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日本史シリーズ⑤ ~文学史(前回紹介できなかった説話 日記)~

日本史選択者に限らず、多くの受験生が苦しめられるのが「文学史」だと思います。悲しいことに、文学史は日本史だけでなく現代文や古文でも出題されますよね。かくいう私も、受験生の時にこれに苦しめられました。今回は主要な文学作品を分野別にした上で、わかりやすく確認していきたいと思います。

 

WARNING!!

 文学史を学習するときに注意すべきことは二つあります。一つ目は、暗記事項が異常にあることです。これはすべて暗記していたらきりがないので、年代や作者、作品のおおまかな特徴を覚える程度にしたほうがいいと思います。二つ目はジャンルごとに覚えることです。実際の問題でもジャンルで問われることが多いのでおすすめの覚え方です。以上を参考に学習してみてくださいね!

 

説話

作品と作者をしっかり把握しよう。

作品 作者 成立 特色
十訓抄 六波羅二郎左衛門 鎌倉中期 10条の徳目を掲げ、それに沿った説話を集めている。若者への教訓啓蒙を目的としている。
古今著聞集 橘成季 鎌倉中期 世俗説話。作者と作品を覚えるべし。
撰集抄 不明(西行に仮託) 鎌倉中期 仏教説話。
沙石集 無住法師 鎌倉中期 仏教説話。

 

日記

作品 作者 成立 特色
土佐日記 紀貫之 平安初期 女性に仮託した仮名文字日記文学のパイオニア。土佐の国司を務めた筆者が任期を終え、土佐から京都に着くまでの海上日記。任地で失った女児への追慕の念も現れている。
蜻蛉日記 藤原道綱母 平安中期

藤原兼家とのうまくいかない結婚生活を恨み節で書いている。筆者は権力好きで有名であったが、兼家の第二婦人に収まってしまい、愛されずに苦しむ。女流日記の先駆け

和泉式部日記 和泉式部 平安中期 作者と敦道親王との恋の顛末が書かれている。作者自身を「女」と第三者視点から客観的につづっている。
紫式部日記 紫式部 平安中期 中宮彰子に使える女房であった筆者によって宮廷生活の様子や行事、消息文での女房評が記録されている。
更級日記 藤孝標娘 平安後期

「源氏物語」など物語の世界にあこがれる幼少期、苦労に堪えない宮仕えと幸薄い結婚生活に夢破れる中年期、仏道修行と子供の養育に余生を過ごす晩年期までを描いている。

讃岐典侍日記 藤原長子 平安後期 堀川天皇に典侍としてつかえて寵愛を受けた筆者の話。
建礼門院右京大夫集 世尊寺是行の娘 鎌倉初期 私家集に分類することもある。高倉天皇の中宮建礼門院の零落や平家滅亡の悲しみの歌が収録されている。
十六夜日記 阿仏尼 鎌倉初期 京都から鎌倉への旅日記。前妻の子供との所領争いの話。
とはずがたり 御深草院二条 鎌倉後期 院の寵愛を受けて以降の作者の様々な恋愛模様を描く。御深草院は大変特殊な性癖をお持ちの変態だったことがこの書を読むと分かる。最終的に筆者は出家し、諸国行脚の懺悔の旅に出る。

 

 

次回は「勅撰集(八代集)」と評論(歌論・能楽論・物語論)を紹介しようと思います。おたのしみに!

武田塾の強み!逆転合格するためには

 

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・武田塾の強みパート④ 逆転合格するために

 

 

 

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