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2021年のノーベル物理学賞をできるだけ分かりやすく解説します!

みなさん、こんにちは♪
勉強のやり方から指導し、逆転合格へ導く武田塾三田校です!
武田塾三田校は2020年2月に開校してから沢山の生徒が通って勉強をしています。

今回は「2021年のノーベル物理学賞」というテーマでお話したいと思います。

2021年10月5日、ノーベル物理学賞の受賞者の発表がありました。
3名の受賞者の中には日本人の方もおられ、少し賑わったのではないのかなと思います。

しかし、高校レベルの物理しか学んでいないから分からなさそう、または数学や物理などを全く勉強してこなかったからそもそも何がすごいのか分からないという理由であまり深く調べていない方も多いと思います。

今回は、そんな皆様に向けてできるだけ簡単に2021年ノーベル物理学賞について解説したいと思います。

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そもそもノーベル物理学賞とは?

ノーベル物理学賞とは年に一回物理学に貢献した人に贈られる特別な賞です。
物理学賞に限らず、ノーベル賞を受賞した方は日本ではかなり重要視されている雰囲気ですが、
外国ではそこまで、重要視されてはおらず他のすごい賞をとった方が名誉なことだと考えているひとは少なくありません。(もちろん、どんな賞でも受賞される方、その研究内容はとても凄いです)

基本的には理学分野(簡単にいうと、中学や高校の数学、物理の延長線上)での受賞が多いですが、近年では青色発光ダイオードなどの工学分野(理学を日常や測定器などに応用できるようにしたもの)も多いです。
また、毎年基本的なテーマがあり、それに沿うようなものが選ばれています。(ブラックホールについての研究など)

気になる賞金ですが、まちまちなようですね。基本的には日本円で5000万円前後くらいでしょうか。かなり夢がありますね。

しかし、残念ながら、研究を論文にまとめ発表し、すぐにノーベル物理学賞に受賞できることはありません
論文を発表し、それを科学誌などで掲載しようとする時には、他の研究者によってそれが正しいのかどうかという調査が行われます。厳正な審査が通ってようやく認められるのです。どこかで間違いがあって、審査が通らないということもありますが、他の研究者が間違いだと誤解してしまうこともあるのでかなりの時間がかかります。(先日、上皇様が新種の発見で論文を発表しましたが、査読に選ばれたひとはかなり怖いでしょうね...)

ノーベル物理学賞には過去にも多くの日本人の方々が選ばれており、内容も現在の物理学の根幹となるようなすばらしいものです。

 

2021年 ノーベル物理学賞受賞者とその研究

眞鍋 叔郎

日本の方です。私たちが受賞したわけではないのに、なぜだか嬉しくなりますね。

研究分野は地球科学です。要するに、天気や地震、火山、海洋などに焦点をあてて詳しく研究する分野ですね。

眞鍋さんがノーベル賞を受賞した研究は気候に関することで簡単にいうと「空気中の二酸化炭素が増えたら地球の気温が上がると、コンピュータのシミュレーション結果で出た。」、もっと簡単にいうと「地球温暖化は二酸化炭素によって起こることをコンピュータで演算できたよ」という

ということですね。2021年現在を生きている皆さんは「そんなこと当たり前じゃないの」と感じるかもしれませんが、その当たり前を発見した人です。

この研究は東海道新幹線が初めて開通したとき辺りに眞鍋さんが発表しました。当時の人にとって新幹線はとても素晴らしいものであったでしょうが今では普通になっています。眞鍋さんの理論も当時ではものすごい発見でしたが、現在では常識になるほどに定着しています。(現在の私たちの感覚でいうと、リニアモーターカーや宇宙旅行の実現くらい最先端ですごいものでしょうね。)

また、今ではコンピューターによるシミュレーションは当たり前のように行われていますが、当時の研究者にとってはかなり革新的なものであったでしょう。

もう少し、研究について触れておくと、「気候モデルをコンピュータでシミュレーションするための数学の公式みたいなもの」を作ったことが主に評価されています。
気候モデルとは「気温や天気などの気候がどのような状態なのかを表す数字」というものです。気候は、さまざまな要因(空気を構成する気体の割合など)で変化するため、手計算だと時間がかかったり、できなかったりするものです。

それをコンピュータでシミュレーションできるような数学の公式(みたいなもの)を編み出したということです。

クラウス・ハッセルマン(Klaus Hasselmann)

ドイツの方です。この方も眞鍋さん同様、気候モデルについての研究で賞を受賞しました。

この方も同様に「二酸化炭素の増加で気温が上昇する」ということを研究した方です。眞鍋さんの発明した気候モデルなどを多く活用し、それらを発展させています。

この方が見つけたのは確率的気候モデルです。気候モデルに、ある確率で起こる現象の数々を組み込んだのです。

科学の分野には、「かならず起こる」ことだけではなく、「ある確率でこの現象が起こる」という確率性を含んでいるものも多いのです。

そもそも、お二方の研究されている気候とはとても複雑なものなのです。少し専門用語を使うと、気候は「カオス理論」という理論が適用できるものなのです。

名前だけ見るとかっこいいカオス理論、中身はとてつもなく難しいものなのです。
みなさんはバタフライ効果という言葉を知っていますか?バタフライ効果の説明としてよく用いられるのが「蝶が羽を羽ばたかせただけで、どこか遠い地域で突風が吹く」という解釈です。
ここまで極端なものではありませんが、何か現象を起こす要因(蝶が羽を羽ばたかせる)が少しでも異なっていると(風速1m/sと0.1m/s)その後起こることが全く異なってしまうということ(誰も感じないような風が吹くのと、突風が吹き荒れる)を数学的にはカオス理論と言います。

これはとてつもなく難しい理論のため、気候はそのような理論にしたがっています。これを起こる確率として取り入れた気候モデルをつくったのがハッセルマンさんなのです。
とても難しいですね...

ジョルジョ・パリ―ジ(Giorgio Parisi)

イタリアの方です。物理学の中ではかなり有名な方で、名前をとった有名な方程式が多くあります。カーダー・パリ―ジ・ジャン方程式(通称:KPZ方程式)などです。

分野は他のお二方とは違い、統計物理学です。統計物理学とは、沢山の数の物質がどのようにふるまうのか(例えば、右と左の分かれ道があると、どっちを選ぶ人が多いのかというようなこと)を研究する学問です。

この方の受賞の対象は「スピングラスのレプリカ対称性の破れ」です。
もう何を言っているのか全く分かりませんね...

これを難しい言葉抜きで解説しようとするのはかなり難しいですが、要はこの方も眞鍋さん同様、数学の公式やこうやって解くんだよという解法を発見したということです。
ただ、受賞名にもある通り、レプリカ対称性の"破れ"なので、レプリカ対称が、ある状況の時(温度が高い所や低い所でなど乱れた環境があるとき)、従来の数学的な方法では表せなくなることを示したということなんですね。
また、「表せないよ」と主張するだけではなく、レプリカ対称が破れた時も含めて「この式で表せるよ」という厳密な式を提示しました。この式が「スピングラス」という物の"状態"を考えるときにはとても有用なんですね。

また、素晴らしいのが、このスピングラスのレプリカ対称性の破れが情報工学や話題の機械学習に使われていることですね。分野を超えて有用な理論です。

このParisiさんの理論についてはもっと話したいのですが、「統計物理学とは?」からを長々と書かなくてはいけないのでこの辺でやめておきましょう。

 

まとめ

今回は2021年のノーベル物理学賞の受賞者と研究対象についてなるべく簡単に解説しました。
難しい概念も多くありましたが、私の力でできるだけ簡単に説明させていただきました。

みなさんも、もし興味が湧いて来たらいろいろと調べてみてください。

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