いよいよ4月ですね。
桜が開花し始めて、陽気も暖かくなり、新社会人も駅で見かけた時に、今年大学を卒業した講師の事を思い出してしまいました。
また1年頑張ろうと思った瞬間です。( • ω•́ )b ✧
さて、今回は自分に甘いYくんの意識改革に関するお話です。
※今回の記事は言い訳ばかりする生徒が少しだけ意識が変わった話です。
※前段に興味が無い人は、【私自身が人生救われた言葉】からお読みください。
集中力やモチベーションが上がらない
Yくんは通信制高校に通う3年生で毎日自習室に10時間以上勉強しているのですが、成績が伸び悩んでいました。
これは校舎長の私の責任であり、何とかして彼のやる気を引き出せないかと毎日奮闘していました。
そんなある日…
「僕、MARCH受かるんですかね…？」
とY君は突然不安気な表情で話し掛けて来ました。
以前も突然受験を止めると言い出した事もあり、メンタル面が不安定な為、
これは今すぐ対応しなければいけないと思いました。
普段から毎日10時間以上自習室にいるけど、成績がいまいち上がらない。
現代文の日大段階突破テストは4回連続で下降中。
普段の宿題も何かと理由を付けてやり切っていない。
Y君の目標
最近、Y君と何度も会話をする内に見えて来た彼の目標が分かってきました。
藤森慎吾に憧れて明治大学に行きたい。
中田敦彦のYouTubeもよく観ている。
Y君の言い訳
武田塾の自習室は日曜は19時まで。
その後、カフェで勉強したくても『まん延防止等重点措置』で20時閉店。
でも、自宅は兄弟が邪魔をして来るし、誘惑も多い。
生活音がうるさくて集中出来ない。
「じゃ、早く寝て翌朝勉強したら？」と提案しても、
「いや、深夜スポーツ観戦をリアルタイムで観たいので…」
その次の日の月曜だけは元々予定していた高校の同級生と遊ぶ日と言うYくん。
いっそのこと、この2日は思いっきり遊んでリフレッシュした方がいいのではないか。
毎日長時間自習室にいるから、毎日の疲労が溜まって、勉強の成果も感じられず、
どうせやっても意味がないと思われているような気がしました。
「Yくんは悪気なく無意識に言っているのかもしれないけど、社会人の先生からすると、ずっと気になってたことがあるんだ。Yくんに一つ提案が出来るとしたら…これだな。」
『もう言い訳やめない？』
私は紙に書きながら見せました。
言い訳とは？
僕は彼に聞きました。
「言い訳って何だと思う？」
「逃げる理由ですかね…？」
「そうだね、やらなくていいように理由を正当化することだね」
「先生に何を求めてるの？全部正当化してあげようか？
日曜は塾が19時に終わるから塾が悪いね。
カフェに行こうとしても20時で閉まるからコロナが悪いね、世の中が悪いね。
君は何も悪くないんだね。家に帰れば家族が邪魔して来るし、家族の存在が悪いんだね。
見たい番組も深夜に放送するテレビ局が無神経だね…
これで、君が勉強出来ない理由は正当化されたね。どう？」
「いや…」
「君の尊敬する藤森慎吾や中田敦彦がこれと同じ状況だとして、同じことするかな？」
「いや、しないと思います…」
「もう一回聞くけど、今の状況の中で、君はどうなりたいの？」
Yくんの願望
「どんな状況下でも、毎日のやるべきルーティンを無の境地で出来るようになりたいです。
でも、どうしていいか分からないです…」
「ようやく出て来たね、君の願望が。よし、じゃ君にこの言葉を捧げよう。」
私自身が人生救われた言葉
2007年頃、某テレビ番組で美輪明宏が言っていた言葉に大変感銘を受けまして、
今でも辛い時に思い出すことがあるので、Yくんに今こそ伝えるべきだと思いました。
「世の中で一番いらないものは何か？
それは感情である。
感情に流されて、やるべき事をやらなくなってしまう事が一番いけない。
感情は一旦流して理性で行動しなさい」
すると、安田くんは暫く沈黙した後にこう言いました。
Yくんにこの言葉は響いたのか…！？
「なんか、すごいしっくり来ました。
最近感情がすごい邪魔してるなと思ってたので、すごい分かります。
今度から僕に会った時はそれ言ってもらえませんか？」
Yくんの意識が変わったその訳とは…？
それ以降、私はY君に朝会った時は挨拶と一緒にこう言うようにしています。
「おはよう！今日も感情に流されるなよ～！」
「おはよう！今日も理性で動けよ～！」
など、声かけを続けています。
少しずつYくんに表れ始めた言動の変化
最近、Yくんに変化が表れ始めて来ました。
例えば、数学の解き直しノートの文字が読めるようになったのです。
また、赤ペンで答えをとりあえず写して、その答えをただ眺めていただけの状態だったのが、
解き直しが青ペンで解き直しまでするようになりました。
さらに、ノートを分割する時の線がフリーハンドだったのが定規で綺麗になったり、ノートの各ページに日付が入って見やすくなったりしてきたのです。
顔つきも少し真剣になって来て、僕と喋る時も姿勢も猫背だったのが背筋が伸びて膝に手を置いて面接のような畏まった感じになりました。
目の前にYくんが面接みたいに畏まって座りながら私の話を聞いていたので、
「この前、色々言ったから身構えてるの？」
「いや、別に…」
「宿題の仕上がりも前より良くなって来てるね！この前の話が凄く響いてるのかな？」
Yくんが心を入れ替えた本当の理由とは…
「まあ、それもあるんですけど、月曜日に高校の同級生と草野球して来て、
その時に『俺達、浪人せずに現役で受かって、また野球やろうな！』って約束して来たんです。
それですかね…」
「…そうか…！友達から良い刺激受けて来たみたいだね…！」
実は、先程のお説教は約60分話していたので、私も声を荒げながら、指導してしまったので、てっきり自分の影響かと思っていたのですが…(笑)
私よりも友達の言葉の方が響いたらしいですね(笑)
「あと、久しぶりに体動かしたら、体重たくて、もう1年もやってられないなって思って…」
友達と草野球をして来た事で、来年大学生になった時にまた一緒に大好きな野球をする事への期待感、そして体も動かして無かったからかなり鈍っている事への焦り、からの受験勉強への危機感やモチベーションに繋がったんだと思います。
今後も彼の成長を見守りながら、第一志望校に向けてしっかりサポートして行きたいと思います。
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