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2020年で廃止!共通テストの前身「大学入試センター試験」とは?

Good and Old

こんにちは、武田塾佐賀校の出口です。

2022年度1月15日~16日に共通テストが行われました。

昨年度「センター試験」から「共通テスト」に変わり、
今年度は昨年度の反動を受けて大幅難化した科目がいくつかありました。

 

当時の受験生にとってセンター試験とは何者だったのか。
センター試験の特徴と歴史とともに紹介します。

センター試験とは?

センター試験とは?

センター試験は、正式名称を「大学入学者選抜大学入試センター試験」といいます。通称「センター」、「セ試」。

1990年から2020年までの30年間実施された、
年1回(1月中旬)、大学受験生を対象に行われる全国一斉テストのことです

 

国公立大学の入試は全部で2段階に分かれていることが多く、その1段階目として利用されました。

大学入学共通テストの前身、センター試験のころ

センター試験はどのように使われた?

ほとんどの国公立大学は、
全国一斉・同一問題で実施の「センター試験」と、
大学側が科目・問題を決められる「個別試験(2次試験)」、
その両方を使っていました。

 

基本的には、2つの試験の合計点数の高い人が「大学合格」として扱われます

 

ただし、大学によっては「センター試験の点数を半分にして計算する」ところや、
「センター試験の一部の科目しか計算しない」ところ。
「センター試験だけで合格/不合格を決める」ところもありました。

 

センター試験はどれくらい重要だった?

センター試験は、当時の大学受験生(筆者を含む)にとって、非常に大切なものでした

国公立大志望者の「センター試験」

センター試験は900点満点。一方で、国公立大学の個別試験の満点は200~400点程度。

センター試験の点数の割合が非常に大きく、
センター試験で十分な点数が取れれば、個別試験で多少失敗しても十分に合格できました

逆に、センター試験で失敗すると、個別試験で取り戻しづらく、
受ける大学を考え直さなければならない状況に追い込まれます。

 

もちろん、センター試験の点数の割合が低く、個別試験の割合が高い大学も存在しますが、
そのような大学は「東京大学」「京都大学」「九州大学」といった人気の難関校がほとんど。
センター試験の点数が低いと、そもそも個別試験を受けさせてもらえない、なんてこともありました(いわゆる「足きり」)。

 

私立大志望者の「センター試験」

私立大学受験者にとっても、センター試験は無視できない存在です

 

元々私立大学は、国公立大学と違い、大学独自の試験だけ受験するシステムでした。

しかし、センター試験導入後、私立大学もセンター試験の結果を利用できるようになり、

国公立大のように「センター試験+個別試験」とする入試方式や、

「センター試験だけで合否を決める」方式が生まれました。

 

この他にも、大学に合格する可能性がどれくらいあるか(判定)を調べるのに使うなど、

私立大学を受験する場合でも「とりあえずセンターは受験する」といった雰囲気がありました。

 

センター試験の問題の特徴

共通1次・共通テストと比べた時の特徴

1980年代の大学入試(共通一次)は、随所にひねった問題が見られました。

例えば、「"due"と同じ発音の単語を思い浮かべ、その定義を英語で説明しているものを選べ」など。

 

共通一次に比べると、センター試験は素直に知識を聞く問題が増えています

例えば、「stone、story、total、voteから発音が異なるものを選べ」など。

 

しかし、センター試験から共通テストに変わり、知識を直接尋ねる問題はなくなりました

単語・文法問題などはなくなり、全て長文問題になっています。

 

他の2つの試験と比べた時、

センター試験は「思考力があまり必要とされない代わりに、膨大な暗記量が求められる」テストだと言えます。

 

全問が無難なわけではない

大量の暗記を必要とする代わりに、問題自体は珍問が少なかったセンター試験

それでも時折、読者に強い印象を残す問題が出題され、話題になりました

ここでは、話題になった問題を2つ紹介します。

 

スピンスピンスピン (2013年度 国語)

『フェーヤー? フェーヤー……チョッ!』『ヘーヤーヘブン』

基本的に素直な問題が多いセンター試験ですが、

現代文の小説については、受験生を混乱させる問題がやたら出題されます。

 

その中でも、話題に上がったのが2013年度出題の「地球儀」

「僕の事をおこっていますか?」「カンカン!」母は面倒くさそうに言った。「ふふん!」「これからもうお金なんて一文もやるんじゃないッて――私まで大変おこられた」「チェッ!」と私はセセラ笑った。
(牧野真一「地球儀」https://www.aozora.gr.jp/cards/000183/files/49719_36753.html 2022年1月21年アクセス)

場面設定の説明がほとんどなく、急に始まる物語。

あちらこちらに挟まるカタカナ表現。

「カラ元気」「まア」など見慣れない表記に、
「煙草盆」「コケトリイ」とやたら難しい単語群

そして、「なぜなら私はこの間その地球儀を思いだして一つの短篇を書きかけたからだった」という一言から唐突に始まる劇中劇

 

受験生の混乱がピークに達したところで、目にする一節がこちら

「シイゼエボオイ・エンドゼエガアル」と。母は静かに朗読した。竹筒の置ランプが母の横顔を赤く照らした。「スピンアトップ・スピンアトップ・スピンスピンスピン――回れよ独楽こまよ、回れよ回れ」と彼の母は続けた。「勉強がすんだらこっちへ来ないか、だいぶ暗くなった」と祖父が言った。母はランプを祖父の膳の傍に運んだ。彼は縁側へ出て汽車を走らせていた。

この年から、問題文に混乱することを「スピンする」と揶揄する人もいるとかいないとか。

 

ちなみにこの年の国語の平均点は、前年度より15点以上低くなっています

 

Pat様 (2003年度 英語)

英語のリスニングには「引っかけ問題」がよく登場します。

「水曜日に予約していたけれど、1日後ろに変えてください」のように、
聞こえた単語(水曜日)に飛びつくと痛い目を見るように作られた問題です。

そんな引っかけ問題の限界に挑戦したのが、2003年出題の「Pat様」です

Oh, sorry, it must have been the other one.

「蚊に刺されてしまったので、虫よけスプレーの入った場所をPatさんに聞く」と、
シチュエーション自体はいたって普通なのですが……。

Terry: Which one? (どっち?)
Pat: The big one. (大きい方)
Terry: Where in the backpack? (リュックのどこ?)
Pat: In the side pocket. (サイドポケット)
Terry: The side pocket? Which one, top or bottom? (サイドポケット?どっち?上?下?)
Pat: The bottom one.(下の方)
Terry; Let's see... Now, I can't find it. Are you sure it was this backpack?
(ええと、見つからないよ!本当にこのリュックで合ってる?) 

やたら小刻みに出される情報。

なんとか全部聞き取れても、"I can't find it."の一言で、
今まで頑張って聞き取った情報が間違っていたことを知ります

そして、

Terry; Let's see... Now, I can't find it. Are you sure it was this backpack?
(ええと、見つからないよ!本当にこのリュックで合ってる?) 
Pat: Oh, sorry, it must have been the other one.
(オー、ソーリー。じゃあ、もう片方だね)

"the other one(もう片方)"と言われても、
大きいリュックではなかったのか、サイドポケットではなかったのか。
あるいはサイドポケットの上下が違っただけなのか。

ちなみに、そのもう片方の該当のポケットにも虫よけスプレーは入っていませんでした

 

時代の変化とセンター試験

時代に置いて行かれるセンター試験

先ほどのように、センター試験において奇妙な問題は、長らく話のタネとなってきました。

裏を返せば、たまに出る珍しい問題をネタに出来るほど、平和なテストだったわけです。

なぜセンター試験は生まれ、なぜ共通テストに取って代わられたのでしょうか。

学歴社会と共通試験のはじまり

大学入試を1つのテストで一斉に行う、という考え方は約60年前、1960年代にさかのぼります。

1960年代といえば、日本は学歴社会まっただ中

当時は大学ごとに問題を作っており、難問・奇問が山のように出る「受験地獄」でした

難問奇問に対応するために、授業は超スピード、知識はとにかく詰め込み。
得た知識は応用が利かず、受験が終わったら忘れてしまう。

 

この受験地獄を何とかしようと、国公立大学が協力して作るテスト「共通一次試験」が始まりました。

しかし、共通一次試験でも難問・奇問は無くならず。
逆に大学のランクがはっきり分かれ、受験地獄が一層進む羽目に

ゆとり教育とセンター試験

時代は1979年。受験地獄の時代から20年近くが経過し、時代はすっかり変わっていました。

長らく続いた受験地獄のせいで、学校についていけない子が多発。
校内暴力・非行が相次ぎ、不登校になった子は職業校に送り込まれるという異常事態。

そこで、勉強する内容と時間を減らして「ゆとりある教育」を目指すことに

 

その一端として、1979年に「共通一次試験」を「大学入試センター試験」としてリニューアル
大学入試の受験地獄の解消に動き始めました。

 

センター試験がある程度詰込み型で、しかし難問・奇問が少ないのはこうした歴史に由来しています

1960年代は大量の知識をひたすら詰め込む必要がありましたが、

大学入試センター試験では、教科の大事な部分だけを詰め込めば良いことにしました

これが、センター試験30年時代の始まりです。

 

インターネットの隆盛、センター試験の終わり

しかし、21世紀に入り、センター試験は時代に取り残され始めました

コンピュータの普及などにより、社会が著しいスピードで変化し始めたのです。

 

結果、教育者からは「知識よりも考える力や人間性(生きる力)の方が大事」と叫ばれ、

経済界からは「ゆとりある教育のせいで、子どもの学力が下がった」と批判を受ける始末。

政治家は「教育再生会議」と銘打って、ダメになった(と考えた)教育を作り替えようとしました

 

そこで、文科省などはこう考えました。

「思考力・判断力・表現力、人間性を大学入試で測れるようにしよう!」

 

こうして、重要な知識を出題していたセンター試験の時代は終わりを迎え、

知識・技能・思考力・判断力・表現力の全てを測ろうとする「共通テスト」の時代が始まったのです
(※残る人間性については個別試験で測るものとしています)

 

センター試験時代を振り返る

この記事を執筆している2022年1月現在、時代は「共通テスト」時代です。

 

知識だけでなく、思考力も測ろうとした共通テストでしたが、
2022年度の平均点は、センター試験時代を含めて過去最低点を記録

施行調査・2021年度・2022年度が全て傾向の異なる問題であり、
今後も「思考力を測る」という御旗のもとに、
誰も見たことが無い長文の問題を出題し、アドリブ力もとい思考力を測る動きは当面続くと思われます

 

筆者はセンター試験時代の人間ですが(2011年受験)、
センター試験時代は覚えるべきものがはっきりしており、
覚えれば覚えるほど点数が伸びる良い時代だったと思っています。

 

共通テスト時代は、知識を身につけても思考力がなければ得点できない時代です

知識がない生徒は、そもそも土俵にすら上がれません

 

しかし、思考力を身につける勉強とは、いったい何をすればよいのでしょうか

 

 

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