無機化学は、覚える量が多いわりに「どこまで覚えればいいか」が分かりにくい分野です。
「化学の点数をとにかく早く上げたい」という相談は、岐阜校の受験相談でよく出る質問です。
結論:共通テストの無機化学は、イオン化傾向・イオン分析・酸化剤と還元剤・色・気体の検出の5項目を最優先で覚え、そのあと有名な製法、余力があれば各元素の特徴、の順で進めるのが効率的です。
この記事は武田塾岐阜校(校舎長 小林 崇史)が、共通テストの化学で無機を短期間で仕上げたい受験生に向けてまとめました。
化学のどの分野にどれだけ時間を使うかは、志望校の配点と今の得点で変わります。
無料受験相談で、化学の理論・無機・有機の進め方を一緒に決めます。

この記事の進め方が合う人・合わない人
まず、この記事の方法が自分に合うかを確認してください。
| 合う人 | 合わない人 |
|---|---|
| 化学の得点が4割前後で、短期間で点を上げたい | 化学に十分な時間を使える |
| 理論化学の計算が苦手 | 化学で8割以上の高得点を狙っている |
| 無機化学に時間をかけたくない | 覚えるより理解する方が得意 |
| 暗記を最小限にしたい | 「イオンとは何か」が怪しく、理論化学から始める必要がある |
右側に当てはまる人は、理論化学や有機化学を先に進める方がおすすめです。
有機化学の進め方は有機化学の勉強法の記事にまとめています。
動画では「化学で何か1つやるなら無機から」とお伝えしました。
では無機化学の何を覚えればいいのか。
ここでは「福間の無機化学の講義」(Doシリーズ)から、覚える項目を優先順に並べます。

ページ番号は四訂版のものです。
版が違う場合は、目次で同じ項目を探してください。
無機化学で覚える項目の優先順位
共通テストは、知識の丸暗記より「思考力・判断力・表現力」を問う方針です。
その方針に沿って、点につながりやすい順に3段階に分けました。
| 優先度 | 項目 | 主に使うページ(四訂版) | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 最優先 | イオン化傾向・イオン分析・酸化剤と還元剤・色・気体の検出 | 別冊P31〜P37 | 1〜2時間 |
| 優先 | 有名な製法・気体の発生装置と捕集・メッキと合金 | 本冊+別冊P38〜P45 | 2〜4時間 |
| 余力があれば | 鉄イオンの検出・各元素の特徴 | 本冊P91、P116〜P187 | 残り時間しだい |
所要時間は、理論化学の基礎がどこまで入っているかで前後する目安です。
最優先で覚える5項目(別冊を使う)
最優先の5項目は、物質の判断や反応の理屈に直結するので、覚えた分だけ点につながります。
①イオン化傾向(別冊P31)
反応の理屈として頻出です。
理論化学でも使うので、順番は完璧に覚えてください。
不動態と王水もセットで覚えます。
酸素・水・酸との反応は、余力があれば覚えます。
「イオン化傾向」という言葉の意味が分からない人は、先に理論化学で用語を確認しましょう。
②イオン分析(別冊P33)
沈殿するイオンの組み合わせと錯イオンです。
無機で思考力・判断力を問う問題といえばイオン分析です。
大学入試センターが平成29年度に実施した試行調査でも出題されました。
別冊P33は、ページまるごと覚えます。
このページは赤シートで隠して覚えるのではなく、白紙に全部書けるようにしてください。
- 水酸化物イオン・硫化物イオンとの沈殿は、イオン化傾向とつなげて覚える
- ほかは本冊に載っている語呂合わせで覚える(沈殿の色も一緒に覚えられる)
- 知識の使い方が分からない人は、本冊P88「イオン分析」を読む
③酸化剤・還元剤(別冊P32)
酸化剤と還元剤は、あらゆる単元に出てきます。
覚えてすぐ点になるとは限りませんが、覚えて損はありません。
反応前と反応後の物質を両方覚えてください。
半反応式の作り方が怪しい人は、鎌田の理論化学か宇宙一シリーズの理論で「半反応式の作り方」を先に確認します。
④色(P34、P37)
色は物質の「判断」に使われます。
全部覚えるのがきつい人は、次の3つを優先してください。
- 炎色反応
- 水溶液の色
- 酸化剤・還元剤に関わるもの(Mn、Crなど)
P37の気体の色も覚えます。
あとは問題で見たものを随時覚えていけば十分です。
酸化銅の黒と赤などは、よく出る例です。
⑤気体の検出(P37⑩)
気体の検出も物質の判断に関わるため、思考力を問う問題でよく出ます。
ここは全部覚えてください。
優先して覚える項目(本冊も使う)
このあとの項目は頻出の暗記事項です。思考力からは少し離れますが、出題されやすい範囲です。
有名な製法(本冊+別冊P38〜P45)
製法は数が多いので、名前が付いているものだけを先に覚えます。
それぞれ「何をつくる製法か」と「おおまかな作り方」を言えるようにします。
- アンモニアソーダ法(P121)
- 融解塩電解(P139)
- Feの工業的製法(P145)
- 接触法(P170)
- ハーバー・ボッシュ法(P176)
- オストワルト法(P176)
NaOHのイオン交換膜法とCuの工業的製法は、理論化学の電気分解(陽極と陰極の反応)を先に覚えてから取り組みます。
鎌田の理論化学なら本冊P200〜201です。
気体の発生装置・乾燥剤・捕集装置(本冊P111)
上方置換・下方置換・水上置換の判断はできるようにしておきます。
乾燥剤は、最低限の理屈だけ覚えれば足ります。
メッキと合金(本冊P144、P153)
覚えるときは、用途とセットで覚えてください。
余力があれば覚える項目
ここからは時間に余裕がある人向けです。
覚える量に対して点数の伸びが小さくなるので、理論や有機を優先した方がよい場合もあります。
- 鉄イオンの検出(本冊P91):イオン分析の中では出題は少なめ
- 各元素の特徴(本冊P116〜P187):量が多いので、有名なものだけ覚え、あとはマーク演習で出たものを足していく
無機化学のよくある質問
化学反応式は覚えなくていいのですか?
単体の反応式を丸暗記する優先度は低いです。
理由は3つあります。
- 共通テストでは単純な暗記を問う問題が減っている
- 福間の序盤にある反応式のルールは、理論化学の知識が前提になる
- 覚える量が多い
有名な反応は「各元素の特徴」にも入っているので、そちらで覚えれば足ります。
無機化学はいつ始めればいいですか?
理論化学の基本用語が分かるようになったら始められます。
無機は理論ほど積み上げが要らないので、短い期間でも点が上がりやすい分野です。
ただし理論化学が手つかずの人は、イオンや酸化還元の意味を先に確認してください。
理論・無機・有機の時間配分はどう決めますか?
今の得点と、残りの日数で決めます。
受験相談では、模試の分野別の得点を見て、どの分野に何時間使うかを一緒に決めています。
無機を短期間で覚えたら、残りの時間は理論と有機に回すのが基本です。
まとめ:無機化学は優先順位どおりに覚える
無機化学は、少ない勉強時間で点が取りやすい分野です。
- 最優先の5項目を別冊で1〜2時間かけて覚える
- 有名な製法・装置・メッキと合金を本冊で覚える
- 余力があれば各元素の特徴を、演習しながら足していく
無機を早めに仕上げて、理論と有機に時間を回してください。
この記事は武田塾岐阜校(校舎長 小林 崇史)が、共通テストの化学で無機を短期間で仕上げたい受験生に向けてまとめました。
※2026年10月時点の内容です
大学受験の勉強法でお悩みなら、武田塾岐阜校の無料受験相談へ
入塾を決めていなくても受けられます。志望校と今の学力を確認して、その場で次の3つをお渡しします。
- 合格までに必要な参考書と、やる順番
- いつまでに何を終えるかの学習計画
- 今の勉強法で直すべき点
岐阜市・名鉄岐阜駅の予備校・個別指導塾|武田塾岐阜校
〒500-8175 岐阜県岐阜市長住町2丁目7番地 アーバンフロントビル 6階
名鉄岐阜駅 徒歩3分/JR岐阜駅 徒歩6分
TEL:058-215-0572(電話受付 月〜土 10:00〜21:00、日 10:00〜19:00)
自習室 月〜土 10:00〜21:30、日 10:00〜19:00
X(旧Twitter)@takeda_gifu