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2020年最初の時事問題!?新型コロナウイルスとは【入門編】

こんにちは。武田塾小牧校の講師Sです。

今回から3回に渡って、年明けすぐから世界を騒がせている新型コロナウイルスについて書いていきたいと思います。

ただ、書きたいんですが、いろいろと生物用語がたくさん出てくるので、今回は入門編としてウイルスについて理解を深めていきたいと思います。

 

目次

  1. 初耳なんですけど…
  2. 生物とは…?
  3. ウイルスとは…?
  4. ウイルスはどうやって増殖する?
  5. 最後に

 

初耳なんですけど…

virus_corona

コロナウイルスと聴いて、「あー、知ってる知ってる」となる人は、かなり少ないのではないでしょうか。私も大学で生物系のことを学んでいるので、辛うじて名前は知っていましたが、数あるウイルスの一つという感じで捉えていました。

そもそもウイルスってなんだよ!というところから、話を進めていきましょう。

 

生物とは…?

いきなり質問です。ウイルスは生物ですか?

こう聞かれると、察して「じゃあ、生物じゃないんですね!」っていう反応をする生徒がいますが、この質問については、「なんとも言えない…しいて言うなら生物ではないのかも…。」という非常にモヤモヤする答えになります。

まず生物の定義とは何でしょうか。

Wikipediaがソースですが、そのおおもとのソースはちゃんとしてそうなので、お許しください。底なし沼にハマりそうなので…。以下引用になります。

現在のところ自然科学では生物・生命の定義を行うことができていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、代謝・増殖できるものを生物と呼んでいる

 

つまり、定義できていないんです…。ただ、それじゃ困るので一応『①細胞で構成されている』そして、『②代謝・増殖できるもの』を生物と呼ぶようにしているんですね。

 

ウイルスとは…?

では、その便宜上の定義にウイルスを当てはめるとどうなるのでしょうか。

ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖はできないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。

 

つまり、①は満たしてないけど②っぽいことはできてるから、生物じゃないとも言えるし生物とも言えるね。ということです。

最初の質問があんな答えになるのは、こういった事情からなのです。

「生物っぽいけど生物の定義は満たしてない、でも生物みたいに動いたり生きているように見えるよな…」という非常にグレーゾーンの極みな状態なのですね。

 

ウイルスはどうやって増殖する?

遺伝子というのは、自分自身の情報が詰まった設計図のようなものです。ウイルスは、この遺伝子ごと細胞の中に入ってしまうのです。(侵入された細胞を宿主細胞と言います。)

そして、宿主細胞の中で細胞自身が増殖や修復のために使う酵素(=道具や材料)を使ってウイルス自身も増殖するのです。

細胞=工場、遺伝子=設計図、酵素=道具・材料とすれば、ウイルスが設計図を持って、こっそり工場に忍び込み、無許可で道具や材料を使い、ウイルスを生産する。というイメージです。

めちゃずる賢いですよね(笑)子孫を作るのも道具や材料を集めるのも細胞任せにして、いいとこ取りをするわけですから。

ちなみに、ウイルスによって『工場への忍び込みやすさ』には相性があって、ウイルスによって侵入先の細胞は異なるのです。

例えば、冬によく話題になるノロウイルスは、ヒトの細胞にしか感染しません。
さらに言えば、ヒトの中でも腸管上皮細胞という工場に忍び込みやすいので、下痢や嘔吐といったお腹の症状が出てくるのです。

 

最後に

今回はここまでにします。自分なりにわかりやすく解説したつもりですが、限界がありますね…。

生物という学問にはまだ不確定なことがあって、生物がまだまだ未完成な学問である、ということが伝わっていれば十分です(笑)

大学受験で勉強する科目としては、理解するのが難しく敬遠されがちですが、大学で勉強する学問としては、非常に面白いなと個人的には思っています。

次回は、ウイルスの分類について説明したいと思います。分類のヒントは、工場内での道具と材料の使い方、そしてウイルスが持ち込む設計図の違いです。気になる人は調べてみて下さいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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