センター試験まで残り一か月を切りましたね。
受験生の皆さんはセンター試験の過去問や予想問題を解くことが多くなっているとも思います。
センター試験のような時間に追われることが多いような試験では、できるだけ短い時間で問題の概要をつかみ、正しい答えを導き出すことが必要になってきます。
そのために、得意な分野や不得意な分野を考慮して、問題を解く順番を変えることで少しでも高い点数を取ろうとする生徒は少なくありません。
そういった工夫は、模試や過去問を解いていく中で自分なりのものを確立していくのが普通です。
しかし、時間に追われることが事前にわかっており、どんな問題が出てくるのかわからないという緊張感の中で、模試や過去問と同じような結果を本番でも出せるのでしょうか?
事実、不安や緊張感は能力やパフォーマンスに対してマイナスな影響を及ぼしてしまいます。(適度な緊張感はプラスに作用することもあります)
つまり、不安感や緊張感を抱えた状態で模試や過去問と変わらない成績を残すのは困難なのです。
では、どのようすれば不安や緊張を軽減できるのでしょうか?
今回は少しの工夫で不安感や緊張感を和らげ、正しい判断力を高めるスキミングという方法を紹介します。
スキミングの効果を示す実験
とある大学の実験でこういったものがありました。
それは、
【子供たちに10分間の算数のテストを解かせる。ただし、一問あたり3分間しか取り組んではいけない。高い成績を取ったものにのみ景品を与え、成績が良くなかったものには景品は与えない。】
といったものです。
この実験の特徴は、大勢の子供たちを、AとBの2つのグループに分け、AとBで条件に差を設けたことです。
Aのグループには10分間で行ってもらうはずのテストを11分使って解くことを認めました。
一方Bグループも1分多くもらったのですが、彼らは最初の1分は問題に手を付けることは認められず、問題をざっと見ることのみが認められました。この、「最初に内容をざっと確認すること」をスキミングといいます。
多くの実験者はAのグループの子供たちの方がより良い成績を取ると予想しましたが、結果は逆でした。
Bのグループの子供たちの方がはるかに良い成績を残したのです。
何が起こったのかを調べたところ、スキミングをした子供たちにはそうでない子供たちに比べて不安感や緊張感が少なく、より自信をもって問題に取り組むことができていたそうです。
このことが問題を解くときの判断力や思考力を高めていたのです。 このスキミングは、宿題を取り掛かるときにも十分に有効なものです。
センター試験への活用
紹介した実験で行われた1問3分で問題を解かさながらより良い成績を求められたテストは、時間に追われて解きながらより良い成績を残さなければならないセンター試験とよく似ています。
なので、センター試験でも最初から問題に取り掛かるのではなく、スキミングをしてから問題に取り掛かると、落ち着いていつも通りの力を出しやすくなります。
過去問や模試で試したうえで本番でもスキミングを使ってみてくださいね。