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2020年最初の時事問題!?新型コロナウイルスとは【基礎編】

こんにちは。武田塾小牧校の講師Sです。

前回から3回に渡って、年明けすぐから世界を騒がせている新型コロナウイルスについて書いていくと宣言しており、今回は第2回目です。このブログが出るころには終息して旬を過ぎた話題になっていればな、と願っております…。

前回の第1回目【入門編】では、ウイルスが生物なのか、どうやって増えるのかという点について、勝手に熱く語りましたね。

入門編はこちら!! 

 

今回は、ウイルスが種類によって少し増殖の仕方が違う、という部分にふれていきたいと思います。ウイルスに対する薬にもつながる考え方なので、この話題も欠かすわけにはいかないのです。

入門からレベルアップした内容なので、今回は【ウイルス基礎編】です。

 

目次

  1. 【ウイルス入門編】のおさらい
  2. ウイルスが持ち込む設計図の違い
  3. ウイルスが使う道具や材料の違い
  4. 今回のまとめ

 

【ウイルス入門編】のおさらい

virus_corona

前回の最後に、ウイルスの分類には工場内での道具と材料の使い方、そしてウイルスが持ち込む設計図の違いが関わるというようなことを書きましたね。

ここで言う工場≒細胞道具と材料≒酵素で、これに加えて設計図≒遺伝子という3つの例えを前回使いました。

この3つの例えを使って、ウイルスの増殖する仕組みをざっくり説明すると…『ウイルスが設計図を持って、こっそり工場に忍び込み、無許可で道具や材料を使い、ウイルスを生産する』イメージになるとお話しました。

まずは、ウイルス自身が持っている設計図の違いについて書いていきたいと思います。

 

ウイルスが持ち込む設計図の違い

ウイルスが持つ遺伝子によって、ウイルスは大きく2種類に分類されています。

その2種類とは、DNAウイルスとRNAウイルスです。その名の通り、設計図≒遺伝子として、それぞれDNAとRNAを持つウイルスのことです。

この2つの大きな違いとしては、細胞≒工場の中心部で増殖するか、工場の周辺部で増殖するかという点です。

ここで新たな例えです。中心部≒核内周辺部≒細胞質として捉えて下さいね。

基本的には、DNAウイルスは工場の中心部で、RNAウイルスは工場の周辺部で合成されるという特徴があります。(例外もありますが、今回は触れません。気になる人は調べてみて下さい!)

では、なぜそれぞれ合成される場所が分かれているのでしょうか。この理由に、道具として使うものの使い方や違いが関わってくるのです。

 

ウイルスが使う道具や材料の違い

前回、『無許可で道具や材料を使う』というお話をしましたが、ウイルス自身が持ち込んだ道具や材料も使って作られます。

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この図はウイルスのタイプとその増殖に用いられる酵素を表した図です。

緑色は細胞の酵素が関与する反応、赤色はウイルスがもともと持っている酵素が関与する反応を示しています。

ぱっと見で、DNAウイルスの反応は緑色=細胞の酵素を使い、RNAウイルスの反応は赤色=ウイルスの酵素を使っている傾向が見えてきますね。(緑と赤が混在しているタイプのウイルスが、先ほど例外と書いたものです。)

DNAウイルスでは、細胞の核に主に存在しているDNA依存性RNAポリメラーゼという酵素を用いた反応が必要になります。この道具が無いと、設計図の読み方が分からず、新しいウイルスの体を作ることはできません。

DNA依存性というのは、DNAという設計図が無いと使えない、くらいの意味で考えてもらえれば結構です。

簡単に言えば設計図は解読してもらわなければ困るし、道具も自分の技術を生かせる設計図が無いと困るということです。

 

一方、RNAウイルスでは、RNA依存性RNAポリメラーゼという酵素を用いることが多いです。

この道具については、上図でも赤色で書いてあるように、自分で持参した道具です。なので、わざわざ中心部まで移動しなくても工場の材料さえ使わせてもらえれば、どこでも増殖できます。

RNAが無いと使えないという性質も、自分の設計図がRNAで作られているので、特に問題はありませんよね。

 

今回のまとめ

今回の内容をまとめると、

  1. ウイルスの設計図には主に2種類ある!→DNAとRNA
  2. ウイルスが使う道具や材料も主に2種類ある!→DNA依存性RNAポリメラーゼとRNA依存性RNAポリメラーゼ
  3. 道具や材料は、工場の中心部にあるものとウイルス自身が持参するものがある!

というような内容になります。種類の分け方についてはイメージがついてきましたか?

設計図の書かれ方や解読の仕方によって、増え方だけで7種類に分けられています。もし興味をもったら、大学に入ってからぜひ勉強してみて下さい。受験には出ないので、あまり深入りはしないでくださいね(笑)

 

次回は、ウイルスに対する薬について書いていけたらな、と思います。また、このブログの本来の目的である『新型コロナウイルスとは何か?』という部分についても、これまで書いた内容と照らし合わせて書いていければ、と思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに!!

 

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