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【医学部の入試制度】入学試験制度や選抜方法の特徴ー医学部受験は武田塾医進館大阪校

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[医歯薬獣医]医系専門
武田塾医進館大阪校です。

 

本日は、医学部の入試制度について解説していきます。

医学部を目指している方、入試方式を詳しく知りたい方はぜひさいごまでご覧ください!

医学部の入試制度(入学試験制度)の特徴

狭き門である医学部への入学を希望するなら、入試制度に関わる特徴を把握しておく必要があります。

合格への厳しさや、受験科目や特徴を知ることで、医学部合格へ向けて計画的に対策できるので、効率良く合格を目指せます。

 

合格難易度が非常に高い

最近の医学部入試の難易度は、非常に高い傾向にあります。

国公立大学では偏差値65〜74、私立大学でも62〜72程度が必要になっている状況です。

 

いわゆる「お金さえ払えば入学できた」というレベルの医学部が存在した昔とは違い、近年の医学部合格への道のりはかなり険しいものです。

 

昔も国公立大学は高い偏差値が求められていたので、難しい学部であることは間違いありませんでした。

しかし、私立大学の場合は偏差値40台の大学もあり、少し頑張れば手が届く学部と認識されていた時代もありました。

 

現在は私立大学であっても、医学部は62以上の偏差値が求められるようになっています。

 

その背景としては、2000年以降に経済の悪化とともに就職率が低下したことで、安定した収入のある医師を目指す方が増えました。医学部入学を希望する学生が増えた影響で、偏差値が上昇傾向になっていることが考えられます。

 

受験科目は大学により多少異なる

受験科目は大学により多少異なります。国立大学も私立大学も主流となる科目はある程度決まっていますが、細かい部分で違いがあるので把握しておく必要があります。

 

受験科目がわかれば、その科目だけに集中して試験対策することができるので、効率良く学習することが可能です。

国公立の場合

国公立の共通テスト(一次試験)は、5教科7科目が主流となります。例外として、東京医科歯科大の後期のみ4教科6科目となっています。

 

二次試験では英・数・理2科目の3教科4科目が必要になるのが一般的です。国公立大学の医学部を受験するためには、とにかく多くの科目の対策をする必要があるので、早い段階から全ての科目のバランスを考えて勉強する必要があります。

 

また、二次試験では国語が必要になる大学もありますので、国語に苦手意識がある受験生は注意が必要です。自分の得意科目、苦手科目を考慮して志望校を決めるのも賢い方法と言えます。

 

さらに、共通テストと二次試験の配点比率が大学により異なることも、医学部合格を勝ち取るために重要なポイントとなります。

 

共通テストの配点が高い大学であれば、共通テストで高得点を取り二次試験で逆転されないように「選考逃げ切り」が可能になります。一方で二次試験の配点が高い大学の場合は、共通テストの結果が悪くても「二次で挽回」にかけることができます。

 

私立の場合

私立大学の個別試験は、英・数・理2科目の3教科4科目が主流となります。

ただし、例外の大学もありますので、把握しておくことが大切です。

 

例えば、東海大学は理科1科目で受験することが可能、帝京大学は受験科目を自分で選択することができます。

東海大学は科目数が少なく、帝京大学は選択肢が広がるメリットがあるため、英・数・理2科目に苦手意識のある受験生には魅力のある大学と言えます。

 

しかしながら、そのような大学では毎年志望する学生が多く倍率が高くなる傾向にあるため、難易度が上がりやすいことも考慮しなければなりません。

 

反対に科目数が多い私立大学もあります。

例えば産業医科大学は共通テストの受験が必須なので、志望する場合は早い段階で共通テスト対策をしておく必要があります。

 

学科試験に加えて面接や小論文が課される

医学部の入試制度の特徴として、大学受験では珍しく、学科試験に加えて面接や小論文が課せられることが挙げられます。

 

最近の医学部は受験生の「人間性」に重きを置く傾向にあります。

人の命を預かる仕事だからこそ、頭の良さだけでなく真面目さ、誠実さ、謙虚さなどの人間性に優れた受験生が欲しいと考えています。

 

さらに、医師にふさわしい国語力やコミュニケーション能力を求める大学も多くあります。

大学によっては、面接や小論文の配点が非常に高いために「合格圏内の偏差値なのに合格できなかった」というケースも少なくありません。

 

なお面接や小論文が重視される傾向は、この先も続くことが予想されます。

医学部合格を目指す受験生は、学科試験と同じように面接や小論文対策に力を入れることが大切です。

 

 

国公立の実質のチャンスは年一回

国公立の実質のチャンスは年一回と言えます。

 

国公立大学の入試制度には「前期日程」「後期日程」があり、それぞれ募集人数が設定されています。
つまり、前期日程と後期日程で1校ずつ出願することが可能になります。

 

しかしながら、それぞれの募集人数比は「前期:後期=約90:約10%」と非常に大きな差が出ています。

さらに、実施大学は「前期:後期=49校:18校」と後期は半分以下の数となっています。

 

試験日程 前期日程 後期日程
実施大学 49校 18校
募集人数比 約90% 約10%

 

このように国公立大学の後期日程は、実施大学が少なく、募集人数も大幅に少ないのが現状です。

その限られた枠を狙って、多くの受験生が集中するため、難易度がとても高くなる傾向にあります。

 

後期日程で合格することは非常にハードルが高いため、実質のチャンスは1年間で前期日程1回だけ」と考えるのが妥当です。

 
 

国公立大学医学部の入試制度|入試方式・選抜方法の種類

ここからは、入試方式、選抜方法の種類についてご説明していきましょう。

 

国公立大学医学部の入試制度は前期後期とそれぞれ募集人数や実施大学が異なります。

さらに、学校推薦型選抜、総合型選抜、地域枠入試もあり、やや複雑なので、正しく理解しておく必要があります。

 

前期日程

国公立大学の二次試験は、前期と後期の日程で募集人数を分割して選抜します。

医学部ではありませんが、公立大学の中には中期日程を設けている大学もあります。

 

前期日程は「共通テスト(一次試験)」と「個別試験(二次試験)」で構成されます。

前期日程の二次試験は、2月下旬です。

前期日程で合格し、入学手続きを完了した場合は、後期日程を受けることはできなくなります。

 

先ほどお伝えしたように、前期日程と後期日程の募集人数には大きな開きがあり、前期日程は約9割、後期日程は約1割となっています。

前期日程、後期日程それぞれ1校ずつ志願することができますが、ほとんどの受験生は第一志望校を前期日程で受験することになります。

 

後期日程

国公立大学の後期日程の二次試験は、3月中旬に実施されます。

前期日程で合格し、入学手続きを完了した人は後期日程を受けることはできません。

 

後期日程の募集人数は少ないので、その分倍率も偏差値も高くなりやすい傾向にあります。

さらに、全ての国公立大学医学部が後期日程を実施しているわけではありません。

前期日程の実施校は49校に対して、後期日程は18校と半分以下になっています。

 

なお後期日程には、前期日程で第一志望の医学部に不合格となった人が受験することになります。

これにより前期日程よりも比較的受験生の質が落ちる懸念があるため、後期日程を実施する大学は減少傾向にあります。

 

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜は、従来の推薦入試にあたるもので、2021年入試から名称が変更しました。

一般選抜に先駆けて、11月~12月頃に実施されることが多いです。

 

高校3年間の成績や取り組みなどを参考に、受験生の個性や意欲を測る選抜方法です。

学力と人物を重視することができるため、近年増加傾向にあります。医学部でも、すぐれた「人間性」を持つ受験生を評価するため、学校推薦型選抜が増えています。

 

一発勝負の試験とは違い、高校での頑張りや自分の強みをアピールすることができるので、医学部入学のチャンスが広がる入試制度と言えます。

 

学校推薦型選抜の一番の特徴は、出身高校からの推薦状が必要となることです。

書類選考、小論文、面接試験がメインになり、学力試験、大学入学共通テストを課す大学もあります。

 

総合型選抜(旧AO入試)

総合型選抜(旧AO入試)とは、学力以外に秀でた能力がある学生を受け入れるための選抜方法です。

小論文、面接、実技など様々な選考方法があるのが特徴で、学力試験だけでは判断することができない、意欲や適正などが評価されます。

 

9月以降に出願が始まる大学の場合も、年内には合否が決定するケースがほとんどです。

一般入試よりも実施時期が大幅に早いため、早くから準備しなければなりません。

 

また、総合型選抜(旧AO入試)で不合格だった場合は、一般入試で受験することが可能です。

国立大学の実質的なチャンスは前期日程1回だけになるため、総合型選抜(旧AO入試)でチャンスを増やしておくことは賢明な方法と言えます。

 

地域枠入試

地域枠入試とは、医学部特有の入試方法です。地方の医師偏在問題を解消することを目的とし、厚生労働省が導入した制度となっています。

 

医師不足が問題となっている地域にある大学において、卒業後も地域医療を支えてくれる受験生に対して設けられた募集枠です。

 

奨学金・就学資金の貸与があるため、一般家庭からでも医学部を目指しやすいというメリットもあります。卒業後の選択肢が制限されるデメリットはありますが、検討する価値のある選抜方法と言えます。

 

私立大学医学部の入試制度|入試方式・選抜方法の種類

ここからは、私立大学医学部の入試制度、入試方式、選抜方法の種類についてお伝えしていきます。

 

一般選抜、学校推薦型、総合型選抜、地域枠入試など多岐にわたり国公立の入試制度以上に複雑なので、きちんと理解した上で入試方法を検討することが大切です。

 

一般選抜

従来の「一般入試」は、2021年度入試から「一般選抜」と名称が変わりました。

この「一般選抜」には「一般方式」「共通テスト利用方式」の選抜方法があります。

 

一般方式

私立大学医学部の「一般方式」は、その大学独自の学力試験による選抜方法です。

2月初旬から2月中旬頃に行われるのが一般的で、受験科目は英・数・理2科目の3教科4科目が主流となっています。

 

国公立大学と違い、試験日が重ならないため、何校もの私立大学医学部を受験できること、共通テストに比べて試験科目が少ないことがメリットと言えます。

 

共通テスト利用方式

上で説明したように、私立大学医学部の「共通テスト利用方式」は、「一般選抜」の一つです。

共通テストの結果を利用した選抜方法で、「外・数2・国・理2・地or公」の5教科7科目となっています。

 

共通テストを1回受けるだけで、複数の私立大学に出願できることが大きなメリットです。

国公立大学との併願もしやすい魅力もあります。

ただし、「一般方式」よりも受験科目が多いので、勉強の負担が大きくなるデメリットも考慮する必要があります。

 

学校推薦型選抜(公募、指定校)

学校推薦型選抜は、従来の「推薦入試」が2021年入試に名称変更したものです。

学力だけではなく、受験生の個性や意欲などが評価されるため、自分の強みをアピールしやすい選抜方法と言えます。

なお、出身校からの推薦状が必要になることが特徴です。

 

学校推薦型選抜は、「公募」「指定校」の2つに分かれています。

 

学校推薦型選抜(公募)

学校推薦型選抜(公募)は、高校を指定することなく広く募集するものです。

募集定員が多く、可能性が広がりやすい選抜方法と言えます。

学業成績だけでなく、文化活動やボランティア活動、スポーツなど、幅広い活動がアピールポイントになります。

 

学校推薦型選抜(指定校)

上記でご説明したように、学校推薦型選抜(指定校)は、学校推薦型選抜の1つです。

学業成績を中心に生活態度やその他の活動などが評価対象になります。

公募とは違い、大学が指定した高校だけが出願できるのが特徴です。

 

また、高校ごとの推薦枠はそれほど多くないため、希望する受験生が多い場合は、校内選考が行われることになります。

この校内選考はややハードルが高いことが多いですが、これを通過することができれば、合格できる可能性は高いです。

 

総合型選抜(旧AO入試)

総合型選抜(旧AO入試)は、学力以外にすぐれた能力がある学生を評価し、受け入れるための選抜方法です。

小論文、面接、実技などさまざまな選考方法があり、「その大学で学びたい意欲」「その大学への適正」などが評価されることになります。

 

総合型選抜(旧AO入試)は、一般選抜より時期が早いため、ほとんどの大学において年内には合否が決定することになります。

もし不合格でも、一般選抜に切り替えることができるので、チャンスを広げるために受けておいて損はありません。

 

地域枠入試

地域枠入試とは、医師不足が問題となっている地域の医療体制を改善するために、卒業後もその地域に医師として残ってくれる受験生を優先的に受け入れる制度です。

 

厚生労働省が導入した制度で、平成30年に都道府県知事から大学に対して、地域枠の設定が要請可能になりました。

今後もますます拡大する可能性のある選抜方法なので、地域医療に興味のある受験生に有利な制度と言えます。

 

また奨学金・就学資金の貸与制度もあるので、学費の心配が少なくなるメリットもあります。

ただし、卒業後に選択肢が限られてしまうデメリットもあるので、よく考慮してから決めることが大切です。

 
 

医学部の入試制度の問題点

医学部を「理系」としていることに対する疑問

日本の医学部入試制度では、医学部を「理系」としていることに疑問の声が上がることがあります。

大学入試は、文系と理系に大きく分けられますが、医学部は理系とされ、数学と理科が重視されるのが一般的です。

 

もちろん医師になる上では、生物の知識や人体の構造に関する知識が必要不可欠であり、分類するとしたら理系に該当するのは当然です。

 

しかしながら、医師に求められるのは、理系の知識だけではありません。

大学入試で数学と理科で高得点を取った受験生が、必ずしも優秀な医師になれるわけではないのが現状です。

 

優れた医師になる上で必要なものは、コミュニケーション能力や患者さんへの共感力です。

今後はこのような国語力や文系科目の能力を重視した選抜方法が求められるでしょう。

 

地域枠の離脱の問題

医学部の入試制度に関して、現在は地域枠の離脱の問題もあります。

地域枠入試とは、過疎地域での医師不足問題を解消するために導入された制度です。

 

ところが、地域枠で入学したにもかかわらず、卒業後に地域医療に貢献しない医学生が一定数いることが問題になっています。

地域枠を設けている大学があっても、地方の医師偏在問題が解消されないままになっている地域も多い現状があります。

 

地域枠の定義を明確にすること、地域枠を希望する受験生に誤解のないようなルールを整えることが求められています。

 

何年も浪人を重ねて諦める人もいる

何年も浪人を重ねて、結局医学部受験を諦める人がいるという問題もあります。

「医者になれれば何浪したって勝ち組」と考えている受験生が多いのも事実です。

 

しかし、何浪しても必ずしも合格できる保証はありません。

浪人を重ねた後、結局医学部を諦めて他学部に進学する、もしくは就職する方も一定数いるという現状があります。

 

医学部受験は難易度が高く、何度チャレンジしても報われない受験生もいます。

制度としては何年もチャレンジできる一方で、挑戦する年数を自分で設定した上で医学部受験に臨む姿勢も重要でしょう。

 

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最後に

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