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大学にかかる費用と奨学金制度について

大学にかかる費用と奨学金制度の利用と返済のポイント!

大学受験を控える受験生にとっては、目標の大学に合格するためにもこれからの時期は集中的に受験対策を行なう必要があります。保護者にとっては、お子さんが志望校に通えるように授業料や入学金を用意しておく必要があります。

今回は、大学にかかる費用と対策について主に保護者向けの内容になります。奨学金制度の利用が一般的ですが、事前に知識をつけておく必要があります。

1.大学にかかる費用はどのくらいなの?

お子さんの大学合格は本当にうれしいことですが、親御さんにとっては費用も気になるところです。解っているつもりでもいざとなると大きな金額に驚く人も多いようです。ここでは、大学の入学時にかかる大まかな費用を説明します。事前に用意をしているというご家庭は問題ありませんが、目安として理解しておくと良いと思います。

1-1.国立大学

国立大学は、入学時に支払う「入学金」と「授業料」の標準額が定められています。この金額に上限20%まで増額することが可能になっています。

国立大学
入学金 282,000円
授業料 535,800円

1-2.公立大学

公立大学は、地域内と地域外で支払う費用に大きな差が出ます。また、医学部は全体的に高額になります。

公立大学
地域内文系
入学金 約200,000円
授業料 約520,000円

地域外文系
入学金 約360,000円
授業料 約520,000円

地域内理系(医学部除く)
入学金 約230,000円
授業料 約540,000円

地域外理系(医学部除く)
入学金 約380,000円
授業料 約520,000円

地域内医学部
入学金 約250,000円
授業料 約540,000円

地域外医学部
入学金 約550,000円
授業料 約540,000円

1-3.私立大学

私立大学は個々の大学で費用が異なりますので、必ず事前に確認をする必要があります。ここで掲載しているのは、あくまでも目安になります。

私立文系
入学金 200,000~300,000円
授業料 700,000~800,000円

私立理系(医学部・歯学部除く)
入学金 200,000円~300,000円
授業料 1,000,000円~1,300,000円

私立医学部
入学金 約1,300,000円
授業料 約2,700,000円

この金額を見ると私立医学部も授業料がさほど高くないのではと感じる親御さんも多いと思いますが、医学部に限らず大学は入学時に入学金と授業料以外に多くの費用がかかります。私立医学部の入学時に支払う初年度費用は、7,000,000円を超えます。また、大学は使用する教科書や実験などに必要な費用も別途必要になります。

2.大学の初年度納入金の支払い方法

大学の初年度納入金は、合格発表後手続きの締め切り日までに指定された金額を用意する必要があります。気をつけなくてはいけないのは、辞退をした大学の費用返還に関する内容です。別の大学に入学を決める時は、手続き後であっても入学辞退の手続きが必要になります。

納めた金額全てが返還される大学は希だと思って問題ありません。多くは、授業料のみの返還となりますので、費用に誤差が生じることを事前に確認する必要があります。また、費用の返還に関しても、辞退をしたら即日で費用が返還される訳ではありません。
従って、他大学への費用も含めて用意をする必要があります。

2-1.通常の大学への初年度費用の支払い方法

入学金や授業料の納入は、基本的に合格発表後から締め切りの日までに行なう必要があります。仮に複数の大学を受験している場合は、併願校の入学手続き金も必要です。一般的に比較的難易度の低めの大学から合否が決定します。その後私立大の中堅校~難関校の合格発表があるのが例年の流れです。

国公立にいたっては、3月末まで決定しないことも多いので、併願校を含めてある程度多めに費用を用意しておく必要があります。

2-2.日本学生支援機構の奨学金制度の利用

「奨学金」と言えば最初に思いつくのが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度だと思います。後ほど詳しく説明をしますが、収入の多いご家庭は利用できません。日本学生支援機構の奨学金制度は、「給付型」「第一種貸与型」「第二種貸与型」「入学時特別増額」などが用意されています。

2-3.日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、「国の教育ローン」としてご存じの方も多いと思います。利用に関しては、上限年収があるので、特定の収入以上の場合は利用ができません。

極端に収入の少ない保護者に関しても教育ローンを利用できないことも考えられます。民間の金融機関に比べると金利も低いので利用するご家庭も少なくありません。基本的に日本学生支援機構との併用も可能な教育ローンなので、状況次第では利用を検討するのも良いと思います。

2-4.金融機関の教育ローン

民間金融機関の教育ローンです。これまで紹介をした奨学金や教育ローンは共に収入の上限はありますが、下限はありませんでした。民間金融機関の教育ローンは原則的に年収の下限があると思って間違いはありません。特に大手都市銀行はかなり審査も厳しいと言われています。

審査 厳しい            易しい
「都市銀行→地方銀行→信用金庫→信用組合」

このような図式になっていますので、もし年収に不安のあるご家庭であれば、メインバンクを信用金庫や信用組合に切り替えて事前に準備をしておくことも必要かもしれません。

2-5.2年時以降は大学独自の奨学金制度

無事に初年度の納入金を納めた後は、続けて奨学金制度を利用することも可能ですし、状況次第では大学独自の奨学金制度の利用も検討対象になります。大学独自の奨学金は学校により異なりますが、多くは2年時から利用できるもので、1年間や半年分の納入金を無利子で貸与してくれます。但し、保護者の収入が低いことはもちろんですが、日本学生支援機構の奨学金利用と学業成績が良いことが条件になっています。

2-6.スカラシップや給費制制度を利用する方法

大学へ入学する時から奨学金やローンを一切利用しないと言うご家庭は、「スカラシップ」や「給費制制度」のある大学の受験を視野に入れるのもひとつの考え方です。スカラシップや給費制制度は、基本的に特待生扱いなので、授業料の免除や大学によっては別途現金が支給される大学もあります。

3.日本学生機構の奨学金の仕組み

先ほど紹介をした日本学生機構の奨学金の仕組みを簡単に説明していきたいと思います。現役生も浪人生も基本的に同じ流れになりますので覚えておきましょう。

3-1.奨学金の種類と内容

日本学生支援機構の奨学金は以下の種類があります。

・給付型
給付型は、返還する必要のない奨学金ですが、審査基準は厳しいと言われています。基本的に保護者の収入が少ないのは必須条件ですが、学生本人の成績も影響します。支給される金額は、大学の自宅通学者で国公立が月額20,000円で私立大学が、3万円となっています。

・貸与型
貸与型は返済義務のある奨学金で、学生が卒業後に分割で返済をしていくことになります。貸与型は大きくわけて3種類あります。

:第一種(無利息)
利息なしで借りられる奨学金です。審査基準が第二種に比べると難しくなっていますが、多くの学生が利用しています。

:第二種(利息有)
利息がありますが、民間の教育ローンと比べるとはるかに低金利なので利用者も多くなっています。

:入学時特別増額
入学金用の増額分となる奨学金です。数種類の貸与額から選択することができる奨学金になります。

奨学金で借りることのできる金額は、大学や学部によって異なります。また、保護者の年収によっても差額があるので、事前に確認をする必要があります。

3-2.奨学金の申し込みから採用までの流れ

奨学金の申し込み方は、高校在籍時や浪人中に申し込む「予約採用」と大学に入学をしてから申し込む採用方法が存在します。予約採用に関しては、現役生は高校で説明会が行なわれるケースが多くなっています。浪人生は卒業をした高校で手続きをする必要があります。世間では二浪になると奨学金が不利になるという噂があるようですが、貸与型に関しては特に影響がありません。

予約採用を通過した受験生は、合格後に再度進学先の大学で手続きをする必要があります。従って、最初に奨学金が指定口座に振り込まれるのは入学後(5月)です。

3-3.奨学金支給時期の落とし穴

奨学金の支給時期は、早くでも入学後になりますので、入学手続きの段階には間に合いません。この部分が就学金の落とし穴でもあります。奨学金の予約採用に通過したご家庭で安心をしていたのは良いですが、入学手続きのときに納入金が用意できないというケースも少なくないようです。

親族から借入れができれば問題はありませんが、他に方法がない場合は公庫などに相談をするのが得策です。費用が用意できないという場合は、事前に大学側に相談をしておくのも良いと思います。学校説明会やオープンキャンパスなどのときに相談をするのが望ましいと思います。

100%大丈夫だとは言えませんが、大学によっては事前に相談をすることで、対応策を別途考えてくれるケースもあります。

3-4.返済の方法

日本学生支援機構の奨学金のうち給付型は返還の義務はありませんが、貸与型は返還をする必要があります。基本的に大学を卒業したら返還が始まります。現在は毎月定額を返還する方法と年収に応じて返還をする「所得連動返還方式」があります。どちらを選ぶかは個人の自由ですが、所得連動返還方式の方が安心だと思います。

万が一、返済ができそうもないと判断した時には、連絡をして手続きをすることで状況次第で減額や返還猶予期間を許可してもらえることもあります。滞納をすると後々面倒なことになるので、事前に連絡をするのが理想だと思います。奨学金は給付型を除き全て「借金」になりますので中途半端な気持ちで借りるのはオススメしません。

4.まとめ

今回は日本学生支援機構の奨学金の説明を中心に大学にかかる費用の説明をしました。奨学金は給付金を除けば全て教育ローンなどと同じ借金です。

奨学金の返済義務は借りている学生本人が返す義務があるローンですから、社会人になると同時に多額の借金を背負うことになります。確かに大学に通ってサークルや新しい友人との時間は楽しみのひとつです。但し、奨学金を使用して大学に通う以上はそれなりの覚悟をしてほしいと思います。

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