東京大学大学院 教育学研究科に所属している武田塾御茶ノ水本校講師の西川です。
今日は東大の文系学部について紹介します。
東大は入試の段階で文Ⅰ・文Ⅱ・文Ⅲという科類に分かれていて、細かな違いはありますが、2年生の途中までどの科類の人も同じような授業を履修します。
そして2年生の夏に、それまでの成績をもとに、進学する学部学科を決めます(進学振り分け制度)。
これがなかなか大変で、自分が行きたい学科の進学希望者が少なければ良いのですが、希望者が多い場合、成績順に行けるかどうかが決まってしまうので、特に1年生のころの成績がその後の進路に大きな影響を及ぼすことになります。
入試が終わって大学に入っても気が抜けないところが東大の特徴であると言えるでしょう。
では文Ⅰ・文Ⅱ・文Ⅲといった科類はいったい何かというと、これは進学先を決定するときの枠と関わっています。
ややこしいのでごく簡単に言うと、
文Ⅰ→法学部
文Ⅱ→経済学部
文Ⅲ→文学部・教育学部・(後期)教養学部
にそれぞれ優先的な枠が設けられており、対応する科類からは比較的進学がしやすくなっています(もちろん文Ⅲから経済学部に行ったりすることも可能です)。
なんとなくイメージができたでしょうか?
進学先についてはこのようにして決まるのですが、文系の場合、後期課程に進学しても、専門以外の授業を履修することは簡単です。
法学部の人は(専門の授業がかなりハードなので)ちょっと厳しいかもしれませんが、大学としても制度的に専門外の授業をとることを推奨していて、たとえば文学部や教育学部の場合、卒業に必要な単位のうち自分の専門分野のものは半分程度にすぎません。
よって、ゼミや卒論などはありますが、自分の所属する学部学科にかかわらず、興味関心に応じて比較的自由に授業を履修することができます。
これが東大の文系学部の特徴であると言えるでしょう(理系は結構厳しいみたいです)。
このように東大は、学際的な(≒複数の分野にかかわる)教育を重視する傾向が強いのですが、ちょっと注意しなければならないのは、一歩間違うと自分が何をしているのかわからなくなるということです。
「単位をとって卒業したはいいけど、結局自分が何を身につけたのかわからない」、そんな声はしばしば耳にします。
文系学部に進学する場合は、特にこの点に気をつけて、自分なりに課題意識を持って勉強や研究を進めることが重要になってくると言えるでしょう。
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