以前は、国公立大学を対象とした大学入試センター試験が実施されていました。
令和3年度からは、それに代わって、大学入学共通テストを実施されています。
今回は両者を比較して、共通テストの特徴を紹介していきます。
また「センター試験の過去問は共通テストの勉強に使えるの?」という疑問にもお答えします!
共通テストの特徴
共通テストの方式
解答形式など
・マークシート式(記述式の問いはない)
・国公立大の出願の参考にするため、自己採点は必須
→解答を問題用紙にも記録してことが必須
出題傾向
大学教育に必要な基礎力を踏まえた問題が出題されるようになりました。
・基礎知識に加え、その知識を日常生活や社会で活用する力が問われる →知識の理解の質を問う問題 →思考力、判断力、表現力などを駆使することが求められる問題 |
・出題範囲は、高校3年間で学んだ内容が広く出される |
各大学の試験との組合せ
大学入試は、個性化・多様化が進んでいます。
例として、次のようなものが挙げられます。
・小論文 ・面接 ・学校推薦型選抜 ・帰国生徒選抜/社会人選抜 |
これらと共通テストを適切に組み合わせることで、入試の個性化・多様化に対応できます。
アラカルト方式
共通テストでは、利用教科・科目を各大学が自由に指定できるアラカルト方式を採用しています。
各大学がニーズに応じた教科・科目を指定したり、比重を高めることが可能になっているのです。
国公私立大学・短期大学等の利用数は、令和5年度入試では、870に上ります。
センター試験と比較してのメリット
・小論文や面接などに重点を置くことができる
・大学側が、新しい層の学生を開拓できる
・同一大学/学部の受験チャンスが1回増えた
どんな人が受けるか
国公立大志望者
・原則として全員が受験
→共通テストと個別試験の点で合否判定される
私立大志望者
・以下の2方式で利用される
◆単独方式…共通テストの成績のみで合否が判定される
◆併用方式…共通テストと個別試験の両方を必須で課す
その他
・学校推薦型/総合型選抜の合否判定に、共通テストが課されることもある
センター試験の過去問は共通テスト対策として使えるか
センター試験と共通テストの違いを把握しよう
先に述べたように、共通テストはセンター試験に比べ、表現力や思考力、判断力が問われます。
そのため出題される内容や形式は、実生活に関わる題材が増えました。
英語・数学・国語について、初年度の傾向は以下の通りです。
【英語】 ◆リーディング ・発音やアクセント、文法などの問題は出題されない ・読解問題のみとなった
◆リスニング ・配点比率が上がった ・具体的には、リーディングと1:1の割合 |
【数学】 ・会話形式の問題や日常事象を題材とした出題が多く見られた ・設問の文章量が増加した |
【国語】 ・複数の文章/資料を照合しながら読む力が求められるようになった |
センター過去問は共通テストの対策になる!
このような変化があった一方で、共通点ももちろんあります。
つまりセンター試験の過去問には、共通テスト対策に利用できる部分もあるということです。
武田塾の特訓でも、センター試験の過去問を活用しています。
英語・数学・国語について、それぞれ活用方法をチェックしていきましょう。
英語
センター試験と共通テストを比較すると、語彙や構文の難易度が同じレベルです。
共通テスト対策として有効な教材と言えるでしょう。
センター筆記
大問1~3は共通テストの出題範囲ではないです。
大問4以降の、読解問題を使用していきましょう。
・図表問題 →「文字情報」と「イラスト情報」を結びつける練習になる |
・広告文問題 →必要な情報を探し出す「情報検索能力」が鍛えられる |
・ストーリーの読解 →「登場人物の把握」「時系列を整理する」訓練に役立つ |
・長文読解 →長い文章を整理しながら読み進める練習になる |
センターリスニング
試験時間は同じ30分間です。
リスニングに慣れるために活用することもできます。
数学
共通テスト特有の問題に気をつける
初年度の共通テストは、特有の問題が多く出されました。
・太郎さんと花子さんによる会話形式の問題 →それぞれの立場を考えながら、必要な情報を読み取く |
・日常事象を題材とした問題 →設定された日常事象の内容から、必要な立式を行う |
こうした共通テストとセンター試験の違いを正しく把握しましょう。
その上で必要に応じて、過去問を分野ごとに活用するのがベストです。
センター数学
一方で、従来のセンター試験との共通部分も多くあります。
・適切な立式や範囲を選択させる問題 ・選択式の正誤問題 ・図形を考察させる問題 |
これらを解くことで、マーク形式にありがちな「誘導」に慣れることができます。
ちなみに試験時間が変わっています(センター試験:60分、共通テスト70分)。
そのため時間を計って本番のように解くのは良くありません。
先に述べたように、分野ごとの勉強に使うことをオススメします。
特に苦手分野がある人は、その対策にセンターの過去問を活用しましょう。
国語
センター国語は良い練習台になる
共通テスト初年度の国語にも、新しい傾向の問題が少し出されました。
複数の文章を関連づける問題などです。
しかし本質的にはセンター試験と変わらず、読解力が求められています。
国語の問題演習では、「選択肢において、根拠の言い換えの幅をつかむ」ことが重要。
マーク式では、紛らわしい選択肢を消去法で消して正解を選ぶことが多いのでなおさらです!
そしてセンター試験の問題は、そのトレーニングをするのに最適と言えます。
注意点
先に述べた通り、共通テスト本番では、複数の資料を読み取く必要があります。
そのためセンター試験と比べ、迅速な情報処理能力が求められるという訳です。
こうした時間配分の違いに気をつけましょう。
まとめ
共通テストはセンター試験と比べ、より思考力が問われる内容になっています。
単に授業を受けるだけでなく、自学自習が重要であるとも言えるでしょう。
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突然ですが、質問です。
志望校に合格するための条件は何でしょうか?
答えは「入試問題で合格最低点以上の得点を取る」ことです。
すなわち、入試当日に「入試問題が解ける状態」になっていることが必要です。
ではここで、共通テスト英語の問題を解いてみてください。
<引用:独立行政法人 大学入試センター https://www.dnc.ac.jp/>
もし今これが解けない状態であれば、入試当日までに何をする必要がありますか?
「単語の意味を覚える」「文法を覚える」「速読力をつける」
こうしたことが必要ですよね。
単語の意味を覚えるにはどうすれば良いでしょう?単語帳で意味を隠しながら何度も反復しますよね。
文法の暗記も速読力の強化も同様です。自分で問題を解いていかなければなりません。
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授業はあくまで「理解」に過ぎず、その内容を「暗記=インプット」し、「演習=アウトプット」することで初めてテストで問題を解けるようになるのです。
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