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2020年コロナ禍での対応は?~横浜国立大学編~

皆様こんにちは、武田塾中山校の朝重です。

2020年度、新型コロナウイルスの影響を受け、多くの大学でリモートによる授業が実施されていました。

でも、大学に通えなくなったらどうやって授業をするの?という疑問や不安をお持ちの方もきっといらっしゃるのではないかと思います。

そこで今回は、僕の在籍する横浜国立大学の数物・電子情報系学科(電子情報システムEP)の今年度の授業がどのような形で実施されていたのかをご紹介したいと思います。

以前、同学科の紹介記事を書いたことがありましたが(記事はこちら)、それよりさらに踏み入った授業内容に関するお話になりますね。

大学がリモート授業でどんなことをしているのか知りたい、横国がどんな形式にしていたのかを知りたい、という方は、ぜひ参考にしてみてほしいと思います!

 

横浜国立大学ロゴマーク

画像引用:横浜国立大学ホームページ>大学案内>YNUユニバーシティ・アイデンティティ(https://www.ynu.ac.jp/about/ynu/symbol/index.html)

 

横浜国立大学の2020年度の振り返りは?

今年度、横浜国立大学では、通年で全授業がリモートで行われました。

学部・学科によって、実験などの技能科目では対面での実施も行われましたが、そういった例外を除けば完全にリモートです。

ただ、僕の所属する数物・電子情報系学科に関しては、実験も含めすべての科目がリモートでの実施となりました。

他大学では、秋学期からは対面授業へと戻していくというケースも増えてきた中で、ずっとリモートでの授業が続いていたため、多くの生徒にとってストレスフルな一年間だったと思います。

特に、まだ同級生と交流がほぼできていない新入生たちには苦しかったと思います。

しかし、一度目の緊急事態宣言後、一度は規模が縮小したかに見えたコロナウイルスが、2020年末あたりからまた規模を拡大していたことを鑑みると、感染拡大に対して横国がどれだけ慎重であったかがうかがえますね。

少なくとも、こういった未曽有の事態に対して、最悪の事態を避けるための策はしっかり練られているということが実感できた出来事ではありました。

 

横浜国立大学の遠隔授業のやり方は?

では、今年度横浜国立大学で行われたリモート授業がどういったものだったかをお伝えします。

それに際し、授業の内容そのものに加え、LMSという重要なシステムに関してもご紹介しておこうと思います。

 

受講に際して欠かせないシステム・LMSについて

横国の場合、リモート授業でとても重要な役割を担うのがLMS(=Learning Management System,授業支援システム)というWeb上のシステムになります。

これは、学籍番号を所持する人のみが閲覧可能な、受講中の授業に関する情報・お知らせを受け取ったり、掲示板でのやり取りなどを行うことができるシステムです。

横浜国立大学では、コロナウイルスの流行前は主に備忘録目的の掲示板的な役割としてLMSが用いられていました。

しかし、リモートでの授業になったことで、本来であれば対面が前提で扱っていた情報はすべてLMS上で扱うこととなったのです。

基本的にリモート授業の際には、LMS上ですべての授業のシラバス(授業計画)や講義資料などをダウンロードします。

授業の配信などを見る際に配信先のWeb上のリンクなどもLMS経由で取得します。

出欠を取る授業では、LMS上で出欠確認ボタンなどがあるので、それを使って出席を取ります。

また、ファイル提出機能もあるので、授業のレポートなどもLMS経由で写真・データを提出するといった形式をとっていました。

あらゆる資料や情報をすべてデータとしてダウンロードでき、紛失の可能性を減らせるので、こういった形で資料が扱えるのは非常に便利だったと思います。

メリットも多く、特に不自由なく一年間使ってこれていたので、個人的には授業資料はデータとして残してほしいですね!

また、さらに便利な点として、ファイルの提出期限や資料の公開期間、出席ボタンの表示期間などはすべて分単位での設定が可能になっています。

そのため、例えば「授業開始から20分間のみ試験問題のデータを公開し、答案データの提出期限を授業終了時刻までにする」という方法を取れば、従来のような時間制限付きの試験をリモートでも行うことができるわけです。

この形式により、これまで対面授業でしか行えなかった定期試験なども行えました。

こういったLMSの各機能の存在により、大半の授業はリモートでも成立するようになったのです。

 

授業内容について

では、そういったシステムを利用したうえで、どのような授業が行われていたのかをお伝えします。

参考までに、筆者が2020年度に受講した講義の授業形式の内訳をまとめてみました。

 

2020年度 全受講コマ数:23

双方向ライブ型授業:1

一方向ライブ型授業:8

動画録画配信型授業:10

音声付資料配布型授業:3

音声無資料配布型授業:1

 

このような内訳になりました。

横浜国立大学で行われた授業は、その性質に応じ、上記5つの授業形式に分類されます。

 

video_kaigi

 

双方向ライブ型というのは、グループディスカッションなどの授業にあたります。

生徒と教授、あるいは生徒同士でリアルタイムでコミュニケーションを取りながら行う授業ですね。

コミュニケーションとしては、ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ通話用アプリを用いたリアルタイムでのやり取りがメインになります。

ちなみに、筆者は英語の授業でこの形式を体験しました。

また、筆者には教育学部の友人がいるのですが、その人曰く、グループディスカッションを通じて授業計画を立てるなどの講義もあったようです。

大学で人とコミュニケーションを取ることができる場面が減っている今、このような授業は友好関係を広げていくうえで数少ない場面と言っていいでしょう。

ただし、初対面の人と話す際に、通信環境によってラグやノイズなどのコミュニケーションを遮る要素が多くなってしまうこの形式は、ややプレッシャーがかかるというのも感覚としては大きかったです。

 

一方向ライブ型というのは、生徒のコミュニケーション性というのがメインとなる授業ではなく、リアルタイムで教授が講義を行い、質疑応答の時間を取る形式です。

一般的な「大学で行われる講義」をそのままリモート化したような内容になります。

通信に問題さえなければこの形式でも基本的に問題はないと思います。

授業後も質問を受け付けてくれる教授もいるので、個別に直接聞きたいことが授業後にあった場合も対応可能でした。

ただ、やはり一部の教授は形式に不慣れであったということもあり、板書の画質等に問題があるケースも見受けられました。

 

動画録画配信型授業は、配布された資料をもとに、講義内容の映像を閲覧するタイプの授業になります。

イメージとしては、映像塾の授業が一番近いですね。

テキスト・資料を読みつつ、分からないところは止めたり巻き戻したりしながらじっくり見れるので、自分のペースで理解できるというところが利点です。

今年は、実験がこの形式で行われていました。

教授が実際に実験を行った動画を閲覧し、その内容を基に課題を解くような形式ですね。

この形式も、授業によっては個別に質問したい人のためにZoomなどでミーティングルームが解放されていたりするので、そのあたりの対応もされています。

メールやLMSの掲示板機能などで質問ができるものも多く、この形式でも特に不自由することはなかったです。

また、ライブ型と異なり、この形式は動画を何度でも見返せるという特性上、動画は一定期間常に公開され続けるので、出欠点という概念がほとんどなかったのも面白いところでした。

筆者個人としては、朝が弱いタイプなので、出席点の入らないこの形式は結構ありがたかったですね笑。

 

音声付資料配布型授業は、動画などが公開されるのではなく、配布される資料の中に解説音声が入っている形式です。

資料をダウンロードさえしてしまえば、無期限に自分のPCから講義が見られます。

そうすればオフラインでも見ることができるので、他のタイプの授業よりも参加に対する自由度がはるかに高いです。

なにかと忙しい知人も、外出先で授業を追えるのが便利で、この形式を重宝していました。

やはり他と同じく、メール・掲示板・通話用アプリなどの質問対応も行われていたので、ちゃんと知識を得ようとする分には特に問題はありません。

 

音声無資料配布型授業は、音声付のものと異なり、音声無しで資料のみが与えられ、それを基に課題を解いていくような授業でした。

筆者の学部では、プログラミングの演習系の講義でこの形式が使われていました。

もともと、演習系の講義では、さほど授業として知識を与えられることは多くなく、演習課題を解く際に使う知識はすでに既知であるという前提で話が進みます。

そういう意味では、対面授業である必要性が最も低かった授業が、必然的に対面でなくなったとみることもできるかもしれません。

 

以上のように、教授の考え方やスタンスに応じて、さまざまな授業形式がとられていました。

どの形式においても、生徒の疑問に答えられるようなシステム自体は備わっているので、特に授業形式として困るところはなかったと思います。

ただ、やはり通信環境や、教授たちがまだ授業に不慣れということもあり、困惑する場面はかなり多かったです。

これに関しては、今後遠隔授業が続いていくうちにだんだんと解決していくことに期待するしかありませんね。

 

遠隔授業を受けてみての所感

さて、ここでは、遠隔授業を1年間受講し、筆者本人が感じたことを述べておこうと思います。

武田塾で教えている人間ということもあり、改めて感じたことなのですが、ライブ授業に対する価値はやはり下がってきています。

ライブ型の授業も、授業としての緊張感を保つためにはいいものですが、正直内容は動画録画型の授業に替わる程の利点があるわけでもなかったと思います。

また、資料とテキストと質問できる環境があれば理解できるような内容しか扱わないので、なんなら動画配信授業にもあまり意味はありません。

実際、筆者は大半の内容は資料とテキストとネット検索のみで調べて理解していました。

そうなると、この遠隔授業という形式によって、大学に対する価値観というのが各個人でどんどんと変化していくんだろうな、という風に筆者は予想しています。

サークルや部活動も制限されるようになり、大学の学問的な価値はさらに浮き彫りになりました。

大学に「なんとなく」で入り、何をするという明確なビジョンも持たず漠然と日々を過ごすことにならないために、こういった考えを持つ場面は絶対に必要だと思うので、その意味ではいい機会かもしれません。

不自由なことが多い現在ですが、だからこそ筆者個人としても自分を見つめ直すタイミングが生まれ、本当にやりたいことをやるために時間を使えたように感じています。

 

最後に

いかがだったでしょうか?

遠隔授業となった横浜国立大学の実情を、できるだけ細かくお伝えしてきました。

あくまで個人的には、実験までリモートで行われるようになったことで、理系学生にとっては大学としての価値があまり感じられない一年間になったなと思っています。

先ほども述べた通り、授業に対する価値が下がり、ライブ型でなくても十分成立することが分かってしまった中で、唯一実験のみが自宅では習得不能な技能を体験できる場であったため、それが失われるのはかなり大きな出来事でした。

研究などを行うことを目的に大学に入った人ならなおさら、実技を自分で行えない環境というのは無意味に感じたでしょう。

今、コロナウイルスの影響をどう読み、将来をどう見据え、自分の道をどう考えるかが、将来どう生きるかを大きく左右してくるのではないでしょうか。

 

これを読み、大学を決める、ひいては将来を決める決断の一助としてくれれば幸いです。

以上です。

 


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