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やる気とモチベーション
勉強しないといけないのはわかってるけれど、どうしても やる気が出ない
と感じることはありませんか？
やる気、つまりモチベーションを作る器官として、脳の側坐核などが挙げられます。
側坐核は、大脳基底核を構成する直径１センチメートル以下のとても小さな部位で、
脳の中心近くに存在しています。
この側坐核の性質がやっかいなのです。
側坐核を活動させるためには、ある程度の刺激が必要なのです。
刺激が来ないと十分な活動を起こしてくれません。
ですから、何もしないでいて「やる気」が出ないというのは、
もっともなことです。刺激を入れなければ側坐核は活動しないので、
やる気の出ようがないのです。やる気が出ないときは、まずは何より
机に向かって勉強を始めてみましょう。
とにかく、側坐核を刺激するのです。
そうすると、しだいにやる気が生じて勉強に集中できるようになっていきます。
たとえば、みなさんも嫌々ながら掃除を始めたにもかかわらず、そのうちに
気分が乗って、部屋をすっかりきれいに片づけてしまったというような
経験があるでしょう。
こうした現象は心理学者クレペリンによって発見され、作業興奮と名付けられました。
クレペリン・・・ドイツの精神医学者。そううつ病や痴呆の病態を考察し、「現代精神医学の父」と呼ばれる。
何事でも始めてからしばらく経つと少しずつ調子に乗って集中できるようになる。
これが作業興奮です。
側坐核が目を覚ますには時間がかかります。
だから、とにかく勉強を始める。そして、始めたらしばらくは中断しないことが
肝心なのです。
ちなみに、作業をしていたらいつの間にか楽しくなったというのは、主に大脳辺縁系の扁桃体が関わっており、
側坐核や大脳辺縁系の繰り返しの刺激が海馬を繰り返し刺激することで、
記憶として定着していきます。
「Papezの回路」・・・海馬や側坐核とかかわりの深い淡蒼球を含む脳の神経回路で繰り返し刺激することで、記憶の定着に寄与します。この回路が障害されると、「健忘」という記憶障害を引き起こします。
「Yakovlev回路」・・・扁桃体などが構成する神経回路で喜怒哀楽などの情動に関与する回路です。
得意科目を伸ばす
野球がうまい人は、ソフトボールの上達も早く、
英語をマスターした人はフランス語も楽に習得できるようになるという
傾向があります。
ある分野の理解の仕方を覚えると、ほかの分野に対する理解の仕方までが
上達するということです。
数学でも、ある問題の解法を覚えれば、似たようなパターンの問題にも
これを応用することができます。
要するに、ものごとを応用する力が身につくというわけです。
これもまた、脳が消去法を使っているからこそ可能なことです。
要らないものを削っていくという方法は、ものごとの本質、エッセンスを
残すというやり方です。だから、そのエッセンスが共通しているものには
その知識が応用できるのです。こうした高度な能力は
コンピュータにはとても無理でしょう。
こうしたことからも、脳はあるものごとを記憶するときには、
その対象自体を記憶するだけではなく、同時に対象への
理解の仕方もいっしょに記憶していることがわかります。
そして、その理解の仕方を応用して、異なるものごととの間に潜む
法則性や共通点を見つけ出して、ほかの対象でもより速くより深く
理解することができるというわけです。
この点もまた、私たちの学習において重要なポイントになります。
要するに、ひとつのことを習得すると、ほかのことの学習能力も身につく
というわけです。なんと都合のよいことではありませんか！
この現象は、心理学用語で学習の転移と呼ばれています。
しかも重要なことは、転移の効果は学習のレベルが高くなればなるほど
大きくなるということです。つまり、多くのことを記憶して使いこなされた
脳ほど、さらに使える脳となるわけです。
使えば使うほど故障がちになるコンピュータと違って、脳は使えば使うほど
性能が向上する不思議な学習装置なのです。
勉強で言えば、ある科目のどこかの部分を十分に理解すると、
ほかの部分も理解しやすくなるのです。
もちろん記憶も正確になります。
日本史に例えますと、全体像をきちんと把握した上で、まずは縄文時代を
しっかりと理解したとします。
すると、平安時代の理解までも楽になるということなのです。
このようにして、ほかの時代についても
制覇していけば、最終的に日本史全体を究めることができるうようになります。
さらに日本史を十分にマスターすると、世界史の習得も容易になります。
そしてその効果は、社会だけではなく国語、英語、数学へと広がっていくでしょう。
いろいろな科目の学習能力が転移しあった結果、どの科目でも優秀な成績が
とることができるようになります。
ひとつの科目を集中して勉強して、まずはそれを究めてしまうほうが
ある程度、時間があれば得策なのです。
ただし、受験直前期においては、受験に必要な科目をすべて学習しなくては
なりません。
高１・高２の時期に、何でもいいから得意科目をひとつ作ることです。
高１・高２の時期に得意科目を作ることにも受験直前期の逆転合格にも
武田塾は対応しています。
記憶の方法
記憶の種類と性質を通して、脳の使い方を考えていきます。
まず、自分自身の過去の記憶を具体的に思い出してください。
自転車を立ちこぎして頭をぶつけ頭がい骨骨折したこと。
テニスの大会で優勝したこと。
恋人にふられたこと。
学校のテストで良い点数をとったこと。
いろいろと思い出せるでしょう。考え続ければ次々と思い出せるはずです。
まるで自分の記憶には際限がないかのように。
もちろん、思い出す内容は人それぞれでしょう。
しかし、人によってさまざまな記憶があったとしても、いま思い出して
もらった記憶には、ある重要な共通点があります。
それは、いま思い出した記憶は、どれもすべて自分が経験したことや
体験したことであるということです。
そんなの当たり前と思った人もいるでしょう。
しかし、これは驚くべき事実なのです。なぜなら、みなさんの脳には
もっと違う種類の記憶がほかにもたくさん詰まってるからです。
たとえばみなさんの脳には、三角形の面積の公式、英単語、円周率、
通学路の道順、俳優や歌手の名前など、さまざまな記憶がいっぱい詰まって
いるでしょう。
いわゆる知識や情報といった類のものです。
これもみなさんの過去にたくわえられた立派な記憶のはずですね。
しかしながら、過去のことを思い出してくださいと私が要求したときに、
こうした知識を思い出した人はいないと思います。
まさか、「円周率は３．１４である」などと思い出した人は１人もいないでしょう。
つまり、記憶と一口にいっても、それは１種類ではないのです。
自由に思い出せる記憶と自由に思い出せない記憶があるのです。
自由に思い出せる記憶、つまり自分の過去の経験が絡んだ記憶のことを
経験記憶と呼びます。
一方、何らかのきっかけがないとうまく思い出せない知識や情報のような
記憶のことを知識記憶と言います。
みなさんはきっと「ど忘れ」をしたことがあるでしょう。ほとんどの場合、
人や物の「名前」であるはずです。これは知識記憶です。
知識記憶は自在に思い出すことができません。思い出すためには、
必ずきっかけが必要です。きっかけが弱いと思い出せなくて当然です。
「ど忘れ」というのは、ボケの始まりでもなんでもありません。単に
知識記憶だから思い出しにくかっただけのことです。
残念ながら、受験勉強で覚えなければならないものは、ほとんどが
知識記憶です。英単語、漢字の読み方、歴史の年号など、これらは
まぎれもなく知識記憶にほかなりません。
知識記憶はきっかけが十分に与えられないと思い出すことはできません。
ここまでお話しすれば、受験勉強をどのようにやればよいか、
みなさんにもわかったことでしょう。
勉強の内容を知識記憶ではなく経験記憶として覚えればよいのです。
経験記憶は、自在に思い出すことができるだけではありません。
覚えこむこと自体が楽なのです。そして何よりよいことは、
忘れにくいということです。
同じ参考書を何度も使っている人は、テストの最中に
「これ何章の何ページ目あたりの絵で説明されていたところだな」
などという思い出し方をするようです。ときには、参考書とはまったく
関係のないことが契機となって、たとえば勉強しながら食べていた
菓子の袋の絵柄が思い浮かんできて、「そうだ！あの時にやったとこだ」
と思い出すこともあります。
これらの思い出し方はただの偶然のように見えますが、じつは
経験記憶を利用した賢い方法なのです。
単純な知識記憶でも、何かほかのものごとに関連付けて覚えれば、
経験記憶に近づくというわけです。
終わりに
今回は「やる気」についての記事を皆さんにご紹介していきました。
いかがだったでしょうか？
今回の記事以外にも勉強に関する悩みや不安があると思います。
もしそういった方がいましたら、武田塾は無料の受験相談を行っておりますので、悩みや不安を一緒に解決しましょう！
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