こんにちは!武田塾医進館渋谷校です。
医学部医学科出身!本校教務より、今日も医学部情報をお届けします。
本日のテーマは「入学してからの医学部生」!
入るのが大変な医学部医学科。
でも、入学後の方がもっと大変!?
医学部は「医師」になるという明確な目的意識を持った学生が集う場所。
だからこそ、入学する前から、医学部のこと、知っておきましょう!!
医学部に入ったらどうなるの?
医学部医学科に入ったら、6年で卒業して医師国家試験を受けて医者になって……
そう思っている人が多いかもしれません
(厳密にいうと、卒業より国家試験の方が先ですが、まぁいいでしょう笑)
あるいは、卒業後2年間研修医になることは、ご存じの方も多いかもしれません。
しかし、現状多くの医師はさらにその先に専門医取得を目指します。
診療科によりますが、初期研修2年~専門医研修が4年程度あり、そこからさらに診療科の分野ごとの専門(内科なら、循環器とか、泌尿器とか……)取得に2年……
この間、医師は指定のカリキュラムにのっとったローテーションや現場での経験、さらに症例レポートの提出なども義務付けられます。
(専門医取得をしない医師もそれなりにいますが、特に首都圏で医師として力をつけようと思うと、専門医取得は避けられません)
そう、医学部生は入学するまでも、入学してからも、そして卒業したあとも(むしろここが一番長い!!)、
ず~~~~~っと勉強です。
……とはいえ、まずは学生生活。
今日の記事では、医学部生の大学生活がどんな様子なのか、見てみましょう。
1年生……実は全学部でヒマ!?
医学部医学科生の1年次は基本的に「教養科目」を学ぶ時期です。
教養科目はどの大学も1年間で20単位=授業10コマ分。
高校生はだいたい1週間で25コマ~30コマくらい授業を受けていますから、けっこうヒマですね!
これに加えて、英語の授業が週に2回。
医学部生としての基礎的な授業(生物とか、医学概論と言われる授業です)が、週に3回程度。
さらに、物理は高校の復習レベル、化学は高校範囲プラスアルファくらいで習いますので、それぞれ週1回。
これが医学部1年生の授業です。
大学にもよりますが、医学部医学科生はほとんどの大学生が必須とされている第二外国語(ドイツ語や中国語など)を習う必要がありません。
(あえていうなら、国境なき医師団などで働きたい人はフランス語を習っておきたいですけど……)
ゆえに、他学部と同じキャンパスに通う医学部生はこう言われます。
「全学部で一番ヒマ」と(笑)。
ずーーっと勉強だらけの医学部生にとって、わずかな大学生活を楽しめる期間です。
サークル活動にいそしんだり、アルバイトをしたり、自己実現や社会性と高める時期でもあります。
あるいは、比較的忙しくない1-2年生向けに、病院が提供している体験実習に参加することもできます。
私は「妊婦さんに半年間診察に立ち会い、出産までご一緒する」という実習に参加させていただきましたが、命の生まれる瞬間とそのご家族の思いを間近に感じることができる、とても大切な機会になりました。
ちなみに、1年生の後期から解剖学の座学が始まります。
ここが1番最初の「医学部らしい」授業であり、医学部生の最初の難関となるでしょう。
2年生~3年生前期……基礎医学を学ぶ時期。だんだん忙しくなってくる!
1年後期で解剖学を習ったら、2年前期でいよいよ実際の御献体を前にしての解剖実習を行います。
※御献体とは、解剖実習にご自身を提供してくださった方のご遺体のこと。医学部生やスタッフは、かれらとそのご家族に感謝と敬意を込めてこう呼びます。
はじめて実際の人体を相手に学ぶ、「相手を人として尊重しつつ、客観的にデータを見る・学ぶ」という医療者としてとても大切な学びを得る時間です。
解剖が終わると、3年生の前期まで、生理学・生化学・発生学といった人体の基礎の学習、さらには心理学・感染症学、あるいは薬理学・公衆衛生学・司法医学といった実際の医療の仕事に関わる学習を進めます。
1年生では一番ヒマだった医学部生ですが、ここからは逆に全学部で最も忙しくなります。
基本的に毎日朝から夕方まで全部授業、1か月間ずっとテスト期間……といった、医学部生「らしい」生活を送ることになります。
3年生後期~4年生前期……臨床実習に向けて学びが最も加速する時期
3年後期あたりから、いよいよ臨床系の学問、消化器とか泌尿器とか、眼科とか産婦とか、そういった講義が始まります。
医学部含め6年生の医療系学部では、4年生の前期に、OSCE(オスキー)、CBTという2つの試験があります。
これはいわばプレ国家試験。
4年後期からは病院で実習。
その実習のため、つまり「患者に直接かかわるための最低限の医療者としての知識・技術がちゃんとついていますか?」という試験を行います。
医師は卒業時の国家試験だけだと思っている人もいますが、実際はここまでの3年半で臨床医学まで含めてすべての医療知識を叩き込まれるため、このOSCE・CBTを越えられるかどうかが医学部生のヤマです。
ですから、2年後期~4年前期までが医学部生の最も忙しく、最も勉強しなくてはいけない時期なのです。
4年後期~……病院実習
4年生の後期からは、実際に大学病院などで実習を行います。
いわゆる「ポリクリ」です。
おおむね2週間で1つの診療科を回り、病院のスタッフとともに知識や技術を学ぶ、また、実際に担当の患者さんを持ち、簡単な診察も行います。
また、大学病院だけでなく外の病院にも一定期間おもむき、わりとそこでは実践的な経験をしてもらえることが多いです。
(このへんは、実際に先輩から「あそこはいろいろ教えてもらっていいよ」とか「あそこは下働きばっかりさせられるからダメ」みたいな噂話が下りてきます笑)
忙しさや学べることは病院や診療科によるので一概に言えませんが、まさに the 医療 という時間で、ここまでの苦労が報われる思いで毎日充実することでしょう。
早朝や夜間のカンファレンスに参加したりもする、けっこう忙しい時期なのですが、この時期になってもサークル活動やアルバイトを続けている猛者も一定数います。
6年生~……随時、国試対策
6年生になると、休みの期間を用いて国試対策合宿をしたり、対策本「QB」購入の一斉アナウンスが流れたり、いよいよ国試対策が本格化してきます。
国試の対策時期については大学によりますが、病院実習が12月など少し早めに終わり、あとは週1-2回の講義のみで国試対策に専念できる期間がある場合がほとんどです。
ただ、実際に実習が終わってからでは国試対策は間に合いません。
(大学によっては、国試1か月前に模擬試験を行い、これに合格しないと卒業に必要な単位が取れない=そもそも国試を受けさせてもらえない、というところもあります)
、というか、国家試験合格率が高い大学はほとんど↑をやっています。国試合格率なんてどうとでも操作できるということですね
6年生のこの時期になって、いまさら2年生で習った生理学の勉強なんて覚えてない……でも、生理学分野にも禁忌(一定数間違えると、点数に関わらず不合格になるヤバい問題!)はあるし……
ということで、これまでいかにコツコツしっかり勉強してきたかが問われます。
ですから、医学部生は2年生ごろから、毎日少しでいいので授業の復習をする、テスト期間もテスト対策だけでなくきちんと臨床のための勉強をする(特に心電図とか、テスト対策だけで乗り切るとえらいことになりますよ~!)ということを心がけてくださいね♪
"合格したい!"も大事だけど、もっと大事な"こんな人になりたい!"
医学部は難関だからこそ、「どうやって入るか」ばかりが注目されがち。
だからこそ、
入ってから何をしたいか。
医療者として、どんな人になりたいか。
そんな理想とビジョンを、医学部志望生には持ってほしいと思っています。
"医者として"より先に"医学部生として"成功するのは、
●毎日コツコツがんばることができる人
●友人との情報交換を積極的にできる人
です。
知恵と技術のために、貪欲に。
学び続ける姿勢を、受験生である今のうちから身につけてください。
「どう勉強したらいいの?」は受験相談でお伝えします。
「だけど、私じゃ合格できない」と悩んでいるなら、まずは一緒にお話ししてみましょう。
武田塾医進館は、"夢"に向かって必死になれる生徒を全力で応援します。
武田塾医進館渋谷校
〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1-9-1
梅山ビル 2F
(渋谷駅南口より徒歩2分)
TEL: 0120-300-818
受付時間:朝10時~夜10時