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本稿のテーマは「大学入学時に薦めたい小説三選」とし、おすすめの小説を三つ紹介します！
みなさん、読書はしますか？
文系学生ならまだしも、理系の方はあまり縁がないかもしれません。
しかし、大学に入れば問いの連続です。
自ら考え、それを問いとして打ち立て仮説を導くには事実の列挙だけでは済まない「問い」をたてる力が必要でしょう。
それだけでなく、大学になればこれまでできなかったいろいろな事に挑戦できます。しかし、それと同時に子どものころに持っていた大切な「問い」も失ってしまうこともあるでしょう。
そんな生活に寄り添ってくれる小説をいくつかご紹介いたします。
星の王子さま
フランス人の飛行士・小説家であるアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリの小説です。彼の代表作であり、1943年にアメリカで出版されたました。
紹介
『星の王子さま』も主人公である操縦士の「ぼく」はサハラ砂漠に不時着してしまいます。そこは1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう場所です。孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、1人の少年と出会います。その少年はとある惑星の王子でした。「ぼく」は王子との会話を通じて「目には見えない大切なこと」を知ります。
とうとう「ぼく」は不時着に壊れたしまった飛行機を治すことができたそんなある日、王子はヘビと話をしていました。それは王子が自分の惑星に帰ってしまうからでした。悲しむ「ぼく」に王子は「自分は自分の星に帰るのだから、きみは夜空を見上げて、その星のどれかの上で、自分が笑っていると想像すれば良い。そうすれば、君は星全部が笑っているように見えるはずだから」と話してくれます。王子が帰ったあと、「ぼく」は星を見上げて王子のことを考えますが、もし王子が泣いていたらこの星がみな泣いているように思われました。
「ぼく」は王子との出会いの中でいろいろなことを経験します。その経験には現代のわれわれが追われるような日々の中で忘れてしまったような純真な思いでもあります。受験を終え大学に入学した人は色々な出来事に出会う中で新しい知見を得ることでしょう。しかし、その中で忘れてはいけないなにかがぽっかり抜けて落ちてしまっているかもしれません。「大切なことは、目に見えない」ところにありますから。
アルジャーノンに花束を
アメリカ合衆国の作家ダニエル・キイスによるSF小説です。1959年に中編小説として発表され、翌年ヒューゴー賞短編小説部門を受賞。1966年に長編小説として改作され、ネビュラ賞を受賞しました。
紹介
かしこくなって周りの友達と同じになりたいと願っていた知的障碍を持つ青年チャーリイは、ある日大学教授・アリスから、開発されたばかりの脳手術を受けるようにすすめられました。
その結果、チャーリィのIQは68から185の天才となりました。チャーリィは勉強の喜びを知り、知的好奇心を満たすことの幸せに満たされて行きます。しかし、頭が良くなったことでチャーリィは友達だと思っていた人に騙されていたこと、自分がかつて母親にすてられてしまっていたことなど、今までは気付かなかったことに気付き苦悩します。チャーリィは頭が良くなったことで今までにない苦労をすることになりました。
さらにチャーリィが受けた手術は一時的なもので、次第に知能は低下していき最終的には当初よりも知能が劣ってしまうことを知りました。知能の低下を防ぐべく試行錯誤をするチャーリィですが、その甲斐むなしくチャーリィは元の知的障碍者に戻ってしまいます。
知ることは一般に幸せとされています。「肥えた豚よりも痩せたソクラテス」なんて言いますね。賢くあることが良いとされているわけです。
大学が学問の場ですから新たな知見を次々に与えてくれます。それだけではありません。大学生という立場はこれまでにない自由を与えてくれることでしょう。けれどその幸せは本当に幸せでしょうか。われわれの影にはチャーリィの足元と同じ影が落ちているかもしれませんね。
銀河鉄道の夜
宮沢賢治の童話作品です。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語で、宮沢賢治童話の代表作のひとつとされています。
紹介
孤独で空想好きな少年ジョバンニは、周りと馴染めずに幽霊のような扱いを受けていました。ジョバンニは星祭りの夜、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗り込み銀河めぐりの旅に出ます。二人は大学士や鳥を捕る人などと出会い、生きる意味について理解を悟っていきます。旅の中でカンパネルラと逸れてしまったジョバンニは現実に戻り、カンパネルラの行く末を知ります。銀河鉄道の旅の意味やカンパネルラの行動を知ったジョバンニは幽霊のような自分と決別することを誓います。
ジョバンニは出会いと別れの中でいろいろな事を経験し、生きる意味を悟っていきます。我々は生活の中で大学生になり社会に出て機械的な生活に組み込まれむしろ生きる意味を見失ってしまってはいないでしょうか。これから大学に入れば次第に社会へと組み込まれて行きます。その中で忘れてはならない生きる意味を『銀河鉄道の夜』が教えてくれるかもしれません。
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