皆さんこんにちは!大久保駅から徒歩1分の武田塾大久保校の講師Fです!
↑臨済宗開祖の栄西です。臨済宗が鎌倉・室町幕府に保護された理由は何でしょうか?
ついに8月に入りました!
日本史の勉強に力を入れ始めた受験生も多いのではないでしょうか?
今回は苦手にしている人が多く、学習が後回しになりがちな文化史の勉強のコツをお伝えします!
文化史を苦手にする人が多いのはなぜか?
やってしまいがちな文化史の勉強法
あなたはどのような方法で文化史を勉強していますか?
おそらく・・・
↑法然です。鎌倉新仏教とそれ以前の旧仏教との違いは何でしょうか?
➀作品名と作者名を紐づけてひたすら暗記する。
②作品名と文化区分を紐づけてひたすら暗記する。 (例えば、『梁塵秘抄』は院政期の文化だ!といった感じ。)
というように、気合だけで乗り切ろうとしていませんか?
気合だけで乗り切る勉強法はすぐ忘れてしまいますし、何よりもつまらないのでおすすめしません。
ところで、そもそも気合だけで勉強して問題が解けるのでしょうか?実際に見てみましょう!!
気合で丸暗記しても点数は取れない・・・
以下の問題は、2023年度共通テスト日本史B本試験で出題されたものです。
問4 京都で花開いた芸術や文化に関して述べた文として誤っているものを、次の➀~④のうちから一つ選べ。
➀ 擬人化した動物を用いて描いた『鳥獣戯画』が作られた。
② 「道理」の展開から歴史の推移を描いた『愚管抄』が著された。
➂ 床の間を飾る立花様式が池坊専慶らによって大成された。
④ 禅の世界を具現化した大和絵である『瓢鮎図』が描かれた。
〈解説〉
答えは④です。『瓢鮎図』は大和絵ではなく水墨画です。この設問は先ほど述べた気合だけの勉強法が意味を成しません。この設問で問われていることは『瓢鮎図』に用いられている技法、もっと言うと「禅の世界」とは何か、つまり東山文化の特徴を理解しているかということです。ちなみにこの問題の正答率は38.5%でした(大学入試センターが公表したデータより)。
文化史の正しい勉強法と具体例
文化史の正しい勉強法
文化史の問題を解くにあたって、ただの丸暗記が役に立たないことは分かってくれたかと思います。
では、どのように学習を進めていけばよいのでしょうか?
文化史学習の手順は以下の通りです。
➀各文化の特徴を理解する。
文化史は独立しているものではありません。当時の政治・外交・社会経済などの動向が文化に反映されます。具体例は後で示します。
②理解した文化の特徴をもとにして、作品に意味付けをしていく。
意味付けは、文化の特徴と作品の内容説明をリンクさせるようにしましょう。具体例は後で示します。
*言わずもがな、資料集で作品(建造物・絵画・彫刻)のビジュアルは確認しておきましょう。
↑伊能忠敬です。化政文化期に(19世紀前半)彼が日本全図を作成した目的と時代背景は何でしょうか?
具体例~院政期の文化~
院政期(11世紀後半~12世紀ごろ)の文化の特徴は、以下のように表現されます。
貴族文化が武士や庶民の背後にある地方文化を取り入れ、貴族が地方文化に関心を示した時代。また、貴族文化が地方に広まった時代。(貴族文化⇔地方文化)
院政期は武士が台頭し、政治権力が貴族から武士に移行していく時期です。背景には、平忠盛が海賊討伐の功績で殿上人になり貴族の仲間入りを果たしたことや、保元の乱や平治の乱では朝廷内の争いが武士の力によって解決され、武士の地位や権力が急速に高まったことがあります。
では、具体的な作品に意味付けをしていきます。
・『梁塵秘抄』…後白河上皇がみずから民間の流行歌謡である今様を学んで編んだ。
→最高権力者が庶民の地方文化に関心を示している例だ!
・『陸奥話記』…前九年合戦(東北地方)の出来事を記した。
→貴族が地方の武士の動きに関心を示している例だ!
・中尊寺金色堂…阿弥陀堂。浄土教の思想が全国に広まった一例。(以前、浄土教は畿内中心だった)
→貴族文化が地方に広まった例だ!(九州の富貴寺大堂にも同じことが言える。)
・信貴山縁起絵巻…命蓮という僧が鉢を飛ばして地方豪族の倉を信貴山まで運んだ話などを描く。
→絵巻物を見ると、庶民の生活や風俗が描かれているから、貴族が地方文化に関心を示した例だ!
・扇面古写経…扇紙に大和絵で当時の庶民の生活や風俗を描いている。
→貴族が庶民の暮らしに関心を示した例だ!
といった感じです。
文化史学習はただの用語暗記ゲームではありません。文化の特徴を捉え、用語に意味付けをしていくことでより記憶に残りますし、当時の政治・外交・社会経済との繋がりがはっきりと見えてきます。
今回は以上です!
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