新しい科目として、以下の2科目が必修となります。

「現代の国語」……実社会における国語による諸活動が、成人年齢の引き下げによって実際的なものになることを想定しています。

「言語文化」……言語を通して日本文化を理解し、表現できる力を身につけます。

●必修・選択に関わらず、全科目において、理解したり表現したりするために必要な語句を身につけることが重視されます。

英語と同じように、「読む力」から「話す力」「書く力」「聞く力」がより重視されるようになります。

●グローバル化やIT化の中で、論理的な思考力の育成につながる情報の扱い方を「現代の国語」「論理国語」で取り扱います。

 

おわりに

高校生の段階で、決まった学習指導要領をこなすだけでなく、

「自分がどんな力を身につけて社会に出たいか」を意識して

科目の選択を行う必要がありそうです。

もちろん、学校の先生にとっても担当科目が変わることになりますし、

試験の内容や形態についても変化が予想されます。

よく【ねらい】を理解したうえで、変化に対応していけると良いですね!

 

 

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