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前年よりはやや解きやすかった⁉共通テスト世界史2022解説

みなさんこんにちは。武田塾佐賀校の服部です。

今回は共通テストの世界史Bの解説を行います。

世界史は知識問題が大半なため、解答を読めば理解した気になりがちですが間違いの選択肢や問題になっていない箇所も勉強になるのでしっかり確認して押さえておきましょう。

第1問

問1

①李自珍は明代の本草学者で『本草綱目』を著しました。よってこの選択肢が正解です。

②司馬光は北宋の時代に『資治通鑑』を著しましたが、これは歴史書なので誤りです。

③宋応星は明代に『天工開物』を著しましたが、これは科学技術に関する書物なので誤りです。

④昭明太子は梁代に『文選』を編纂しましたが、これは詩文集なので誤りです。

問2

19世紀のヨーロッパ諸国の東南アジア進出の際にオランダが拠点としていたのはジャワ島なので、正解は地図上のbです。ちなみに他国の拠点として、イギリスのペナンやシンガポール、スペインのマニラ(フィリピン)、フランスのベトナムやカンボジアが有名です。したがって正解は②になります。

問3

①楽浪郡が置かれたのは前漢の武帝の治世ですので、誤り。ちなみに後漢に置かれた帯方郡も覚えておきましょう。

②隋の煬帝は高句麗遠征を行いますが失敗に終わり、隋の滅亡につながります。よってこの選択肢が正解です。

③日清戦争で日本に敗れた清は下関条約で朝鮮の独立を認めました。南京条約は清がアヘン戦争でイギリスに敗れた際に結んだ条約ですので、誤りです。

④科挙は隋の楊堅が初めて実施した官吏採用試験ですので、誤りです。

問4

この問題は資料読解問題です。ウラマーはイスラム教の知識人、スーフィーはイスラム教の神秘主義家のことなので資料に当てはまるのは②です。

問5

①サファヴィー朝の国教となったのはイスラム教のシーア派なので誤りです。その他にもファーティマ朝やブワイフ朝もシーア派を国教とした国として有名です。

②ネストリウス派は景教とも言われ、西アジアや中国にも伝わりました。よってこの選択肢が正解です。

③カニシカ王は大乗仏教を確立したクシャーナ朝の王なので誤りです。

④シク教はナーナクが創始したヒンドゥー教とイスラム教を融合させた宗教なので誤りです。

問6

この問題は背景を問う問題ですがアッバース朝の時代の出来事は1つだけなので絞りやすいです。

①バーブ教徒の反乱はカージャール朝での出来事なので誤りです。

②ペルセポリスはアケメネス朝ペルシアでダレイオス1世によって建設された都市なので誤りです。

③アフガーニーは19世紀にパン=イスラーム主義を唱えた人物なのでアッバース朝での出来事ではないので誤りです。

④アラブ人の特権廃止はアッバース朝での出来事なのでこの選択肢が正解です。

問7

問題文に契丹や遼、金の記述があるので金での出来事を選べば正解にたどり着けます。

①猛安・謀克は12世紀の金の出来事なのでこの選択肢が正解です。

②ソンツェン=ガンポは吐蕃を建国しましたが、吐蕃は7世紀の出来事なのでこの選択肢は誤りです。

③テムジンがハンになったのは13世紀の出来事なのでこの選択肢は誤りです。

④冒頓単于は前2~3世紀の人物なのでこの選択肢は誤りです。

問8

①ワッハーブ派はイスラム教の一派なのでこの選択肢は誤りです。

②イル=ハン国のカザン=ハンはイスラム教に改宗したのでこの選択肢は誤りです。黄帽派はチベット仏教の教派のひとつ。

③この選択肢は正解です。

④北魏では道教が国教とされたのでこの選択肢は誤りです。

問9

あ→魏志倭人伝は魏の書物で当時の日本について記されているので正しい選択肢です。

い→パスパ文字は元で用いられた文字であり、フビライと別の民族や集団ではないので誤りです。

したがって正解は①です。

 

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第2問

問1

ア→問題文に「ナポレオンの侵略」とあるのでここにはフランスが入ります。

イ→スペイン継承戦争の講和条約であるユトレヒト条約により、スペインはジブラルタルをイギリスに割譲しているのでここにはイギリスが入ります。

したがって正解は③です。

問2

スペイン最後の植民地とアメリカに奪われたことから、正解はアメリカ=スペイン戦争でアメリカ領となったフィリピンであると考えられます。したがって正解は③となります。

問3

冷戦期にソ連がミサイル基地を建設しようとしたのはキューバです。

①キューバは北大西洋条約機構には参加していないのでこの選択肢は誤りです。

②バティスタ政権が打倒されたのはキューバなので正解です。

③フランスから黒人共和国として独立したのはハイチやドミニカ共和国などであるのでこの選択肢は誤りです。

④ナセルがクーデタを起こしたのはエジプトなのでこの選択肢は誤りです。

問4

文章に記されているマクラミン首相はイギリスの首相なので交渉相手はイギリスとなります。また、キューバ危機の後に結ばれたのは部分的核実験禁止条約なので条約の内容も部分的なものになります。したがって正解は④になります。

問5

①1969年に中ソ国境紛争起きているため、この選択肢が正解です。

②ソ連はサンフランシスコ平和条約には調印していないのでこの選択肢は誤りです。

③クウェートに侵攻したのはイラクなのでこの選択肢は誤りです。

④アラスカはロシアからアメリカが購入したのでこの選択肢は誤りです。

 

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第3問

問1

コシュートは1848年革命に参加しているので19世紀の出来事を選べばよいということになります。

①ロシアの立憲民主党が臨時政府を樹立したのがロシア革命中の20世紀の出来事なのでこの選択肢は誤りです。

②オスマン帝国で青年トルコ革命が起きたのも20世紀の出来事なのでこの選択肢は誤りです。

③ドイツでフランクフルト国民議会が行われたのは19世紀なのでこの選択肢が正解です。

④ディズレーリが失脚したのはオーストリアではなくイギリスなのでこの選択肢は誤りです。

問2

エジプトの民族運動に参加し、セイロン島に流されたのはウラービーです。エジプト総督に就任したのはムハンマド=アリーであることが分かれば、スローガンを掲げたのはウラービーであると考えられます。その際に鎮圧したのは英仏両国であることから、正解の選択肢は④になります。

問3

ウ→日本に有利な条約と書かれているので、正解は日朝修好条規です。日清修好条規は日本と清の対等な条約です。

エ→正解は不平等条約の改正です。日本が南樺太を獲得したのは日露戦争後のポーツマス条約です。日露戦争が20世紀初頭であることが分かっていれば答えやすかった問題です。

したがって正解は②になります。

問4

この問題は消去法で解くことも考えましょう。

①マラッカ王国は14~16世紀の国なのでこの選択肢は誤りです。

②ヴィクトリア女王がインド皇帝に即位したのは19世紀末の出来事なのでこの選択肢は誤りです。

③この選択肢が正解です。明末からトウモロコシやサツマイモの栽培が普及し人口が増加します。

④表より、当時のヨーロッパの人口はインドよりも少ないのでこの選択肢は誤りです。

問5

文章から1850年の日本は、面積は東南アジアの11分の1なのにもかかわらず人口は1000万人程度の差なので人口密度は日本のほうが高いと考えられます。ドイツがフランスに侵攻したのは1940年5月、日本が仏領インドシナに進駐したのは1940年9月なので誤りです。したがって正解は②となります。

問6

オーストラリアの先住民族はアボリジニー、ニュージーランドの先住民族はマオリ族なので正解は④です。

問7

2人のメモは文章の内容をまとめたものとして正しいので正解は③になります。

問8

①オーストラリアが白豪主義を廃止したのは1970年代なのでこの選択肢は誤りです。

②カメハメハ王国はアメリカに併合されたのでこの選択肢は誤りです。

③クックはオセアニア州を探検した人物なのでこの選択肢は正解です。

④イギリスはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの順で自治領としたのでこの選択肢は誤りです。

 

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第4問

問1

スペイン内戦が起きたのが1936年なので、それ以前の数年間について書かれた選択肢を選べばよいことになります。

①ノモンハン事件が起きたのは1939年です。

②満州国建国を宣言したのは1932年です。

③台湾を獲得したのは日清戦争後の下関条約なので1895年です。

④真珠湾攻撃は1941年です。

したがって正解は②になります。

問2

ヒトラーの政敵となるのはドイツの政党であるにもかかわらず、第一インターナショナルはイギリスの組織であるため消去法で共産党になります。また、九か国条約は中国の領土保全に関する条約のためアフリカのエチオピアとは無関係と考えられます。したがって正解は①です。

問3

W→日本が共産主義運動に対抗したことは正しいのでこの選択肢は正解です。

X→日本が国民社会主義を標榜したことは誤りです。

Y→実際第二次大戦中、日本の首相は短期間で変わっており政党指導者の独裁が行われていたとは言えないのでこの選択肢は正解です。

Z→日本は東南アジアや中国に侵攻しており、軍事力による支配権拡大が行われていたのでこの選択肢は誤りです。

したがって正解は①になります。

問4

アに当てはまる人物はツァーリを名乗り、雷帝と呼ばれたイヴァン4世です。

①ステンカ=ラージンの乱は1670年~なのでイヴァン4世の治世ではないのでこの選択肢は誤りです。

②ギリシア正教に改宗したのはキエフ公国のウラディミル1世なのでこの選択肢は誤りです。

③イヴァン3世がキプチャク=ハン国から独立したのでこの選択肢は誤りです。

④イェルマークがシベリア遠征を行ったのはイヴァン4世の治世なのでこの選択肢が正解です。

問5

イに当てはまる明の建国者は洪武帝です。洪武帝が始めた税制は賦役黄冊と魚鱗図冊なので正解はいになります。一条便法を始めたのは万暦帝です。

X→ザミンダーリー制は地主から徴税を行いました。農民から直接徴税するのはライヤットワーリー制です。

Y→この選択肢は正しいです。騎士は属州の徴税権を得ました。

Z→印紙法に反対した民衆は「代表なくして課税なし」と主張し反乱を起こした結果、撤回されました。

したがって正解は⑤です。

問6

①世界恐慌が起きたのは1929年なので問われている期間に当てはまりません。そのためこの選択肢は誤りです。

②この選択肢が正解です。1939年に独ソ不可侵条約が締結されたため影響を受けたと考えられます。

③コメコンが結成されたのは1949年なのでこの選択肢は誤りです。

④十月革命が起きたのは1917年なので問われている期間に当てはまりません。そのためこの選択肢は誤りです。

 

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第5問

問1

800年にローマ皇帝になったのはカール大帝です。

①フン人はゲルマン人を圧迫しゲルマン人の大移動の原因となった民族なのでこの選択肢は誤りです。

②イングランド王国は18世紀まで存続したのでこの選択肢は誤りです。

③カール大帝はアルクィンを宮廷に招きカロリング=ルネサンスの道を開いたのでこの選択肢が正解になります。

④アタナシウス派キリスト教に改宗したフランク王はクローヴィスなのでこの選択肢は誤りです。

問2

イ→イギリス王ジョンと戦い大陸領土を奪ったのはフィリップ2世です。ユーグ=カペーはカペー朝の建国者です。

ロ→問題文よりメロヴィング朝とカロリング朝の人物が入ると考えられるので正解はピピンです。ロロはノルマン人なのでこの空欄には当てはまりません。

したがって正解は②です。

問3

フィリップ2世からルイ9世の治世に起きた出来事を選びます。

①アナ―ニ事件はフィリップ4世の治世での出来事なのでこの選択肢は誤りです。

②ジャックリーの乱はヴァロワ朝での出来事なのでこの選択肢は誤りです。

③アルビジョワ十字軍はフィリップ2世の治世の出来事なのでこの選択肢が正解です。

④トリエント公会議が開かれたのもヴァロワ朝での出来事なのでこの選択肢は誤りです。

問4

①19世紀末に中国系移民の制限が撤廃されたのではなく禁止されたのでこの選択肢は誤りです。

②興中会は孫文がハワイで結成した組織なのでこの選択肢は誤りです。

③明や清の時代は海禁政策が行われていたのでこの選択肢が正解です。

④マレーシアはマレー人の優遇政策を行ったのでこの選択肢は誤りです。

問5

乾隆帝は新疆を征服したので新疆の正しい位置を示しているbが正解です。したがって正解は②になります。

問6

オ→山西商人の活動が活発化したのは明代なので、いが正解です。

カ→明代には会館や公所が設けられ、商業活動が活発化したので正解はXです。

したがって正解は③になります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。消去法で解答すべき難問も数問ありましたが、ほとんど世界史の基礎的な知識から出題されています。世界史の共通テストの鍵は弱点をなくすことです。欧米や中国だけではなく、アジアや南米、アフリカまでスキのない学習を心がけましょう。

 

 

 

 

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