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【早稲田】私大一般入試や共テの『得点調整』を解説!!

こんにちは!武田塾新潟校です!

 

 

 

さて、皆さんは「得点調整」「成績標準化」といった言葉を聞いたことはありますか?

 

得点調整が行われた場合、試験結果そのままの点数ではなく、何らかの処理をされた点数で合否判定がされることになります。

 

 

えっ!勝手に点数をいじられちゃうの?」と思った人もいるかもしれませんが、早慶上智やGMARCHといった有名大学が得点調整の実施をアナウンスしている他、共通テストで得点調整が行われる場合もあり、多くの受験生と切っても切れない関係にあるのが「得点調整」というシステムです。

 

というわけで、今回は「得点調整(成績標準化)」について解説していきます!

 

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得点調整(成績標準化)とは

ざっくりいうと、

 

「科目間で生じる試験結果の不公平を無くすために、平均点が低い科目の点数は全体的に上がるよう、逆に高い科目は全体的に下がるように処理を行う」

 

ことです。

 

ざっくりと言っておきながら何が何だか分かりにくいので、ここからは具体例で見ていきましょう!

 

 

私立大学の成績標準化

さて、早稲田大学が公表している2020年度入試結果によると、商学部の各科目受験者平均点は以下のようになっていました。

 

外国語

 

英語:44.227(配点80)

ドイツ語:183.000

フランス語:169.333

中国語:182.821

韓国語:165.818

 

国語:38.011(配点60)

 

地歴・公民または数学

日本史:33.801
世界史:40.227
政治・経済:26.627
数学:9.504
(すべての科目で配点:60)

 

●全教科について成績標準化による得点調整を行っています。

●「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」は大学入試センター試験の配点(200点満点)を商学部
外国語の 配点(80点満点)に調整して利用しています。

(出典:https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2020/07/2020_3.pdf)

 

選択科目の平均点を見てみると、科目によってかなり差があることが分かります。

一番平均点の高い世界史と一番低い数学とでは、約30点もの差がついています。

 

試験結果そのままの点数(素点)を加算して合否を決めたとしたら、合格者は世界史選択者ばかりになり、数学を選んだ人はものすごく不利になってしまいます。

 

こういった不公平をなくすために、問題の難易度を考慮した上で、科目ごとに減点や加点を行うのが「得点調整(成績標準化)」というわけです。

 

 

得点調整(成績標準化)の方法

「得点調整でどんな計算が行われているか知りたい!」と思われる人もいることでしょう。

ですが、各大学によって標準化に用いる計算式は違いますし、計算式そのものを公開する大学は多くありません。

 

ここでは、同志社大学が公開している計算式と、ネット上で有志が予想した早稲田大学の計算式を例として紹介します。

 

◎同志社大学の計算方法

 

調整点=(得点-当該科目の平均点)÷当該科目の標準偏差×15+選択科目全ての平均点

(出典:https://www.doshisha.ac.jp/attach/page/OFFICIAL-PAGE-JA-2340/145832/file/2021nyushi_yoko.pdf

 

◎早稲田大学の計算方法(予想、非公式)

式1 標準化後の点数=(素点-平均点)÷標準偏差×10+満点の半分

式2 標準化後の点数=(素点-平均点)×0.25+(素点-平均点)+満点の半分

 

同志社大学の計算方法と早稲田大学の予想計算式1については、どこかで見覚えがあるような気がしませんか?

そう、上記の計算式は、数学ⅠAで学習する偏差値の計算式がベースになっているんです。

 

ということは、

自分のテストの出来(自分の平均点からの離れ具合)

周りのテストの出来(出来不出来の差=分散が大きいか小さいか)

が調整後の得点に大きく影響するということになります。

 

 

得点調整がされるとどうなるのか

さて、ここでAさんとBさんという合計点の同じ受験生2人が早稲田大学商学部を今年受験したと仮定して合否判定をし、得点調整(成績標準化)がされる時に気をつけたいポイントを考えてみたいと思います。

ややこしい話はいいからまとめて!」という人や、「偏差値ベースの計算式ってことはこんな結果になるよな!大体わかった!」という人はこちらへ飛んでください

 

 

2人の素点

Aさん 英語:38、国語52、日本史50 計140

Bさん 英語:53、国語45、日本史42 計140

 

Aさんは英語が苦手で国語と日本史が得意なタイプ、Bさんは満遍なく平均点以上を取るタイプにしてみました。

 

標準偏差は、英語が6、国語が9、日本史が8だったとします。

受験生で試験の出来不出来に最も差が出たのが国語、それとは反対にどちらかというと同じような点数が多かったのが英語、ということですね。

 

ここで、式1を使用して標準化を行います。

早稲田大学商学部の入試では、『全教科について成績標準化による得点調整を行っています』と公式サイトにありましたので、選択科目以外の英語・国語についても標準化の処理をしていきます。

 

2人の合否はいかに?

 

 

表 標準化後の点数

標準化

 

2人が受験生の中でどのくらいの位置にいたかわかりやすくするために、皆さんおなじみの偏差値も併せて計算してみました。

合格最低点は127.45ですので、Aさんは不合格で、Bさんは合格という結果になりました。

素点の全科目合計点は2人とも同じですが、標準化後は7.22点もの差が出ています。

 

 

ここで注目したいのは、以下の3点です。

 

 

①素点が平均点を下回っていると、自動的に満点の半分以下の点数へ換算される

式の前半部である『(素点-平均点)÷標準偏差×10』が負の数になると、満点の半分を足したとしても足す前より小さい数になります。

Aさんの英語の点数を、素点と標準化後で比べてみるとわかりやすいかと思います。

 

 

②各科目ごとに平均点が違う外国語や選択科目だけではなく、平均点が1つしかない国語についても偏差値に基づいた成績標準化が行われている

国語についても他の科目同様に成績標準化が行われたため、素点とは全く違う点数で合否判定をされていることがわかります。

 

 

③受験生の多くが同じような出来の時にいい点を取れば加点されるが、受験生の中で高い得点と低い得点に差がある時に平均点より高い点を取ったとしても加点はなく、むしろ減点されてしまう

科目ごとの標準偏差と2人の偏差値に着目しつつ、AさんとBさんの結果を見てみましょう。

 

標準偏差が小さかった英語では、Bさんが1.62点加点されています。

この時、Bさんの偏差値は64.42です。受験者の中でもかなりの上位にいたことが分かります。

ところが、標準偏差が最も大きかった国語では、Aさんは素点から6.46点、Bさんは素点から7.23点のマイナスとなっています。

偏差値でいえば、Aさんは65.54ですから、Bさんの国語の偏差値よりも高かったのにも関わらず、大きく減点されてしまいました。

 

 

 

早稲田大学の入試について、

失敗が1教科あると、他の教科が良くてもかなり点が下がるらしい

平均から大きく離れた素点を取った時、更に調整が入るらしい

といったうわさがあるのは、こういった偏差値ベースの成績標準化が行われている特徴が表れているからなのかもしれません。

(大学が計算方法を公開していない以上、推測でしかありませんが……)

 

 

 

これらの点を踏まえると、得点調整において気をつけたいポイントは、

 

◇平均点を割るような苦手科目が1つでもあると、得点調整で不利になる可能性が高い

 

◇素点より調整後の得点の方が高くなる事例はレアケースであり、多くの場合では減点される

 

という2点になります。

 

 

また、得点調整の計算式については、中央値を用いたものを採用する大学もありますが(例:関西大学『中央値方式』、関西学院大学『中央値補正』)、こちらも偏差値を用いる計算式と同様に、調整後の得点は素点より低い点数に調整されがちです。

 

 

合格最低点に注意

赤本やパスナビ、大学の公式サイトで閲覧できる合格最低点ですが、得点調整を行っている大学では大抵調整後の点数が記載されています

 

得点調整のことを考慮せずに、

思っていたより合格最低点が低いな。過去問を解いてみたら最低点より上だったし、これなら受かりそう!

と考えてしまうのは早とちりというわけですね。

 

 

得点調整を行う大学

例として大学名を挙げると、早慶上智GMARCH関関同立の各大学が得点調整の実施をアナウンスしています。

実施する入試方式や科目については学部によって異なりますので、詳しくは各大学の公式サイトをご参照ください。

 

また、得点調整の実施については入試要項や大学公式サイト内のFAQに記載されていることが多いです。

望大学の得点調整実施状況が知りたい場合は、入試要項の「試験教科・科目・配点等」のページや、公式サイトの「よくある質問」といった項目をチェックしてみましょう。

 

 

共通テストの成績標準化

共通テストでも、得点調整が行われる場合があります

「選んだ科目によって有利・不利が生じないようにする」という目的は同じです。

大学入試センターの公式サイトによると、

 

共通テストでは、原則として、20点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められた場合、得点調整を行います。

 

とあります。

これを踏まえ、2021年度の共通テストでは公民と理科②について得点調整が行われました。

(出典:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/tokutencyousei.html

 

 

大事なのは戦略!

「得点調整を実施しますよ!」とアナウンスされている以上、「得点調整はされるだろうし、素点より点が下がる可能性がある」ということは頭に入れておきましょう。

 

得点調整のしくみを考慮に入れた上で、

 

どの科目で何割取るか

何割取るためには何をすべきで、どのくらい時間を割けばいいか

 

を考えて計画を作り、受験勉強をしていきましょう!

 

何をどう勉強すべきか分からない!

そもそもそんなに勉強できる自信がない!

こんな悩みがある人は、お気軽に受験相談へお越しください!

 

 

 

 

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