【学部紹介】文学部とは⁇何を学んでいるのか、少し覗いてみよう‼②

こんにちは。
武田塾上大岡校の学生事務スタッフです！(^^)

文学部では、
文学を通して学ぶ学問『文学科』があります。
前回は日本文学作品を扱ったので、今回は…

文豪『夏目漱石』

国語の教科書でお馴染み‼
文豪「夏目漱石」についてお話します！
そうです。今回は文学者です‼

【代表作】
坊ちゃん、夢十夜、こころ、吾輩は猫である
皆さんが読んだことのある作品はありますか⁇

夏目漱石が、
"I love you."を「月がきれいですね」と訳した
とされる逸話（ロマンチック…！）は有名ですよね‼
皆さんの中でもご存知の方はいると思います。

小説家として有名な夏目漱石ですが、
実は英文学者でもあったのです。

漱石の生い立ち

夏目漱石（以下、「漱石」）は、本名が「夏目金之助」。
漱石は1867年、江戸牛込馬場下横町に夏目家の五男として生まれました。
漱石は幼少時代、養子に出されたり、養子に出された先の夫婦が離婚して正家に戻るも、実父と養父が対立して夏目家への復籍が遅れたりと、安定した幼少時代を過ごすことができなかったようです。

そんな波乱万丈な幼少時代を経た漱石ですが、小学校の転校を繰り返すも学問に励み、17歳のとき大学予備門予科に入学し、21歳で大学予備門本科にて英文学を専攻します。
そして、23歳のとき東京帝国大学（以下、「帝大」）英文科に入学します。

大学入学後の漱石

大学入学後、漱石はアンソロジー（作家の選集、名文集）を読んだり、英訳を自修したり、文中のイディオムを取り出したりなどの学問を学んでいました。
漱石の所属していた科は「英文科」ではありましたが、実態は、英文学を学ぶ・研究する科ではなく、英語学習のために英文学作品を扱っただけの「英語学習メイン」を学ぶ学科だったのです。

しかし、漱石の関心は
「文学」
の方にこそありました。

※ちなみに、「英文学科」が正式に設置されたのは、明治41年。大学部文学科が「哲学科」と「英文科」の二学群に分かれたときのことだそうです。ただし、この「英文学科」は英語を通して学ぶ「外国文学科」の趣きがあり、教授陣の動向も、授業（講義）の内容もたいそう多彩かつ自由で、学問というより「文学批評的」関心が先立っていたとされています。

閑話休題、漱石は大学で文学の研究をしたくても、文学はあくまでも英語を教えるための「材料」として大学で扱われていたため、漱石は自分の思い描いていた文学研究を満足にできなかったようです。

大学卒業後の漱石

そして、漱石は帝大卒業後、中学や高校（旧制高校）で
英語の教師をしたのちに英国に留学‼
英語英文学を研究し、
帰国してから帝大の英文科講師になります。
こうして、
日本の帝国大学で英文学を教えた最初の日本人
が漱石なのでした。

漱石の『文学論』の講義は、
文学の「根本」を科学的に説明しよう
というものです。
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ーー『文学論』冒頭ーーーーーーーーーーーーーー
「凡そ文学的内容の形式は（Ｆ＋ｆ）なることを要す。Ｆは焦点的印象又は観念を意味し、ｆはこれに附着する情緒を意味す」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…みなさんは、この、漱石の『文学論』冒頭の一文を理解することができたでしょうか。

漱石は、文学を「形式」と「内容」とに分けて語ろうとしました。
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作品の材料（認識的要素）⇒　Ｆ

　　　　　　附着する情緒⇒　ｆ
ーーーーーーーーーーーーーーー
漱石は、文学が心理的、また社会にどのように発展したり衰退したりするのかを示そうとしたようです。

史的推移の根底にある文学の営みの根源を問題にしていた
とされます。
漱石の『文学論』は、ひたすら文学の「根本」的な成り立ちとその展開のあり様を考察し、文学を「科学的」な分類・分析からしだいに「営み」へと密着していったようです。

しかし、漱石のこのような「科学的」な『文学論』の講義は、学生からは「理屈っぽい」と評価されることが多々あったそうで、わずか２年間で「英文学概説（『文学論』」の講義を打ち切り、あらたに「十八世紀英文学」という講義を始めたとされています。

※【参考文献】亀井俊介『英文学者　夏目漱石』
　　　　　　　　　　　（2011年6月・松柏社）
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漱石の講義中の話し方や試験がどのようなものだったのか、
文学部に在籍している私はとても気になります！

漱石の学生時代のように現代でも語学を学ぶために文学作品が用いられることはありますが、漱石の関心は「文学」のほうにあったようで、だからこそ漱石は数々の名作を生むことができたのだなと思います。

また、現代では「英文学」そのものを学ぶ・研究することのできる大学が増えていますね。
漱石は現代の「英文学科」をどう見るのでしょうか。
少し気になるところです。

文学研究は大きく分けて2つ‼

それは「作家論」と「作品論」。
研究対象が文学作家か文学作品か、という違いです。
以前の記事（【学部紹介】文学部とは⁇何を学んでいるのか、少し覗いてみよう‼①）であれば「作品論」、今回の記事であれば「作家論」となります。

文学部で扱う学問の1つ「文学」を学びたい人は、ぜひ興味ある対象で思う存分学んでみてはいかがでしょうか。

他にも、歴史学、地理学、哲学など
といった分野を研究し学んでいく文学部。
理系学部でいえば『理学部』に近いですね。
そういう点では、
実は大学院への進学は文系学部の中で最も多いそうです。

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