医学部医学科の入試で高1・高2のうちに決まるのは、英語と数学の到達点です。
理科2科目が本格化するのは高2からで、その時点で英数に穴が残っていると、高3の1年間が穴埋めで終わります。
逆に言えば、いま英語と数学を仕上げておくことが、医学部受験でいちばん効く準備です。
「医学部を目指したいけれど、何から手をつければいいのか分からない」。
武田塾大曽根校の受験相談で、高1・高2の生徒と保護者の方からよく受ける相談です。
この記事では、共通テストで課される教科、国公立医学部の配点の実例、そして学年別に何を終えておくべきかを整理します。
数字は大学入試センターと大学の公表資料から引用しています。
大曽根校の校舎長がまとめました。
共通テストで課される教科
令和9年度の大学入学共通テストは、令和9年1月16日(土)・17日(日)に実施されます。
出題教科は次のとおりです(大学入試センター 令和9年度共通テスト実施要項)。
| 試験日 | 出題教科 |
|---|---|
| 第1日 | 地理歴史、公民、国語、外国語 |
| 第2日 | 理科、数学①、数学②、情報 |
高1・高2生がまず知っておくべき点は3つです。
- 情報は『情報Ⅰ』として出題されます。第2日の最後の時間帯に実施されます
- 数学②は『数学Ⅱ,数学B,数学C』です。数学Cが範囲に入ります
- 地理歴史・公民は『歴史総合,日本史探究』『地理総合,地理探究』『公共,倫理』などの組み合わせで出題されます
数年前の情報を載せたサイトでは「5教科7科目」「数学ⅡB」「日本史B」と書かれていることがあります。
現行の制度とは違うので、科目の話は必ず大学入試センターと志望大学の公表資料で確認してください。
国公立医学部の配点の実例
「医学部は共通テストが重い」と言われますが、大学によって配点は大きく違います。
地元の名古屋市立大学を例に見てみます。
令和9年度の医学部医学科(前期日程)の配点です(名古屋市立大学 入学者選抜に関する要項)。
| 区分 | 内訳 | 配点 |
|---|---|---|
| 共通テスト | 国語125/地歴公民75/数学125/理科100/外国語125/情報50 | 600 |
| 個別試験 | 数学300/理科400/外国語300/面接200 | 1,200 |
| 合計 | ― | 1,800 |
この大学では共通テスト600点に対して個別試験が1,200点で、個別試験のほうが重い配点です。
共通テストの比重が大きい医学部もあるため、志望校の要項を見ずに勉強の配分を決めるのは危険です。
なお、共通テストの利用教科・科目は6教科8科目が指定されています。
理科は物理と化学、数学は『数学Ⅰ,数学A』と『数学Ⅱ,数学B,数学C』、そこに『情報Ⅰ』が加わります。
2段階選抜と面接がある
同じ要項に、名古屋市立大学医学部医学科では2段階選抜を行うことが示されています。
第1段階は共通テストの成績で判定し、総配点600点中の概ね73%以上の者を対象に、募集人員の約3倍の合格者を決めます。
ここで注意したいのは、この73%は「合格ライン」ではなく「第2段階に進める人を絞る基準」だという点です。
合格するには、そこからさらに個別試験で得点する必要があります。
第2段階では個別試験と面接が課され、面接では医師・医学研究者としての適性が問われます。
面接の配点は200点で、個別試験1,200点の6分の1にあたります。
学力試験の点だけで決まる入試ではありません。
面接対策は直前に始めても間に合いません。
高2のうちから、医療に関するニュースを読んで自分の意見を1行でも書き残しておくと、高3の秋に慌てずに済みます。
高1のうちに終えること
高1でやることは2つだけです。
基礎を固めることと、苦手科目を作らないことです。
- 英語:英単語帳を1冊、見た瞬間に意味が出る状態にする。英文法を1冊終える
- 数学:数学ⅠAの基礎問題集を1冊、解法を自分の言葉で説明できる状態まで仕上げる
医学部志望というと難問を解きたくなりますが、この段階では逆効果です。
基礎の抜けは高3で必ず表に出ます。
難問より、基礎問題集の2周目のほうが合格に近づきます。
高2でやること
高2から理科が加わります。
ここからは、高1までの内容に抜けがあるかどうかで進め方が変わります。
| 状況 | 優先順位 |
|---|---|
| 高1までの内容に抜けがある | 英語と数学の埋め直しが最優先。理科は学校の授業に遅れない範囲で |
| 抜けがない | 数学ⅡBCへ進み、理科の基礎を並行。英語は英文解釈へ |
どちらの場合も、英語と数学を先に置くのは共通です。
この2科目は力がつくまでに時間がかかり、医学部では配点も重いためです。
理科の選択科目は多くの高校で高2のうちに決めます。
志望校によっては指定がある場合もあるので、決める前に候補校の要項を確認してください。
高2の冬には、志望校の過去問を1年分だけ解いてみてください。
正答率を気にする必要はありません。
目的は、いまの実力と入試問題の距離を測ることです。
この距離が分かると、高3の計画が具体的になります。
高3で問われること
高3の受験勉強は、次の3点が揃っているかで進み方が変わります。
- 基礎の抜けが残っていないか
- 苦手科目・苦手単元を作っていないか
- 英語と数学で得点できる状態になっているか
医学部入試で競う相手には、1年以上多く勉強してきた既卒生も含まれます。
高3から始める受験生との差ではなく、既卒生を含めた集団の中での位置で合否が決まります。
難問より「解答の根拠」
医学部を目指すと、難しい問題ばかり解きたくなります。
ただ、解法を暗記するだけでは応用問題に対応できません。
大曽根校で伝えているのは、1問ごとに次の3つを言葉にすることです。
- なぜその答えになるのか
- どうしてその式・その公式を使うのか
- どの手順でその答えにたどり着いたのか
これを自分の言葉で説明できる状態を積み上げると、初見の問題でも手が動くようになります。
英語なら単語と文法、数学なら基本の解法が、その土台にあたります。
国公立大学の個別試験では、医学科の受験生も他学部と同じ問題を解きます。
各大問の前半は取り組みやすい問題が多く、医学科の合格を狙うなら後半でも得点する必要があります。
そのためには、基礎を早く終えて応用演習に使える時間を増やすことです。
よくある質問
医学部の共通テストで情報Ⅰは必要ですか
大学によります。
名古屋市立大学の医学部医学科では、令和9年度の共通テスト利用科目に『情報Ⅰ』が50点の配点で含まれています。
志望校の要項で指定科目を確認してください。
高1・高2のうちに理科はどこまで進めるべきですか
高1は英語と数学を優先し、理科は学校の授業に遅れない範囲で十分です。
高2で選択科目が決まったあと、基礎を1冊終えるところまで進められると、高3の演習に時間を回せます。
医学部の面接はいつから対策すればよいですか
高3の秋からでは間に合わないことがあります。
名古屋市立大学の医学部医学科では面接に200点の配点があり、適性を満たすことが求められます。
高2のうちから医療のニュースに触れ、自分の考えを書き留めておくのが最も負担の少ない準備です。
まとめ
- 共通テストは情報を含む構成に変わりました。『情報Ⅰ』は第2日の最後に実施されます
- 医学部の配点は大学ごとに違います。名古屋市立大学の医学科は共通テスト600点・個別試験1,200点で、個別試験のほうが重い配点です
- 第1段階選抜の基準(共通テスト600点中概ね73%)は合格ラインではなく、第2段階に進む人を絞る基準です
- 高1・高2で決まるのは英語と数学の到達点です。難問より基礎の完成を優先してください
武田塾大曽根校の無料受験相談では、志望する医学部の入試科目と配点を要項で一緒に確認し、高1・高2のいまから入試までに何を何冊終えるかの計画をその場で作ります。
医学部を目指すか迷っている段階でも、必要な準備量を知るところからご相談ください。
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入塾を決めていなくても受けられます。
志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
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