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【共通テスト】
傾向が変わった！？
21年度と22年度の
問題比較してみた：世界史B編
2021.22年度共通テスト比較
シリーズもいよいよ第6弾！
今回は世界史B編です！
他科目はこちらから！
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21年度と22年度で何が変わったの？
2021年度も2022年度も大問は5問、問題数は34問とともに変化はありません。
しかし大問ごとの問題数と配点は大きく変わり、
第１問から順に5問15点、6問18点、8問24点、
9問26点、6問17点だった2021年度に対し、
2022年度は第1問から9問27点、5問15点、8問24点、
6問17点、6問17点となりました。
資料（地図、グラフ・表、絵画、写真）の数は
2021年の17に対して2022年は13とやや減少しており、
全体としてのページ数も資料数の減少もあってか
2021年の32ページに対し、
2022年は28ページとやや減少しています。
しかし、資料読解しつつ、世界史の知識も併せて解く必要がある
「思考力」を問う問題は、2022年度も2021年度同様に多く出題されています。
正文選択の問題は2021年の10問に対して、
2022年は17問と増加しており、
誤文選択の問題は2021年の3問に対して、
2022年は出題なしと減少しています。
また、センター試験から継続して出題されていたグラフの問題が出題されず、
表中の数値を用いて考察させる問題が出題されました。
続いては大問ごとに細かく見ていきましょう。
大問１
2021年度
Aでは『史記』に見える始皇帝死亡時の逸話、
Bでは歴史家マルク＝ブロックが著した
『歴史のための弁明－歴史家の仕事』が用いられました。
Aでは中国についての問題を中心に、
1問思想統制に絡め西洋史も選択肢に含まれました。
Bでは解答を導くために資料の読解が不可欠である問題が出題され、
全体として、基礎知識に加え読解力が求められました。
2022年度
Aではシーボルトについての文章、
Bではハサン＝ブン＝イーサーの伝記記事の資料、
Cでは王国維が著した論文が用いられました。
Aでは中国についての問題を中心に、
西洋史に絡んだ地図問題と文化史が出題されました。
Bではイランについての設問を中心に、
古代から近代まで幅広く出題されました。
Cでは中国周辺史を中心に、解答を導くために
資料の読解が不可欠である問題が出題されました。
全体として、文化史や地図の知識に加え読解力が求められました。
大問２
2021年度
Aではイギリスの金貨鋳造量と紙幣流通量を示した2つのグラフ、
Bでは中国の貨幣についての会話文が用いられました。
Aではグラフの読み取りと知識を連動させる問題と、
写真から情報を読み取り知識と連動させる問題が出題されました。
Bでは会話文中の空欄に適する用語の穴埋め問題が出題されました。
全体として、歴史的事項の流れ、グラフや写真からの読解力など
受験生が苦手とするポイントと貨幣に対する知識を求められました。
2022年度
Aではウィンストン＝チャーチルの『偉大な同時代人たち』、
Bではアメリカ合衆国大統領の演説が用いられました。
Aでは資料の読み取りと地図の知識を連動させる問題が出題されました。
Bでは現代史について広い知識が求められました。
全体として、現代史や地図の知識、資料の読解など
受験生が苦手とするポイントが狙われました。
大問３
2021年度
Aでは『デカメロン』、Bでは日本人ジャーナリストの大庭柯公の文章、
Cではジョージ＝オーウェルの『1984年』が用いられました。
Aは中世ヨーロッパ文化史を中心に問われました。
Bではロシアを中心に広い知識が必要とされる問題、
資料の2つの空欄と1つの下線部に対応する用語の組合せを問う問題が出題されました。
Cではオーストラリアを中心に資料の読解力を求められました。
全体として、文化史を含めた幅広い知識の定着を問われました。
2022年度
Aでは明治期の政治小説に描かれた国際情勢についての会話文、
Bでは世界の各地域の人口推移についての会話文、
Cではオセアニアの先住民についての会話文が用いられました。
Aでは19世紀の世界についての幅広い知識が問われました。
Bでは2021年度は見られなかった、
表中の数値を用いて考察させる問題が出題されました。
Cでは資料からの読解力を問われる問題が出題されました。
全体として、表や会話文など資料の読解が必要とされました。
大問４
2021年度
Aでは19世紀に締結された条約の資料、Bでは日中関係についての会話文、
Cでは英領インドの統治に関する文書が用いられました。
Aでは資料の読解に加えて地図の知識、流れを問う問題が出題されました。
Bでは3つの資料の並べ替え問題が出題され、流れが問われました。
Cではインドを中心に広い知識が問われました。
全体として、資料読解に加えて現代史や流れ、
地図の知識など受験生が苦手とするポイントが狙われました。
2022年度
Aではイギリス人作家ジョージ＝オーウェルの書物、
Bでは絵画を基にした会話文が用いられました。
Aでは日本の近現代史とファシズムを中心に、
資料の読解に加え考察力を問う問題が出題されました。
Bは地域・時代共に幅広く出題されました。
全体的に、20世紀を中心に幅広く基礎的な知識と資料の読解、
考察力が求められました。
大問５
2021年度
Aでは3つの旅行記、Bでは朝鮮史をテーマとした会話文が用いられました。
Aではヨーロッパを中心に古代から20世紀まで幅広い知識が問われました。
Bでは朝鮮史について整序問題などが出題されました。
全体として、現代史や朝鮮史、流れなど、
受験生が苦手とするポイントが狙われました。
2022年度
Aではサン＝ドニ大修道院付属聖堂内の墓棺群の配置推定復元図、
Bでは写真を基にした会話文が用いられました。
Aでは中世ヨーロッパを中心に資料の読解力を試す問題が出題されました。
Bでは中国と人の移動をテーマに地図問題と幅広い知識が問われました。
全体的に、流れと君主や王朝、時代ごとの事績について
正確な知識が求められました。
平均点はどれくらい変わった？
2021年度の平均点は63.49点、
2022年度の平均点は65.83点とやや上昇しています。
ここまで紹介してきたように、
2021年度と大きく変わった部分は少ないため、
資料読解力と考察力が求められる形式に、
受験生が多少慣れてきた点、ストレートに答えやすい
正文選択の問題が増えた点が考えられます。
対策はどうすればいいの？
まずは基礎力を身に着けよう
読解力や資料を読み取る力が
問われるようになったとはいえ、
根本的な対策方法に変化はありません。
まずは各時代の流れ、
そしてそこに登場する人名や事象の用語
この2点を身に着けることに
重点を置きましょう。
その際にただ授業を聞いたり
本を読んだりだけでは
なかなか定着してきません。
インプットとアウトプット、
この繰り返しの学習が
基礎力を身に着けるうえで一番大事です。
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資料読解力と考察力が重要といっても、
それを生かすために必要なのは世界史の基礎知識です。
整除問題と流れの問題に対応するためにも、
おおまかな流れを骨組みとして、
他の知識を肉付けしていくようにして取り組みましょう。
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