こんにちは!武田塾戸塚校です!
いやぁ……緊張しましたね!新元号発表!!
このごろはイチロー選手の引退会見、新元号の発表と、テレビの前で正座をして、時代の変わり目を目撃する機会が多い気がします。
アポロの月面着陸を見ていた僕たちのお父さん・お母さんたちや、黒船来航を見ていた浦賀の町民たちも、こんな気持ちだったのでしょうか
今日はそんな元号のお話。
・「令和」ってどんな意味?どうやって決まったの?
・今までの元号に込められた意味は??
・他の元号候補って?
そんなお話をしていきます!
新元号【令和】に決定!!気になるその意味は……!?
今年5月1日施行の新元号は「令和(れいわ)」に決まりました。
「令」「和」ふたつの漢字はどちらもよく見かけるけど、この二つを同時に並べることはあんまりないような気がしますよね?
(なんと!現在ブレイク中の「メイプル超合金」、同志社大学出身のカズレーザーさんは本名和令(かずのり)」さんなんだそうです!!改元に当たってカズレーザーさんがTwitterで呟いたコメントも素敵なので、是非ご覧になってくださいね!)
カズレーザーさんTwitterアカウント→https://twitter.com/kazlasersub
「令和」の出典は、『万葉集』!
現存する日本最古の和歌集ですね。
編纂は大伴家持と言われていますが、諸説あります(と、いうことはあまりテストに出ません)。
内容はよく問われます。「万葉仮名」という特殊な仮名での和歌表現が特徴ですね。
防人歌(さきもりのうた)などが収録されているのも、貴族中心だったこの時代の文化には特筆すべきことです。
(日本史・文学史選択のみなさん、覚えてますか!?)
「万葉集」の出典
「梅花の歌」三十二首 序文 より
于レ時初春令月
気淑風和 梅披鏡前之粉
蘭薫珮後之香
(ときに初春の月は清らかで美しい。
空気はやさしく風は和やかで、梅は鏡の前で化粧をするかのようだ。
蘭の花は、衣類に焚き染めた香のようにしめやかに香っている。)
※訳文はいろいろ調べながら書いた校舎長オリジナルです!ツッコミどころがあったらごめんね!
とても素敵な情景だと思いませんか?
おだやかな春の日の風景を、五感をいっぱいに使いながら描写しています。
奥ゆかしい比喩表現は、日本の和歌の原点となる心づかいですね。
「令と和が分かれてるじゃないか!?」という疑問もおありかと思いますが、慣例上、年号はこのように、出典から1文字ずつ取って新しい言葉を作ることになっているのです。
ちなみに「令」「和」それぞれの漢字の意味は
令……清らかで美しいこと
和……争わず調和していること
なんですって。
平成は「広く地上に平和が成るように」という意味であり(読売新聞)、戦争の時代だった昭和への反省と、新しい時代の決意が込められていました。。
いま、平成の世が終わり、世の中は情報化・多様化が当たり前になっています。
「令和」という元号からは、
さまざまな人々・生き方・価値観が混ざりあい、ともすれば濁ってしまいがちなこれからの世の中を、清く美しく、すべての人が争わず調和して生きていこう
というこれからを生きる私たちへのメッセージを、私は感じます。
出典である万葉集の花の色(古典の「いろ」は見た目・香りどちらもいいますね!)のように、美しく、奥ゆかしく、透き通る春の光のように過ごしていけたら、素敵ですね。
パクリ疑惑!?「令和」の出典は実は中国『文選』だった!?
「令和」の原典は、さらに辿ると、中国の古典文集『文選』に行きつきます。
『文選』は魏晋南北朝時代、「梁」の「昭明太子」(ほぼここにしか出てこない人ですね)が編纂したとされており、6世紀ごろ成立しました。
(世界史選択のみなさん、覚えてますか!?)
その中の後漢時代の出典に、こういう歌があるそうですね。
(『文選』が1~2世紀成立、としている記事が多くありますが、間違いです。
『文選』の中の歌の成立が1~2世紀が正しいですね)
於是仲春令月 時和氣清
これをもって、「本当は中国の文書が出典だった!」とかいろんな意見が出ていますが、それはちょっと早計。
いまの私たちからすると「パクリ」に思えますが、情報伝達の手段が少なく、中国から文化を輸入していた当時の日本では、「中国の歌を踏まえた言葉を詠めることが教養」であり、
「パクリ」だ!オリジナルじゃない!
という主張が正しいかどうかはびみょ~~、というか、正しくないと言われても仕方がないです。
(例えば、聖徳太子(厩戸王)が「イエス・キリスト」のパクリだって言われたら日本人はみんな怒りますよね?
でも、年代的にも当時のローマ・中国の文化的繋がりからみても、影響を受けたのは間違いないと言われています。
当時、他の文化から影響を受けたことって、そのくらい当たり前に受け入れられているんですネ。)
もちろん今回、完全に日本オリジナルの出典から元号を作ることもできたでしょう。
しかし、知ってました?実はこれまでの元号も、出典は中国古典から取るのが普通なのです。
(「平成」の出典は『史記』や『書経』であり、「昭和」の出典も『書経』です)
それは、伝統的に中国文化を踏襲&発展させてきた日本の文化を考えれば、当然のことでしょう。
それが今回、中国書籍が原典でありながら、出自自体は日本の歌集である元号が起草されるに至りました。
これって、ものすごいことなんです!
今回の改元は、今上天皇の生前退位という、王政復古以降初の制度による施行です。
加えて、昨今の時代の大きな時代の変化。
それを受けて、「私たちもこれまでの伝統を踏まえつつ、新しい日本の時代を作っていこう!」という、文字通り
「令明と調和の時代」を象徴する年号になっていると言えるでしょう。
つまり、これまでの伝統を考えれば、原典の原典が中国『文選』であることには、なんの問題もないということですね!
「令和」以外の年号の候補は?見慣れない漢字を解説!
新元号の公開のあと、「令和」以外の元号の候補も明らかになりました。
「万保」「万和」「広至」「久化」「英弘」
などが最終候補であったとか。
もし、仮にですが国民投票で元号を決めていたら、字面から意味が伝わりやすい「万和」になったのではないかと思います。
この中で日常あまり使わない文字は「英弘」の「弘」でしょうか。
人名では多く見かける文字で、「弘(ひろし)」さんや、「弘治(こうじ)」さん、歴史上の人物だと「弘法も筆の誤り」の「弘法太師」がいますね。
これは読み通り、「広い」とほぼ同じ意味を持ちます。
「英弘」とは、「誰にとっても広く優れた時代にしよう」という意図でしょうか。
そして、よく使うものの「化ける」など、それほどポジティブでない意味で使うこともある「化」を含んでいる「久化」も、
「広く知らしめること」という意味を持ちます。
(大化の改新の「化」ですね!)
変化の多いこの時代で、久しく変わらない良さを大事にしよう、という意味ではないかと思います。
令和の世を生きる私たちは?
「平成」改元当時も、しばらくは新しい年号への批判もあったそうです。
しかし、今の私たちが当たり前に「平成」を使っているように、徐々に生活の中に溶け込んできました。
これまでになかった言葉を新しく作る「年号」ですから、最初のうちは馴染まないのも当然です。
でも、言葉に込められた意味を知り、公布する人たちの気持ちを知ることで、自分自身のものとして刻んでゆくことができます。
これって、実は勉強と一緒なんです!
時代の節目を生きるみなさんには、「与えられたものの意味を考え、自分なりに解釈する」という、まさに「勉強のやり方そのもの」を、「令和」という新しい言葉で試してみていただきたいと思っています。
……てなかんじで、ちょっとムリヤリですけど勉強に繋げたところで(笑)、今日の記事はおしまいにします。
ちなみに今回の記事、武田塾参考書ルートの参考書をいっぱい使って書いています。
~今回調べるにあたって使った参考書一覧~
・教科書よりやさしい日本史(旺文社)
・教科書よりやさしい世界史(旺文社)
・金谷の「なぜ」と「流れ」がわかる本 文化史(東進ブックス・大学受験日本史)
・詳説 世界史研究(山川出版)
知ってましたか?まだ春休みだけど、昨日から新年度が始まっています!
先週高2だったみなさん!!もう受験生ですよ!!
明日からまた、勉強がんばっていきましょう!!
無料受験相談実施中!!
逆転合格専門武田塾では、いつでも無料受験相談実施中!
受験に関するどんなご相談でも承ります!
塾について、勉強法について、詳しい話をお聞きになりたい方は、ぜひ受験相談へ!
そのほかにも、「志望校、どこにしよう……?」とか、受験学年でない生徒さんの今後の学習計画・受験校のこと、「●年生になったら成績が落ちた……」など、
どんな悩みでも構いません!まずは気軽にご相談ください!
(ご来訪の際は、あらかじめお電話くださるとスムーズです)
☎045-861-3611
武田塾戸塚校☞駅からのアクセス
MAIL:totsuka@takeda.tv