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【過去問分析シリーズ】2022年静岡大学理学部物理

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大学過去問分析シリーズを連載します!
第一弾は武田塾浜松校に一番近い国立大学
静岡大学を分析します!

今回は物理をやっていきましょう。

静大写真

 

2022度 静岡大学 理学部 物理 過去問分析

目次

 

 

 

試験時間と問題数

 

試験時間:80分

問題数:大問3つ

大問1つあたり約27分と、
標準よりも時間的余裕があるように見えますが、
大問ごとの小問の数が平均12個と多いので、
ゆっくり解くととても間に合いません。

基本公式を使えば即答できるような問題も
大問ごとにいくつかあるので、
そういった問題で時間節約できるかが
ポイントになってきそうです。

 

 

問題

大問1.単振動の問題(力学)

bane_spring

鉛直方向の物体の単振動の問題。
最終的に水の中での運動を考えます。

問1ではシンプルなバネ振り子の問題。

(1)は自然長-z0を導く問題。
力のつり合い式から求めます。

(2)は運動方程式を導く問題。
力の働きが分かれば解けます。

(3)は単振動の中心での速度を求める問題。
力学的エネルギー保存則を使って導きます。
位置エネルギーmgz0を変形しないと
いけないので、注意です。

(4)は周期の問題。
単振動の周期の公式が分かっていれば
秒で答えれます。

(1)~(4)までは絶対に取るべき問題です。
ここまでは時間も使わずに
サクサク解けるのが理想ですね。

(5)は単振動の変位の問題。
少し難しくはなりますが、
三角関数を使うことを知っていれば
これも即答できる問題です。

初期位置からcos型のグラフになることと、
cosの中身がωtになることが分かれば解けます。

ここまでで問1が終了。
十分完答を狙えるレベルの問題です

 

問2は物体からバネを外して、
水中で単振動をさせる問題です。

一気に難しくなったように見えますが、
弾性力が浮力に変わっただけで、
単振動としての性質は全く変わっていないので、
惑わされないように注意しましょう。

(1)は力のつりあい式を求める問題。
浮力の公式を覚えているかが全てなので、
ちゃんと覚えているなら問題なく解けます。

逆に浮力が分からないと問3を含め
以降の問題が全滅するので、
ある意味で恐ろしい問題と言えるでしょう。

基本公式をしっかりと覚えておくことが、
いかに重要であるかがよくわかりますね。

(2)も力のつりあいから答えが出せます。
(1)の結果を使うのがポイントです。

(3)は運動方程式を導く問題。
問1の運動方程式の弾性力が
浮力に変わるだけですね。

(4)は実質的なバネ定数を求める問題。
単振動の復元力について理解できていれば、
(3)の結果から即答できる問題。

(5)は仕事量を求める問題。
変化前と変化後のエネルギー量を差から
求めればいいのですが、
位置エネルギーの扱いを理解していないと
苦戦させられる問題で、
差がつきやすい問題といえるでしょう。

こちらも知識として知っていれば、
1分もかからず解けます。

ここまでが問2。
大前提として浮力の公式は知っているとして、
(1)~(4)までは絶対に取りたいです。
(5)もそこまで難しくないので、
こちらも十分完答を狙えます。

 

最後となる大問1の問3は、
水の中でバネ振り子の運動をさせる問題です。
ようするに問1と2の合体版です。

見た目はかなり難しく見えますが、
こちらも基本的な単振動と変わりません。
何度も言いますが、難しそうな問題に
惑わされないようにしましょう。

(1)はつりあい時のバネの長さを求める問題。
力のつりあい式が書ければ求まります。

(2)は単振動の周期の問題。
ここから大分難しくなってきます。

運動方程式から単振動の復元力を導き、
そこから周期を求めるのですが、
問2(5)ができていないと解けないでしょう。

最後の(3)は速度の最大値を求める問題。
単振動の速度の公式が分かれば解けますが、
(2)での計算過程を使うので
(2)ができないとおそらく解けません。

以上の13問が大問1です。

後半の問3(2),(3)がやや難しいですが、
多くは基本公式に毛が生えたレベルです。

ですが、力学の中でも単振動・浮力といった
多くの受験生が苦手としているであろう単元を
ピンポイントで狙い打っているので、
全然できない人も多かったと思います。

 

大問2.電流と磁場の問題(電磁気)

mark_lifeline_denki

続いて大問2は、
電磁気から電流と磁場の問題。

問1は直線電流が作る磁場の問題です。
この分野は公式が多いので、
公式を正しく覚えているかが鍵になってきます。

(1)は磁束密度を求める問題。
基本公式に代入するだけでOKですが、
磁束密度Bと磁場の強さHをごっちゃにしてると
いきなり躓きかねません。

(2)は電磁力を求める問題。
電磁力の公式IBlに代入するだけです。

(3)は(1)と同様磁束密度の問題。
三平方の定理で距離を求めます。
簡単な数学ですが、物理で急に聞かれると
できない人もいるので注意です。
また、向きは右ねじの法則から分かります。

(4)は(3)で求めた2つの磁束密度を
1つに合成させる問題。
(4)~(5)は完全に数学の問題です。
角度に気をつけながら丁寧に作図すれば、
x軸に平行逆向きになることが分かります。

(5)は先ほどの合成した磁束密度の大きさを
求める問題です。
三角関数を使うことに気づけるかがポイント。
数学の問題としては全然難しくないです。

ここまでが問1。
基本公式に入れるだけの問題と
簡単な数学の問題なので、
全部取りたいですね。

問2は電磁誘導の問題です。
ここからが本番といえるでしょう。

(1)は導線の誘導起電力を求める問題。
誘導起電力の公式vBlから導けます。
位置によって磁束密度が異なることに
注意が必要です。

(2)も同様です。
BとB'がどのように変化するかがわかれば
問題なく解けます。

(3)は回路内に流れる電流を求める問題。
(2)で求めた起電力から、
電流を求めましょう。(V=RIより)

(4)は回路が受ける電磁力を求める問題。
(3)で求めた電流から求めます。
4方向での電磁力を考える必要があることに
気づければ問題なく解けるはず。

ここまでが問2。
基本公式に代入するだけで、
計算自体も難しくないのですが、
電磁誘導の分野は現象の理解が難しいので
どの公式を使えばいいか分からず
解けなかった人も多いと思います。

逆に電磁誘導の理論を理解できていれば
問題なく完答できるはず。

問3はソレノイドの問題。
あまり出ない問題なので、
嫌な顔をした人も多いのではないでしょうか。

(1)はソレノイド内部の磁束密度の問題。
典型的な公式代入問題ですね。
わざわざ半径が与えられていますが、
ソレノイドの磁束密度に半径は関係ありません。
引っかからないように注意です。
引っかかると残りの2問も×になります。

(2)は誘導起電力の問題。
ファラデーの電磁誘導の法則を
理解できているか全てです。
分かっていれば公式に代入して終わり。

(3)は相互インダクタンスを求める問題。
知っていれば(2)の結果から即答できます。

以上の12問が大問2です。
やはり殆どが公式代入で終わる問題ですが、
やはり電磁気の分野は理解が難しく、
どの公式を使えばいいかの悩む場面が多いです。

とはいえ、問1(1)~(4)と問2(1)(2),問3(1)
辺りは最低限取りたいところ。

 

大問3.光の屈折と凸レンズの問題(波動)

camera_lens_filter

最後は波動分野から光の屈折、
および凸レンズの問題。

この大問は正直物理と言うより、
数学の問題でした。
誘導に沿って計算をしていけば、
現象をあまり理解できなくても
概ね答えが出てしまいます。

問1は光の屈折の問題。
わざわざ屈折の法則の公式が
与えられているのは親切ですね。

(1)は線分の長さを求める問題。
早速数学の問題です。
波の公式を一切知らなくても、
三角比から求めれます。

(2)は屈折率を求める問題。
公式を知っていれば秒で終わりますが、
万が一忘れてしまっても、
(1)の結果と屈折の法則を用いて
導くことができます。

ここまでが問1。
この2問は絶対に取らないとダメ。

続いて問2が凸レンズの問題。
図がややこしく分かりづらいです。
文字の多さで投げ出した受験生も
少なくなさそうですが、
実はこの問題もただの数学です。

tanの計算をするだけなので、
縦と横の長さを文字を使って表すだけです。
この問題も波の知識0で解けちゃいますね。

問2はこの1問のみ。
これも取りたいですね。

最後の問3は問2の続き。
穴埋め問題で(ア)~(キ)まであります。

(ア)は角度の変化。
変化前と変化後の差を取ればOKです。
ただし符号に気をつけましょう。
(イ)も同様の問題です。

(ウ)は(ア)(イ)の結果と、
問題文で与えられている近似式を
用いれば求まります。

(エ)(オ)は問2で求めた答えを
(ウ)に代入して計算するだけ。
少し計算がめんどくさいです。

(カ)から少し難しくなります。
(4)式の意味が理解できない人も多そうですが、
こちらも解くだけなら、
(4)式の右側の式を整理して、
s2/s1を求めて終わりです。

現象があまり理解できていなくても、
ここまでは数学のゴリ押しだけで
解けちゃいますね。

最後の(キ)は焦点距離の問題。
今までの話の流れを理解してないと
解けないので、難しいです。

とはいえ理解できれば、
三角比を用いてすぐに答えが出ます。

以上10問が大問3。
数学が得意な人にとっては、
ボーナスステージのような問題ですが、
一方で数学が苦手な人からすると、
単純な公式代入で解けないため
地獄のように感じたかもしれません。

おそらく本試験で一番差がついた
問題だと思います。

得意な人は問3の(カ)以外の
9問取って得点源にしたいところ。

苦手な人でも問1(1)(2)と問3(ア)~(ウ)の
計5問辺りまでは最低限取って
なるべく失点を抑えたいです。

 

講評

document_data_bunseki

全体的に標準レベルの問題で
まとまっている印象です。

大問の最後の方で難しめの問題が出てきますが、
基本問題も数多くあり、
基礎がある程度理解できていれば
全く太刀打ちできないことはないでしょう。

ただ、今回出てきた単元が、
単振動、浮力、電磁誘導など
苦手の人が多い分野が多く出てきたので、
それで点を落とした人は少なくないでしょう。

特に浮力と電流の磁場の式を忘れていると、
全くといっていいほど点が取れません。

問題数は小問合わせて25問
やや多めですが数値計算は全くなく、
文字の計算も一部を除いて単純なので
計算で時間が取りなくなることはなさそうです。

本試験では、

・大問1の問2(5),問3(2)(3)
・大問2の問3(2)(3)
・大問3の問3(カ)

辺りが難問になってくると思います。
これらを無理に取りに行くより、
他の部分で確実に点数を取りましょう。

 

 

傾向と対策

出題範囲と傾向

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基本的に力学、電磁気が固定で
波動と熱のどちらかが出題されるのが
大学入試物理の王道ですが、
やはり力学・電磁気・波動の出題でした。

その中でも、浮力や凸レンズといった
頻出分野から少し外れるような問題も
出ているので、幅広く対策しましょう。

回路問題や物体の斜面の運動など、
ド定番問題だけに絞って取り組んでしまうと、
本番で痛い目を見る可能性が高いです。

 

基本公式は絶対に押さえること

まず大前提として、
基本公式は絶対に覚えましょう。

今回の試験でいうと、
大問1では浮力の公式を忘れてしまうと
それだけ失点に繋がりますし、
大問2に至っては電流の磁場の公式が
できないと、ほぼ0点です。

つまり基本公式を覚えていないと、
戦いの土俵にすら入れないのです。
いかに公式暗記が重要かがわかりますね。

例え現象が理解できなかったり、
公式の意味が理解できなかったりしても、
まずは公式を覚えましょう。

 

 

数学的発想を使って解く

物理の問題の殆どに少なからず
数学の知識が求められますが、
今回の試験では特にそれが多かったです。

大問3の波動の問題に至っては、
波の話よりも数学の方がメインといえる
ような問題でした。

それ以外でも、三角比を用いた
数学的知識が度々利用されていたので、
この手の問題が苦手に人にとっては
苦しかったと思います。

とはいえ、物理の問題で使う数学の知識は
単純な三角比など、
普段の数学と比べて簡単です。
(たまに微積分を使ったりはしますが)

「数学の知識を使って解く問題もある」
ということを常に意識して、
物理の問題を解くことが大事です。

 

 

取り組むべき参考書

 

標準的な国公立2次レベルの問題が多いので、

良問の風
・秘伝の物理問題集(★4★5
)

までのレベルは取り組んでおきましょう。

61zvkpDa-7L
91M9NvpGE-L

これらが難しく感じる人は、

・秘伝の物理問題集(★3)
・物理のエッセンス
・ゴールデンルート

辺りから始めるといいです。

5191I62Y1JL

4172tRfcAOL._SX350_BO1,204,203,200_

また、現象の理解を深めるには

・物理の質問91

がオススメです。
この本を完璧にすれば、
物理を本質的に理解することができます。

81mCeKSyWyS

また、全く手も足も出なくて、
基本公式も全然覚えていない人は、

・とっても優しい物理

で公式を覚えるところから始めましょう。

81ZTyjDxryL

 

 

 

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