進路が1つに絞れない君へ
どうも、武田塾立川校教務の櫻井です。
僕が教え子からよく相談を受けることの一つに、
・進路が一つに絞れない
・2つまで絞れたのに、そこから選べない
このような質問は非常に多いです。
そこで、実際に僕がかつて教えているた女子高生の実例を挙げながら、考えてみたいと思います。
親と子供の意識のズレで悩む女子高生Oさん
(都内の私立高校に通うOさんには、航空管制官になるという夢がある。
少し前に面談をして、進路を決めたはずなのだが。。)
Oさん
「先生!」
僕
「どうしたんだい。
また進路のことで悩んでいるのかい?」
Oさん
「そうなんです!
教育学部へ行くか、国際系の学部に行くのか決められないんです!」
僕
「あれ?君は確か、航空管制官になりたい夢があったのでは?
この前、僕と一緒にその夢を明確に書いて、
国際系の学部にしようって決めたばかりじゃないかい?
いったい何があったんだい?」
Oさん
「それが、親にそのことを話したら、
どうしても先生の資格を取って欲しいと言われてしまったのです。
私の両親は、幼稚園を経営しているので、
跡を継がせたい気持ちがあるみたいで。」
僕
「そうだったね。
君のご両親は幼稚園を経営なさっていたね。
でも、以前の話では、
君の主体性に任せるってことになっていたはずだけど。。」]
Oさん
「そうなんです!
それなのに、いざ進路を話し始めた途端、
雲行きが怪しくなって。。」
僕
「具体的なご両親の意見は?」
Oさん
「いざという時のことを考えて、
教育学部に進学して、幼稚園に限らず教員免許を取得して欲しいと言われました。
航空管制官の夢は第二希望にして、
親もよく知っている教育の世界に入ってほしいそうです。
それに、職を失っても教育学部を出ていれば、
両親の経営する幼稚園で仕事がある。
安全な道を進んで欲しい。
こう言われました。
さらに、航空管制官になる為には、
大学卒業後に、専門の大学校に2年通う必要があって、場所が大阪なんです。
都内ではないので心配だと言うんです。」
僕
「事情はわかったよ。
それで君は、教育学部の方へ揺らいでいるわけだ?」
Oさん
「揺らいでなんかいません!
私は国際系の学部に行きたいのです。
だって先生と一緒に決めたじゃありませんか?
航空管制官になる為に必要な語学力を磨く為に、留学をしたいんです。
留学も私の夢の一つなんです。
今までは好きなようにやって良いって言ってたのに、何で!!!
もう知らない!!!」
僕
「まあまあ、落ち着いて。
今からご両親の気持ちを説明してあげるから。
その前に僕の高校受験の話をしても良いかい?」
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そんなのなれるわけがねえ!!by櫻井パパ
僕
「僕の中学時代の夢は、
プロバスケットボール選手になることだった。
そこで僕は、
全国大会常連校に入学したいって親父に言ったんだ。」
Oさん
「先生スポーツマンだったんだ。」
僕
「うん。それでね、
親父は何て言ったと思う?」
Oさん
「やるだけやってみろ!
だったらカッコいいなあ。」
僕
「真逆です!!
そんなもん、無理だ!
やれるわけがねえ!違う学校にしろ!!」
Oさん
「お父さん、容赦ないですね。」
僕
「うちの親父は典型的な安定人間で、公務員だったからね。
だから僕みたいな、安定なんてクソくらえ人間が育つわけだ笑。
それはさておき、当時の僕は勉強ができた。」
Oさん
「いきなり自慢?」
僕
「まあまあ、最後まで聞いてよ。
僕の学力だと、
地元で1番の進学校を狙えるレベルだった。
でも、僕の行きたいバスケ強豪校は地元でも学力レベルは低かった。
それに、重大なことに、
僕はバスケが下手だった。
地区大会一回戦負けでした笑。」
Oさん
「よくそんなんで、全国レベルの高校に行こうと思ったね。。」
僕
「バスケ大好きだったから。
それだけ。何にも考えてなかった。
俺は遅咲きの選手だって、ポジティブに捉えてた。
だから、親父とは喧嘩した。
取っ組み合いにまでなったよ。
それでも親父は許してくれなかった。」
Oさん
「それでどうしたの?」
僕
「あきらめて、進学校に行った。
親父が金出さないって言うもんだから、
進学校に行って、バスケ部入ってその中で何とかするしか無かった。
ここで問題。
僕は高校で結果を出せたでしょうか?」
Oさん
「出せてたら、ここにいないよね?」
僕
「そうだね笑。
結局レギュラーにすらなれなかったんだ。
だから結果的には、進学校に行って良かった。
こうして君とも出会えたしね!
」
Oさん
「まあね。」
僕
「この体験を通して僕が言いたいのは、
親の意見に従えってことじゃない。
むしろ、何で親は僕を否定したのかということ。
それを考えて欲しい。」
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責任と証明が大事
僕
「大人になった今だからわかること。
あの時の僕に欠けていたもの。
それは、責任感と証明。
やりたいことに限らず
大人の行動や発言には責任が伴うことはわかるね?」
Oさん
「はい、それはわかります。
自分で言い出して他人を巻き込んで行動するからには、
責任感は子供でも必要だと思います。」
僕
「良いね!よくわかってる!
当時の僕には責任感がなかった。ただ夢を見ているだけ。
具体的な行動計画も目標も無かった。
本当にプロになりたかったら、どんな練習をして、どんな食事をして、
どんな進路を歩むのかを知っていなければならないし、
自分からどんどん調べているはずだよね。
僕は何もしていなかった。
責任感ゼロ。」
Oさん
「確かに。
本当にやりたいことだったら、練習するだけじゃなく、栄養管理とか、計画とか大事になってきますね。
何よりも、やるなって言われても、楽しくて計画たてちゃうかも。」
僕
「でしょ!イチロー選手の名言がある。それは、
僕は今までしてきたことを全部説明できる。
っていう。
すごくない?そこまで徹底して自己管理しているんだよ。」
Oさん
「すごい!!さすがプロですね。」
僕
「もう一つ。当時の僕には実績がなかった。
地区大会1回戦負けだもん。
だから親父に対して、成果を約束する証明ができなかった。
客観的証拠が全くなかったんだ。
ただ、吠えてるだけのガキだった。」
Oさん
「確かに、私でも当時の先生は無責任だったと思います。」
僕
「そうなんだよ。大人にはね、気持ちでは無く、結果が求められるんだよ。
その結果に対して、責任感も持っていない、成果の証明もできない。
あるのは気持ちだけ。
これじゃ、誰もイエスとは言わないよ。」
Oさん
「そうだと思います!」
僕
「君も、頭に入れておいてね。
行動や発言には責任と証明が必要だ。じゃないと大人は動かない。
実はこれ、君への言葉です!!」
Oさん
「何か後半あたりからチクチク来てました笑。」
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もっと本気になれよ
僕
「簡単に言ってしまえば、本気じゃないんだよ。
それをご両親は見抜いているんだよ。
君を伊達に育ててきたわけじゃない。」
Oさん
「ううう。」
僕
「本気で航空管制官になりたかったら、
もっと調べているはずだし、もっと勉強しているはず。
両親連れて、大阪の大学校に行って、説明も聞いているはずだよね。
でも、君は行っていない。
ユニバーサルスタジオジャパンには行ったのに。。
どうすれば自分の夢が叶うのかを常に考えて、積極的に行動する。
現状だと不十分としか思えない。
勉強も行動も甘かったんじゃないの?」
Oさん
「うううう。悔しいけど、本当にそうだと思います。」
僕
「じゃあ、どうするべきだと思う?」
Oさん
「まだ進路を決定するまでには時間があるので、もっと勉強します。
そして、両親を大学校の説明会に誘ってみます。
友人や両親にも、航空関係の仕事に就いている人がいるはずなので、実際に会って話を聞いてみます。
今はこれしか思い付きませんが、やれるだけのことは全てやります。
そして、書き出して、両親に渡します。」
僕
「素晴らしいと思うよ。その姿勢をご両親も絶対に見ているからね。
どんな結果になるにせよ、全力でやろう。
その方が楽しい。
わくわくしてきたでしょ?」
Oさん
「はい!もうバッチリです!ありがとうございました。」
本当に本当に本気になれよ
どうでしたか?
進路が絞れない原因の一つに、
親と子供の意識のズレが挙げられます。
自分はこの進路に進みたいけれど、親からすると不安で仕方がない。
この親の子供に対する不安はどこからくるのか?
親のエゴと考えてしまって良いのでしょうか?
僕の答えは、ほとんどの場合ノーです。
確かに、エゴを押し付ける親もいます。
その場合、子供を見ていると、いたたまれない気持ちになります。
しかし、
僕の経験上、95パーセント以上が
責任感と証明の欠如が原因です。
要は、大人から見ていて甘いのです。
だから、そんな生徒に僕は、
本気になれ!!
とまずは言います。
真剣に自分の夢や将来と向き合ってから、親に文句を言え!!
すぐに親を非難する前に、自分の非を認め、改善策はないか、
どうしたら親はイエスというのかを考えるべきです。
今回は以上です。
ありがとうございました。
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