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【大学受験を目指す高1・2生へ】新・旧課程で化学はどう変わった?

皆さんこんにちは!

武田塾高岡校講師の宮崎です。

今回は、2022年度に改訂された、学習指導要領について、

化学の変更点を理学部化学科出身である僕が、

徹底解説していきたいと思います。

新課程の内容が受験で反映されるのは、現高2生が受験生となる、

2024年度入試からとなります。

では、なぜ、このタイミングで学習指導要領について解説するのか。

それは、現高2生・高1生の皆さんが、受験に向けて、あるいは学校の進度に先駆けて

参考書を進めようとする中で、

混乱を生じてほしくないからです。

お兄ちゃん、お姉ちゃんからもらったお古の参考書を使って勉強しようと思ったとき、

「あれ、こんな内容学校で教えてもらってないぞ?」とか、

「これ、教科書に書いてあることと違うこと書いてあるぞ?」

などと、新・旧の変わり目であるからこそ、

変更点に戸惑いを感じてしまう方が出てくると思います。

この記事を読んでいただいた皆さんは、少なくとも化学において、

そのようなことで悩むことが無いように細かく解説していきます!

乞うご期待!!

 

化学 イラスト素材 - iStock

 

 

学習指導要領とは

そもそも、学習指導要領って何?

って思った方、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。

「学習指導要領」は、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準であり、

全国の学校では、この学習指導要領に基づき教育課程が編成されます。

この学習指導要領は、時代の変化や子供たちを取り巻く状況、社会のニーズなどを踏まえ、

約10年ごとに改訂されており、教科書なども学習指導要領の改訂を受けて変化します。

先ほども述べた通り、今回の新学習指導要領は、

高等学校では2022年度の入学生から年次進行で実施されることになっており、

2024年度入試からこれを反映した入試問題が作成されることになります。

 

新学習指導要領の達成目標

 

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学習指導要領はそれぞれ、

「こんな風に子供たちが育ってほしい!」という

政府の教育達成目標が反映されたものとなっています。

では、今回の新学習指導要領の基本的な達成目標とは何か。

いくつかありますが、中心的な考えとしては2つあります。

①知っていることやできることを応用して、問題解決につなげていく

②高大接続改革を念頭に,高等学校で学ぶ内容と大学で学ぶ内容をスムーズに移行できるようにする。

①については、知識を暗記することは大前提としながら、

暗記することが最終ゴールではなく、

それらを活用して、課題を論理的に解決することが求められています。

②については、グローバル化や情報化が急激に進んでいる中で、

できるだけ高校でのみ用いるような知識・単元はなくしていき、

大学で学ぶ内容や、世界基準に則った事項を学ぶように変更が加えられています。

 

化学で変更された内容

新学習指導要領についてある程度理解してもらった上で、

ここからは、化学に関する具体的な変更点について述べていきたいと思います。

 

イオン式 → (イオンを表す)化学式

Na+やCl-といった、いままでイオン式と呼ばれてきたものが、

(イオンを表す)化学式と改訂されました。

 

標準状態は用いない!

これまで、0℃、1.013×10^5 Paという環境を、

「標準状態」と表記してきましたが、

具体的な数値で明記することになりました。

 

希ガス → 貴ガス

今までは、第18族元素のことを「希ガス」と表記していました。

これは英語表記で「Rare gas」となっていたことに由来するのですが、

2005年以降は「Noble gas」に変更されています。

この英語表記の変更に対応する形で、

日本語表記も今回から「貴ガス」となりました。

 

アルカリ土類金属にマグネシウムが追加

これまでアルカリ土類金属は”ベリリウム Beとマグネシウム Mgを除いた”

第2族元素となっていました。

ベリリウムとマグネシウムは水との反応性がないことや、

炎色反応を示さないことなど、化学的な特徴が異なるために、

アルカリ土類金属の仲間には入れてもらえませんでした。

しかし、世界基準(IUPAC命名法)に基づくと、

第2族の全てがアルカリ土類金属となっています。

この世界基準に準拠する形で、

今回からマグネシウムがアルカリ土類金属の仲間入りを果たしました!

(なぜかベリリウムは仲間外れのままですが...。)

従って、これからは「アルカリ土類金属は全て炎色反応を示す」という正誤問題があった時、

✖になってしまうので、要注意です!

 

熱化学方程式 → エンタルピー

熱力学方程式から、エンタルピーを用いた表記へ。

この変更は化学を大学で専攻していた私からすると、

かなり大きな変更であったと感じました。

例として、アンモニアの生成で考えます。

従来の熱化学方程式で表すと、

N2+3H2 = 2NH3 + 92 kJ

となります。

これをエンタルピーで表すと、

N2+3H2 = 2NH3 ;ΔH = – 92 kJ

となります。

比較すると一目瞭然、正負が反対になっていますね。

これが何を意味するのか。お分かりでしょうか。

答えを先に言ってしまうと、熱エネルギー変化の基準点が逆になった、ということです。

熱化学方程式では、生成物のアンモニアのエネルギー状態を基準にとっているのに対して、

エンタルピーは反応物である窒素+水素のエネルギー状態を基準に取っています。

大学に入ると、熱力学方程式などという言葉は全く使わず、

エンタルピーを用いてすべての化学反応の熱エネルギー変化を表すことになります。

熱力学方程式からエンタルピーへと思考を転換するのに私自身はかなり苦しみましたので、

改めて、この変更は高校から大学への接続という面で大きいのではないかと考えます。

 

まとめ

ここまで、化学について学習指導要領の変更点を解説していきました。

いかがでしたでしょうか。

振り返ると、グローバル化に伴い、より世界基準に寄り添う形になったということと、

高校での勉強が大学への接続となるように、大学で用いる用語や考え方の導入が強く反映されていますね。

今回紹介した変更内容は、重要なものを厳選した一部分となっていますので、

さらに見てみたいという方は学習指導要領を確認していただければよいかと思います。

 

 

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