こんにちは!
さて、今日のテーマは【最強の過去問活用法】です。
受験生のほぼ全員が、志望校の過去問を何回分か解いてから入試に臨んでいるはずです。
しかし、本当の意味で過去問を活用できているのは、全受験生の10%未満だと思います。
そして、その10%未満の受験生だけが、万全の状態で入試本番を迎えられているはずです。
志望校合格の可能性を高める上で、過去問の活用法は最重要事項と言っても過言ではありません。
私自身、過去問への取り組み方や分析の仕方については、生徒一人ひとりに細かく指導しています。
特に、難関大学に現役合格を果たした人には、過去問を上手に活用していた人が多い印象です。
その一方で、過去問を上手に使えず、不本意な結果に終わっている受験生はまだまだ多い印象です。
そこで今日は、効果的な過去問活用法の一部をお伝えしたいと思います。
受験指導において私が最も得意としているテーマなので、ぜひ参考にしてください!
過去問から得られること10個
1.合格に必要な学力レベル
2.出題頻度の高い単元・分野
3.出題形式、問題の特徴、クセ
4.今のレベルから合格レベルまでの距離
5.今の強み(得点源)と弱点(課題)
6.残り時間で優先して強化すべき単元・分野
7.時間配分、解答順序、捨て問などの戦略
8.モチベーションアップ
9.現状での合格可能性
10.入試本番向けの演習(参考書として)
このように、過去問から学べることは、合格のために非常に有益なものばかりです。
特に時間的に余裕のない生徒、逆転合格を狙う生徒こそ過去問を徹底活用すべきだと思います。
上記に挙げた10項目のどれも重要ですが、多くの人が9だけで満足しているように見受けられます。
過去問は、決して本番に向けての力試しの教材ではありません!
直前に解くために取っておく、という使い方は絶対にオススメできません。
過去問は、受験勉強の最初から入試当日まで何度も繰り返し活用して、何度も解き直して、最後は英単語帳のようにボロボロになっていなければならない教材なのです。
それでは、時期別に過去問の活用法をお伝えしたいと思います。
受験勉強開始期:志望校の"レベル感"を把握しよう
受験勉強の開始時期を、受験まで残り1年の高2の2月と仮定しましょう。
偏差値40台から1年で早稲田大学を目指す生徒がいたとします。
ゼロから受験勉強を始めようとしている人は、この時期は過去問は「見るだけ」で良いです。
どの科目も恐らくまだ手を付けていない分野が多すぎて、手も足も出ない可能性が非常に高いからです。(すでにある程度実力がある人なら、1年分解いてみてもOK)
スポーツを始めて間もない人が、オリンピック選手のプレイを見て「すごい」とは思えても、具体的にどう「すごい」のかを上手に説明できませんよね。
つまり、過去問を有効活用するためには、レベルを実感できる程度の実力が備わっている必要があるのです。
よって、受験勉強を始めたばかりの段階では過去問を解く必要はありませんが、解かなくても大体の"レベル感"を把握することはできます。
例えば、過去問の英語長文の中に、今使っている単語帳に載っている英単語はどれだけあるでしょうか。
ほとんど基礎単語ばかりか、後半の上級単語まで含まれているか、あるいは今使っている単語帳には載っていない難単語がちらほらあるでしょうか。
数学であれば、問題集の例題に似ている問題が意外とあるでしょうか、それとも問題集には載っていないハイレベルな問題が多いでしょうか。
こうした情報は、過去問と単語帳や問題集を見比べることで大体分かります。
過去問で大体の"レベル感"を把握することによって、今から自分がスタートする受験勉強で、どのレベルの完成度を目指さなければならないのか実感することができるはずです。
例えば、ハイレベルな数学の問題が出題される大学を受験するのであれば、基礎レベルの問題集は100%仕上がってないとマズイことは分かると思います。
また、スタートの段階で過去問(赤本など)を入手することで「これからこの大学を目指して勉強するんだ!」というモチベーションを高める効果もあります。
受験勉強前半期:自分の成長を確認しよう
各科目、全範囲の基礎固めが終わった段階で、また過去問を1年分解いてみましょう。
早稲田志望であれば、日大レベルまでの学習が終わった段階と考えてください。
恐らく、この段階でもまだ過去問はかなり難しく感じるはずですが、それでも受験勉強開始期と比べて成長した部分は実感できるはずです。
「正解はできなかったが、以前よりも分かる単語や熟語は増えた」
「数学の大問の(1)だけは解けた」
「古典の文法問題だけは解けた」
あるいは、問題は解けなくても解説を読んで理解できるようになったというのも立派な成長です。
受験勉強においては、こうした小さな進歩の積み重ねが非常に重要になります。
まだ山は高く感じるかもしれませんが、それでも以前より明らかに近づいているという"手ごたえ"が受験勉強を継続する上で大切なのです。
受験勉強は長丁場なので、適度に自分の成長を実感しつつ、受験勉強へのモチベーションを保っていくことが欠かせません。
また、このレベルになると、過去問を通じて普段の勉強で何を意識すべきかも見えてくるはずです。
「時間が全然足りない。普段から時間を測って解く練習をしよう」
「英単語の定着が甘い。まずは今使っている単語帳を完璧にしよう」
「数学は記述式だから、普段から丁寧な記述を意識しよう」
このような課題が見えてくると、今後の受験勉強に取り組む意識も変わってくると思います。
受験勉強中盤期:合格までの距離を明確にしよう
また時間を置いて、志望大学のワンランク下までの学習(早稲田志望ならMARCHレベル)が終わった段階で、1年分解いてみましょう。
順調に学習が進んでいれば、合格ラインにはまだ届かなくても、解ける問題が増えてきているはずです。
以前と比べてあまり変化が見られない場合は、普段の勉強の内容や完成度に問題があるかもしれません。
一般的に、難関大学と言っても難問しか出ないわけではなく、基本~標準レベルの問題は一定の割合で出題されています。
各科目で、まずそれらの問題(これまで学んできた知識だけで解ける問題)をきっちり取れているのかどうか、自分の答案を分析していきましょう。
もしそうした問題が不正解だったとすると、間違えてしまった原因を徹底的に掘り下げてください。
不正解の原因を「うっかりミス」「ケアレスミス」で済ませてしまう人がいますが、そこで終わらせずにもっと深く考えてください。
「自分のケアレスミスはどのような時に起きやすいか?」
「ケアレスミスはどのようにすれば減らせるか?」
「実はケアレスミスではなく、暗記が不十分だっただけではないか?」
このように、掘り下げて考えてみると真の原因が見えてくることは良くあります。
また、志望校のワンランク下の大学(早稲田志望ならMARCHレベル)の過去問を解いてみて、合格点が取れるかどうかを確認してみましょう。
とにかく、過去問を解いて「できた」「できなかった」で終わらせるのではなく、今の課題を明確にすることで、次の勉強に活かすことが大事です。
特に苦手な出題形式(英作文、要約など)が明確な場合は、そこに特化した対策をする必要があるかもしれません。
もう入試まで残り時間が少ない人は、残り時間の中で優先的に取り組む課題を明確にして追い込みをかける必要があります。
場合によっては「捨て問」を考え、稼げそうな科目で高得点を稼ぐといった、本番の戦略も考えられます。
時間がない場合は、新しい参考書に取り組むよりも、この時期から過去問を繰り返し解いて、志望校の出題形式や難易度に慣れた方が、逆転合格の可能性は高まります。
過去問こそ、志望校合格のための最高の参考書です。
受験勉強後半期:合格可能性を極限まで高めよう
早稲田志望で、早稲田レベルまでの参考書や問題集に取り組み終わったら、本格的な過去問演習に入ります。
受験勉強が順調に進んでいれば、過去問を解いた時には、合格ラインをクリアできたり、少し足りなかったり、というレベルだと思います。
この状態で入試当日を迎えたとしても合格可能性はあると思いますが、この段階で満足せず、合格可能性を極限まで高めることを考えましょう。
合格できるだけの実力はあっても、様々な要因で実力を発揮できなかった受験生は毎年大勢います。
合格点をクリアできても油断せず、万全の上に万全を期す心構えが必要です。
この段階の受験生に、過去問演習を通じて考えて欲しいことは以下の2点です。
・余裕を持って合格できるとしたら、何を強化すべきか
・不合格になる可能性があるとしたら、考えられる原因は何か
これまでは今の実力と合格ラインとの差を意識してきましたが、このレベルの受験生は、さらに上の段階を目指すべきです。
例えば、過去問を5年分解いた内の、4年分で合格ラインを上回っていたとします。
合格率にすると80%ですが、それを喜ぶのではなく、合格ラインを上回れなかった1年分について徹底的に原因分析すべきです。
「英語で時間配分をミスして、本来解ける問題を解かずに終わってしまった」
「数学で苦手な単元が多い回に当たってしまった」
「傾向が全く変わっていて、対応が難しかった」
色々考えられると思いますが、それらは全て不合格に繋がる要因ということになります。
受験勉強の追い込み期では、不合格に繋がる要因を1つでも多く克服していく意識で取り組むことが大切です。
「入試は、2回やったら合格者の半分は変わる」と言われることがありますが、実際に半分かどうかはともかく、小さな要因で入試の合否が入れ替わる可能性はあります。
過去問は、自分が「不合格の要因になり得るもの」を教えてくれる素晴らしい教材です。
過去問演習を通じて、不合格の要因になり得る要素を潰していけば、必然的に合格ほぼ確実と言える状態に仕上がっているはずです。
入試直前期:100%の準備で本番に臨もう
年明けから入試本番までの1ヵ月~1ヵ月半は、これまでに取り組んできた過去問を解き直しましょう。
一度解いた過去問を解き直しても意味がない、という人がいますが、意味は大いにあります。
過去問演習を通じて学んたことが身に付いているかどうか、入試本番の注意点が意識できているかどうか、以前より自信を持って回答できるようになっているかを確認することが大事です。
回答順、時間配分、最後の見直しに至るまで、細かい部分に神経を使ってください。
必ず時間を測り、入試本番と同じ環境の中で解くことが大事です。
これまで正しいやり方で受験勉強に取り組んできた受験生には、この直前期の過去問演習の中で「合格を確信する瞬間」がやってきます。
決してプラス思考や思い込みではなく「やるべき準備を万全にやってきた」「不安要素は全て克服した」というこれまでの日々の努力の積み重ねに対する確信です。
現実には合格率100%はあり得ませんが、それでも自分の中では不思議と100%合格を確信できている状態。
この状態に達することができれば、まず合格間違いなしと言えるでしょう。
入試本番は確かに緊張もしますが、この境地に達した受験生に恐れるものはありません。
どれだけ緊張していても、頭と身体が勝手に動いてくれる状態になっています。(スポーツでも同じですね)
ぜひ過去問演習を通じて「合格を確信する瞬間」に到達できるように頑張ってみてください。
分析が苦手な人はプロの指導を受けよう
さて、ここまで時期別の過去問活用法をお伝えしてきましたが、上記の工程を自分一人だけで難なく実行できてしまう生徒は、受験生の10%未満だと思います。
多くの場合、自分一人だけだと分析が非常に浅くなり、バランスを欠いたものになりがちです。
例えば過去問を解いてみた時に「時間が足りなかったので、もっとスピードを意識したい」という感想を抱く人は多いようです。
しかし、もっと多面的に分析することで見えてくるものが異なります。
・時間を使ってしまったところはどこか(その原因は?)
・時間を短縮できそうなところはどこか(どうやって?)
・回答順序は効率的か
・時間配分のバランスは効率的か
・そもそも目標点数クリアのために、全問解く必要があるのか
このように多面的に分析を進めていくと、場合によっては解けない問題があっても全く問題ない可能性があります。
例えば、東京大学の英語は全ての問題を解き終えることが難しく、どこを捨ててどこで得点を取るかの見極めが重要になります。
それをもし「スピードを上げてすべての問題を解く」という誤った前提で進めてしまうと、合計得点が下がってしまう可能性があるのです。
こうした、左脳型のロジカルな分析を苦手な生徒は非常に多いです。
分析が苦手な生徒は、一人で何とかしようとせず、プロに個別のアドバイスを受けることをオススメします。
個人的には、プロに過去問演習のアドバイスを受けるためだけにでも塾に通う価値は十分あると考えています。
それくらい、過去問演習によって得られるものは絶大であり、合否を大きく左右するということです。
武田塾上尾校でも、過去問演習の答案分析や改善点の洗い出しについては、一人ひとり細かくアドバイスしています。
「一冊を完璧に」が最強である理由
最後に、これから入試を迎えるみなさんへのアドバイスをお伝えしたいと思います。
入試本番は、恐らくみなさんがこれまでの人生で経験したことのないレベルで緊張します。
それが第一志望の大学であればなおさらです。
中途半端な準備しかしてこなかった受験生は、試験開始から数分後、それまでの自分の甘さを後悔します。
「どうして、もっと真剣に勉強してこなかったんだろう・・・」
1問も正解の確信を持つことができず、先に進めば進むほど、不安が募っていきます。
この時には、学校や予備校の授業で聞きかじった程度の知識など、全て消し飛んでいます。
むしろ曖昧な知識や不十分な暗記ほど、入試本番では迷いを生じさせ、不安を増大させていくものです。
手応えのないフワフワした感覚のまま、気付けば試験終了・・・典型的な不合格パターンです。
私は「入試本番では、完璧にしてきたものしか役に立たない」と生徒に伝えています。
そのためには、普段から一つひとつの内容を完璧に仕上げるような勉強をする以外にありません。
そして、その最強の勉強法こそが「一冊を完璧に」なのです。
授業で1~2回聞いた程度で、その内容を完璧にモノにできるのは、何万人に一人の天才だけです。
普通の人は、同じ教材を反復して、復習とテストを繰り返して頭に叩き込み、覚えたことを忘れないように定期的にチェックし、頭と身体に覚えさせて完璧にするしかありません。
そして、そのように着実に積み上げて完璧にしてきた知識こそ、入試本番では最大の武器になるのです。
その意味では、過去問は最も完璧にする価値のある教材(参考書)と言えます。
みなさんが、過去問という最強の武器を力として、入試本番に絶対の自信を持って臨めることを祈ります!
・・・いかがでしたか?
過去問の活用法は受験勉強の中でも最重要事項と言っても過言ではありません。
過去問の活用法が分からない、分析が苦手という方はプロの視点でアドバイスを貰うのも有効だと思います。
不安な方は、ぜひ一度武田塾上尾校の無料受験相談にお越しください!
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武田塾上尾校
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