どうも、武田塾垂水校 教務担当です。今回は、神戸大学の前期文系入学試験の英語について、今後の出題傾向予想と対策等を書いていきたいと思います。
2020年度の形式変更
例年、神戸大学 文系前期の英語は大問4つの構成でしたが、2020年度入試においては大問3つの形式に変更されました。詳細は以下の通りです。
【2019年度まで】大問4つ
・大問2つ(ⅠⅡ):長文読解(説明文・論説文)
・大問1つ(Ⅲ) :長文読解(会話文・会話を多く含む文)
・大問1つ(Ⅳ) :英作文/和文英訳
【2020年度】大問3つ/125点満点
・大問2つ(ⅠⅡ):長文読解(説明文・論説文) ※それぞれ英作文を1題ずつ(計2題)含む
・大問1つ(Ⅲ) :長文読解(会話文)
過去5年間の配点
2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |
Ⅰ | 30(0.24) | 35(0.28) | 35(0.28) | 30(0.24) | 45(0.36) |
Ⅱ | 35(0.28) | 30(0.24) | 30(0.24) | 35(0.24) | 35(0.28) |
Ⅲ | 35(0.28) | 35(0.28) | 30(0.24) | 30(0.28) | 45(0.36) |
Ⅳ | 25(0.2) | 25(0.2) | 30(0.24) | 30(0.24) | |
合計 | 125(1.0) | 125(1.0) | 125(1.0) | 125(1.0) | 125(1.0) |
この形式変更が今年度以降も継続されるかは定かではありませんが、TOEICや英語検定等、民間の英語試験を入試へ導入すること(=実用面での英語力を評価すること)に対する肯定的見解が各々の大学のみならず、行政においても示されている昨今の動向を受けてのものと考えられます。ですので、2019年度以前の過去問を解くと同時に、2020年度の形式を想定した対策も実施する必要があります。
※また、この2020年度入試は形式が変わっただけではなく、難易度が若干上がっています。
求められる能力・対策
①長文読解(説明文・論説文)
2020年度の形式でも、それより前の形式でも、長文読解問題は3題出題されます。そして、その内の2題が説明文/論説文で、1題が会話文です。
この説明文/論説文で求められるのは、文構造理解力と慣れです。
文構造理解力
文構造理解力は、一文一文の構造(文型、節、句、品詞など)を分析・理解する能力で、単語と文法が基礎となっています。この力を身に付けるためには、単語帳・文法問題集・文法解説書を使用して学習することが必要です。単語帳は何周もして反復し、文法は問題集を一から解く中で理解できていない単元を明確にし、解説書で理解を深めましょう。また、長文問題集を精読することも、この能力の獲得に資するでしょう。
慣れ
説明文・論説文の読解において、「慣れ」は特に重要です。過去問を解くことでも「慣れ」ることが出来ますが、これは問題形式に慣れるという点が大きいです。その点での「慣れ」も大切ですが、説明文・論説文といった種類の文章に抵抗を覚えなくなり尚且つ、そこで扱われる主題に慣れるという意味での「慣れ」がここでは重要です。この種の「慣れ」を身に付けるには、同種の文章に多く触れることが重要です。長文問題集の多くは、説明文・論説文を取り扱っているので、それらをこなすことが必要です。過去に解いた問題集で扱われていた主題が、本番試験の主題と被るということも珍しくないので、文構造理解力を精読で高めつつ量をこなしていきましょう。
②長文読解(会話文)
語彙力
会話文では、①と同様の力が要求されますが、特に重要なのが語彙力です。会話表現という独特のものがありますが、それを除けば文法的には比較的簡単であることが多いため、使われている単語・熟語を知っているかということが重要になってきます。単語帳・熟語集を反復することで対策をしましょう。
論理的思考力
会話文は、会話によって構成されています。会話以外の文(いわゆる「地の文」)もありますが、主に会話内容から状況を理解しなければなりません。これには、会話から事実と、それぞれの事実の関連を抽出する能力、つまり論理的思考力が必要です。これを身に付けるには、①の「慣れ」と同様、文章を読む量をこなすということも大切なのですが、それはどちらかと言うと間接的にこの能力を鍛える方法です。直接的にこの能力を鍛えるのは難しいですが、自分で小論文を書くという方法は効果的です。ですが、そんな時間がない方は、数学をしっかり勉強する(神戸大学文系でも、少なくとも共通テストで数学は必要ですので)という方法も有効かと思われます。
③英作文・和文英訳
最後は英作文・和文英訳についてですが、皆さんはこれが一番苦手なのではないでしょうか?英語を「読む」能力を向上させるための方法は、ある程度は皆さんの知るところでもあるでしょうし、そのための教材も世の中に五万とあります。しかし、多くの人は英語を「書く」能力を向上させる方法はおろか、そのための教材の存在すら知らないのではないかと思います。
1.素地を作る(インプット)
まず、すべきことは知識の獲得です。ここで必要な知識とは、語彙力・表現力のことを指します。
・語彙力
ここでも、単語帳、熟語集を反復することが必要です。英作文/和文英訳をする素地となります。
・表現力
多様な英語表現をするためには、よく使用される表現を多く知っておく必要があります。このためには、定型表現集、文例集を反復することが必要です。
2. 実際に書く(アウトプット)
さて、知識が定着したら、もしくは定着させるためには、アウトプットすることが必要です。英作文の問題集、過去問(神戸大学以外の大学のものも使用するとよい)を解いて、英語の先生に添削してもらって書き直す、ということを繰り返すことで実力が付きます。
以上、神戸大学[文系前期]英語の特徴・対策方法でした。神戸大学志望の方に限らず、受験に関する情報をお求めの方、受験勉強に不安を抱いている方、是非お気軽に「無料受験相談」にお越しください。