どうも、武田塾垂水校 教務担当です。今回は、なぜ勉強しないと後悔するのか、ということについてのお話をしていきたいと思います。個人的見解ですので、気楽に読んでいただければ幸いです。
2種類の「勉強したくない」ひと
「勉強しないと将来後悔するよ」学生時代に一度は誰もが耳にする言葉です。また、それに対して疑問を抱いて、反発したことがある方も多くいらっしゃることでしょう。「将来」とは何歳からのことを言っているのか、「後悔」とは具体的にはどういうことであるのか、それが分からないがためにこの言葉を重く受け止めないのは、ごく自然なことだと思います。
ですから、ここで学生の方にとって大切なのは、この言葉の意味を理解しないことそれ自体ではなく、いま勉強しない理由が何であるかということです。
勉強をしたくない/しない理由なんて、山ほどあると思います。その中でも、最も一般的なのが「勉強しない方が楽だから」というものではないでしょうか。単に面倒なことを避けた結果であると言えます。これ以外の理由で多いものは、「ほかに自分のやりたいことがある」という場合です。ここでは、前者と区別するために、単に「眠いから寝たい」とか「楽しいからテレビを見たい」とか「楽」や「快」を優先する、または受動的な行為以外を指すことにします。例えば、「漫画家を目指しているから絵の練習をしたい」とか、「お笑い芸人になりたいから、テレビを見てお笑いの技術の糧にしたい」といった場合です。
さて、この前者と後者の決定的な違いは何なのでしょうか。それは、行動選択の動機が消極的であるか、積極的であるかという点です。前者のように、単に(もしくは消去法的に)「楽」や「快」を求めるものは、消極的選択と言えます。一方、後者のようなものは行動の動機が、消去法的でない「欲/願望」ですので積極的選択となります。
消極的選択行動の末路
積極的選択は尊重されるべきものです。「勉強を(全て/ある程度)排除してその選択をする道」と「その動機を抑えて勉強をする道」を比較衡量して判断するとよいでしょう。問題なのは言わずもがな、消極的選択です。この種の選択行動をし続けるとロクなことがありません。行動の基準を「楽か否か」とすることで、結果として自分が相対すべき問題から「逃げる」癖がついてしまいます。
そもそも、「楽」なこととは「今の自分が簡単にできる事柄」です。これをずっと続けても、する事柄に何の変化ないので当然のことながら、行為者である本人の(いい意味での)変化も見込めません。精神的にも能力的にも成長することはまずないでしょう。
幼い頃は皆、周りの変化に身を任せて、自分で簡単に出来ることをやっていても精神面・実際的能力面で成長することが出来ます。なぜなら、そもそも幼い子供は脳を含む身体が自動的に成長するので、認知機能の向上・歩行可能距離の拡張といった形で、必然的にその結果が伴います。ですが、身体的成長が止まった大人は、周りに身を任せていても老いて衰えてゆくだけです。大人は自ら変化を求めて行動するほか、確実に成長できる手立てがないのです。
また、周囲の状況は刻々と変化し続けるので、「楽」をもとめて自分が簡単にできる事柄だけやっていると、その事柄が社会から必要とされなくなり、できることがなくなってしまうこともあるかもしれません。そうなったときに「逃げ癖」がついてしまっていると、自分ができることを新たに増やす努力ができず、消去法的選択によって極限まで縮小された選択肢の中で生きていくこととなります。こうした状況でも、生き生きと人間らしく生活できる人であれば、なんの問題もないかと思います。
ですが、その才能を持っている人はごく少数であることは、まず間違いないでしょう。そして、そのような状況で生活している中で、自分のためだけではなく、他者のために何かをしたいという願望を抱けたとしても、今まで「楽」を求めて行動してきた結果、能力的・精神的成長をしてこなかったため、できることが限られ生活のために不本意なことをせざるを得ないことになります。この時点において、後悔が訪れるのです。
「今を生きろ」の解釈
「今を生きろ」という言葉をよく耳にします。いい言葉だと思いますが、解釈によってはよくない結果を引き起こします。私の考えるこの言葉の本旨は「将来ではなく、いま現在から積極的選択によって行動せよ」ということです。また、「今」を構成する積極的選択行動は過程であると同時に目的でもあるのではないかな、と個人的には考えています。
何かの目標を定めて、そこに向かって行動するという過程、そうした行動をとり続けること自体が内包する人として生きることの本質的意味、これらの要素を集約した言葉が、「今を生きろ」なのではないでしょうか。
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