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【過去問分析シリーズ】2023年共通テスト物理

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第2弾は共通テストの過去問分析。
今回は物理です!!

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2023 共通テスト 物理 過去問分析

目次

 

 

 

試験時間と問題数

 

試験時間:60分

問題数:大問4つ(全て必答)

昨年と同様、大問4つの構成。
センター時代と比べて大問が1つ減っていますが
その分問題文が長いので、
時間的余裕はさほどありません。
他の科目同様に素早く解くことが求められます。

 

 

問題

問題ごとの難易度評価

 

問題ごとに5段階で評価をつけていきます。

 

1.易,超基本問題
(絶対に正解しないとダメな問題)

2.やや易,基本問題
(基礎ができていれば解ける問題)

3.普通,標準問題
(平均以上目指すならここまで)

4.やや難,準発展問題
(高得点取りたい人はここまで)

5.難,発展問題
(捨て推奨レベルの問題)

 

 

大問1.小問集合

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まずは小問集合から。

問1は力のモーメントの問題。
もちろん計算しても出せますが、
a+b=60とa<bが直感で分かれば
選択肢から3しかありえないですね。
難易度は易。
絶対に落とせない問題です。

問2は熱サイクルの問題。
前半は1周したら、
内部エネルギーは元に戻るので3

後半はグラフからW=正
前半の結果からΔU=0がわかるので、
Q=ΔU-W=負となる。

難易度は前半は易、後半が標準。

問3は運動量と運動エネルギー保存則の問題。
与えられた条件の時に、
どの保存則が成り立つかを考えます。

普段から内力外力を意識して区別していないと
少し厳しく、個人差が出そうな問題です。
難易度は標準、人によってはやや難ありそう。

問4はローレンツ力の問題。
フレミングの左手の法則から、
正しい回転方向は2と4に絞れます。
ここまでは簡単です。

ローレンツ力が同じ場合、
質量が大きいほど
円運動の半径が大きくなるので、
4が答えになります。
感覚的にも重いものを動かすときは、
急に向きを変えづらいので
円の半径が大きくなりますよね。
難易度は標準。

最後問5は光電効果の問題。
公式hν = K0+Wと
ν0の時、K0=0から
h=W/ν0
難易度はやや易。

以上が大問1小問集合(25点)
難問という難問はないですが、
簡単な問題ばかりでもないので
そこそこ差がついたと思われます。

 

 

大問2.自由落下

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大問2は自由落下の問題。
先生と生徒の会話形式ですね。

問1は物体が落ち始めてから、
速度が一定になるまでの
速度、抵抗力、加速度の説明の穴埋めです。
難易度易、基本中の基本です。

問2は実験結果から、
物体の終端速度を求める問題。
ここから問題文が長くなり、
理解に苦しむ人も出てきそうです。

計算自体は速度が一定になった区間で
道のり/時間で速度を求めればOK
最終的な答えが10の"0乗"となる点に注意
わざわざ10の何乗か聞かれてるのに、
0乗が答えなのは嫌らしいですね。
難易度は標準。

問3はグラフに対する考察問題。
アルミカップ1枚の重さをm'とおくと、
m=m'nとおけます。
またvf=mg/kより
vf=m'ng/kとなり、
このグラフは原点を通るはずなので、
2が答えになります。
難易度は標準。

問4は比例についての問題。
K=√m'g/k'(定数)とおくと
vf=K√nと表せます。
これはvf^2=K^2nとも表せるので、
vfと√n、vf^2とnが
それぞれ比例関係にあることになります。
難易度はやや難。
数学的センスが求められる一方で、
物理の知識がなくても分かる問題なので
人によっては簡単に感じそうです。

最後問5もグラフに対する問題。

前半は加速度を出す手順について。
v-tグラフの傾きで求まるので、
(c)が答えですね。簡単です。

後半は抵抗力Rについて。
運動方程式で考えることに気づけば
これもあっさり答えられます。
ma=mg-Rなので、
R=m(g-a)の(c)が答え。
基本知識ではありますが、
ここまで運動方程式を使わなかったので、
気づかなかった人も結構いそう。

因みに運動方程式に気づかなくても、
抵抗力が大きくなる=加速度が小さくなる
ということさえ理解できれば、
(c)を選択できます。

難易度は標準レベル。

以上が大問2(25点)
文が長く問題設定が複雑なため、
それを理解できないと
大きく点数を落としかねません。
問2以降全滅した人も少なくないと思います。

逆にきちんと問題を理解できれば、
設問自体はそんなに難しくないので、
かなりおいしい大問だったと思います。
充分に満点を狙える問題でしょう。

できた人とできなかった人で
かなり大きく差が出た大問だと思います。

 

 

大問3.音波(ドップラー効果)

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大問3はドップラー効果の問題。
エッセンスでほぼ同じ図の問題があるので、
やってた人はラッキーですね。

問1は円運動する音源の向心力と
その仕事量についての問題です。
向心力は円運動の運動方程式を
覚えていれば即答できます。
mrω^2=mv^2/rですね。

また、円運動において
向心力は常に移動方向と垂直の向きに働くため
向心力の仕事量は常に0です。

難易度は易。
ドップラー効果関係ない
ただ円運動の問題ですね。

問2からドップラー効果が出てきます。
振動数が変わらない場所がどこか?
という問題です。

ドップラー効果より、
音源が人に近づいている時は
音が高く聞こえ(振動数大)、
逆に遠ざかっている時は、
音は低く聞こえます(振動数小)。

元の音と変わらない時は、
音源が近づいてもいないし
遠ざかってもいない時なので、
人に対して垂直に移動している
CとDが答えです。
難易度はやや易。

問3はある地点における振動数を
求める問題。

つまるところドップラー効果の公式を
覚えているかどうかの問題ですが、
その後の式変形が面倒くさく、
結構歯ごたえのある問題になっています。

ドップラー効果の公式は、
分子分母がどっちか分からなくなることが
非常に多いので注意です。やや難。

問4は人と音源を逆にして、
観測者が円運動する時を考えます。

ドップラー効果の公式的には、
分子と分母が逆になる感じですが、
お互いが近づけば振動数が大きく、
遠ざかれば振動数が小さくなるという
基本原理は変わらず。

後半の問題とはとても思えないほど
簡単な問題です。易。

問5は今までの2つの運動に対する考察問題。
公式暗記だけでなく、ドップラー効果の本質を
ある程度理解していないと、
解けない問題になっています。

一番引っかかりやすいのがおそらく(a)でしょう。
音源の進む方向速度に関わらず、
音の速さは常に一定です。
音源と音が混同しないように注意。
難易度はやや難。

以上が問3(計25点)。
問3と5が少し難しいですが、
それ以外はかなり易しい印象。

また問3でドップラーの公式が分からずに
解けなくても、他の問題には影響ないので
大きく崩れることも少なそう。
問題文も他の大問と比べると短めなので、
とっつきやすい印象です。

6割取るのは簡単ですが、
8割~満点取るのは
かなり苦労しそうな大問です。
差がつきにくい問題な気がしますね。

 

 

大問4.電磁気(回路問題・コンデンサー)

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ラストの大問は電磁気からの出題。
主にコンデンサーに対する知識が
問われる問題になっています。

大問2・3と比べて明らかに難しく、
今回の試験の中ではおそらく
ここが一番の難関になると思います。

問1は電場・電位における
基本原理の問題。

前半はV=EdからEが求まります。
ここは即答できます。

後半は電気力線の本数と電場の関係から、
E=4πk0Q/Sが導け出せます。
この式を出せるかどうかが全て。

難易度はやや易。
仮にここができなくても、
以降の問題には影響がないので、
分からなければ飛ばしましょう。

問2から回路問題になります。
測定グラフから抵抗の値を求めます。

ポイントはスイッチ開く直前に、
コンデンサーが5Vで充電されていること。
それが分かれば抵抗値は求まります。
難易度はやや易。

問3はコンデンサーが放電した電気量に
対する考察の問題。
ここから文章が一気に増えて、
理解が難しくなってきます。

前半はグラフのメモリの問題。
やや数学の要素が強めですね。

公式Q=Itより、1Aの電流が1秒流れると
1Cの電気量が放電されます。
このグラフにおける1cm^2というのは
10mA(0.01A)×10秒を表しているので、
電気量は0.01×10=0.1C

後半は45cm^2=4.5Cであることから、
Q=CVを使って電気容量を求めます。
最初に入っていた電気量=4.5C
とみなしているのがポイントです。

難易度は前半が標準で、
後半がやや難辺りかと。
計算よりも問題を理解できるかが
分かれ目になってきますね。

問4は会話文からの考察問題。
電流が1/1000になるには何秒かかるかを
会話文から考察するのですが、
正直これはほぼほぼ数学の問題です。

会話文から35秒ごとに電流が
1/2倍になることが分かります。

勘のいい人はここで、
1000≒1024=2^10
に気づけるでしょう。
これさえ分かれば、
35×10=350秒と求まります。

難易度は標準レベルですが、
かなり個人差が大きいと思います。

ラスト問5が一番の難問です。
引き続き会話文から考察する問題ですが、
今までの実験が整理できていないと
上手く考察できないため、
読み解くのに非常に苦労し、
なおかつ時間もかかります。

ポイントはAさんが言っている、
「電流はコンデンサーの電圧に比例します。
一方で、コンデンサーに残っている電気量も
コンデンサーの電圧に比例します」という部分。

このことから、Q0=2Q1が求まります。
これが前半のウに当てはまります。

次にQ0を求めるためにItグラフから
Q1を求めます。
グラフが曲線なので概算ですが、
大体Q1=35×(0.1+0.05)×1/2=2.6125≒2.6C
くらいと推測できます(台形として計算)
よってQ0は2Q1で約5.2C
従ってC=Q0/V=5.2/5≒1.0Fとなり、
最初の方法で求めた電気容量0.9Fより
10%ほど大きくなります。

難易度はでいいでしょう。
時間をかけてじっくり考えれば、
そこまで難しくはないですが、
やはり問題文の長さ・複雑さによって
理解にかなり時間を取られてしまうのが
一番キツイと思います。

他の問題を全て解いた上で、
時間に余裕があれば解く、
時間に余裕がないなら即捨て、
で問題ないと思います。

以上が大問5(25点)
最後の問題だけでなく、
全体的に問題設定が複雑なので、
難易度は高めだと思います。

問3以降から手がつかなかった人も
結構多くいたのではないでしょうか。

 

 

講評

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大学センターの情報では
2023共テ物理の平均点は63.39点

去年の60.72点と比較して3点弱の増加で
難易度はほぼ変わらず(微易化)といった
ところでしょう。

過去のセンター試験も合わせて見るに、
大体平均が62点付近なので、
ほぼ平均的な難易度といえます。

とはいえ、以前のセンター試験と比べ
問題文の長さが目立つ問題が多く、
このような問題を苦手としている受験生は
苦しい思いをしたと思います。


問題別難易度を集計した結果、

易 22点
やや易 20点(計42点)
標準 34点(計76点)
やや難 19点(計95点)
難 5点(計100点)

という配分になりました。
標準問題まで取るだけでも76点
と平均を超えることができます。

80点以上を目指す人は
やや難の問題にも対抗できるように
する必要がありますね。

 

 

傾向と対策

出題範囲と傾向

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・力学
・電磁気
・波動
・熱
・原子

の全分野から出題されています。
またセンター試験と違い、
全てが必答問題になったため、
一部単元を捨てることも難しくなりました。
なので、幅広く対策することをオススメします。

今回だと特に
・力学(大問2)
・電磁気(大問4)
・波動(大問3)
は大問1つ丸ごと出ています。

過去の共テの傾向を見るに、

大問1が小問集合。

大問2~4のうち

・力学
・電磁気

の2分野は固定で、

残りの1つは

・波動
・熱
・原子

の中から出題されていそうです。
(※2021は波動と原子の複合問題でした)

熱に関しては共テになってから、
大問での出題はまだありませんが、
出る可能性はあると思った方が良いでしょう。

 

 

基本公式を確実に押さえる


まず第一に基本公式は

完璧に覚えておくことが大事です。
公式暗記だけで取れてしまう問題も
少なくありませんし、
逆に公式を忘れてしまったがために、
大問1つ分丸ごと落とすこともありえます。

公式を覚えていないと
スタートラインにすら立てていないと
思ったほうが良いです。

 

 

原理現象の理解も大事

公式を覚えるだけでなく、
原理現象に対する理解も大切です。

特にセンターから共テになってからは
計算力よりも思考力を求められる
問題が増えているので、
ここの理解がより重要になってきています。

例えば力学においては、
この場面でどういう力が働いているのか
(重力,垂直抗力,摩擦力etc…)
物体が動いている時、
力のつりあいはどうなっているのか
(静止or等速→つり合ってる
加速→つり合ってない)
など、現象に対する理解が非常に重要です。

例えば摩擦力の公式を暗記したとしても、
その問題で摩擦力が働いているか分からないと
問題は解けませんよね。

原理現象をきっちりと理解して、
数式として変換することができれば、
多くの問題は解くことができます。

 

 

長い問題文の形式に慣れておく

 

数学と同様です。
共テに変わってから、
明らかに問題文の文量が増加しています。

特に今回においては、
大問2・4の文量がかなり多く、
ここの出来が結果を大きく左右した
ように感じられます。

この手の問題は慣れていないとかなりキツく、
普通の問題集の問題は概ね解けるけど、
共テの問題は解けないって人も
おそらく少なくないでしょう。

こちらも数学と同様、一般的な参考書では
似たような問題は少ないので、
過去問や共テ模擬試験のような
実戦形式の演習が対策としてベストです

 

 

取り組むべき参考書

 

物理があまり得意じゃない人は、

・宇宙一分かりやすい高校物理(講義系)
・秘伝の物理問題集(★3まで)
・GOLDEN ROUTE

がオススメです。

91LKX8bpqzL
91M9NvpGE-L
4172tRfcAOL._SX350_BO1,204,203,200_

公式もまだ全然覚えれてない人は、

・とってもやさしい物理

から始めると良いでしょう。

81ZTyjDxryL

 

また物理が得意な人は、

・物理講義の実況中継(講義系)
・物理のエッセンス
・全レベル問題集 物理

がオススメです。
819HioGaDcL

5191I62Y1JL

4172tRfcAOL._SX350_BO1,204,203,200_

また余力がある人は、
原理現象の理解を深めるために、

・物理の質問91

もやっておくといいでしょう。
81mCeKSyWyS

上記の参考書を取り組んだ上で、
実戦形式の対策も必要があります。

・物理の点数が面白いほどとれる本
・共通テスト実践模試 物理

この2つを取り組むと良いでしょう。

71ucteE9dnL

711WTy9rybS

 

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