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今回は「日東駒専の志願者数の推移」についてお話ししていきます。
日東駒専の志願者が増えた？
センター試験最後の年を迎えて、共通テストの話題も上がっていた中で、英語においては平均点が6.99点、･数学ⅠAにおいては平均点が7.8点下がっていることもあり、難化傾向で幕閉めとなりました。特に数学ⅠAについては、問題量･計算量ともに前年とほぼ同等であったものの、新傾向の問題が多く出題されていたため、数学を苦手とする層の得点ダウンが大きく影響しているという分析もされています。その一方で、地理Bは4.32点、物理は3.74点、倫理は3.12点と平均点が上がっています。中でも公民は平成31年度で、「倫理･政経」64.22点と「政経」56.24点の差7.98点から、令和2年度で「倫理･政経」66.51点と「政経」53.75点の差12.76点と大きくなった結果となりましたが、点数調整は行わないとの発表もございましたね。
そして今年は全体的に安全志向が強まった影響で、早慶上理もしくはMARCHから流れて「日東駒専の志願者数が増えている」という話をニュースなどでよく耳にします。今回はこの話の真偽を実際に検証していきたいと思います。
志願者数が増えた大学は日大のみ！
日東駒専は、既にご存知の方も多いとは思いますが、
「日」・・・日本大学
「東」・・・東洋大学
「駒」・・・駒澤大学
「専」・・・専修大学 ですよね！
結論から先に申しますと、日東駒専の志願者数の増減は大学ごとで違っています。日本大学では、商学部･芸術学部･歯学部以外の学部において志願者数が前年度よりも多くなっています。東洋大学では、昨年度よりも約2万人ほど減少しており、専修大学では、全体を通して約2千人減少しております。専修大学においては、センター利用者が約6千人減少しているにも関わらず、大桷独自の個別試験は約4千人増えていることに驚きです。結果として約2千人の減少ということになっております。最後に駒澤大学ですが、こちらも志願者数は前年度より減少しています。駒澤大学は、日東駒専の中でも地方受験の実施場所･回数が少ないこともあり、志願者数は減少傾向にあるという可能性も無視できないですね。
しかし、実際問題として、皆さんご存じの2018年5月6日の日大アメフト部問題もあったことで志願者も減少しておりましたが、その問題が起こる前の志願者数に戻ってきたという数にすぎません。したがって、「安全志向によって日東駒専の志願者数が増えた」ということには繋がりません。ただ、もともと日東駒専を志願していた人達も「安全志向」に走って、さらにランクを落として受験校を決定したことがうかがえます。偏差値50台のMARCH志願者が減り、偏差値40台の日東駒専志願者が減っているようです。これは、関関同立や産近甲龍も同様。つまり、志願者数はさほど増えていないが、各大学の受験生のレベルが上がっているという結果ということなので、受験生全体を通して「安全志向」に走っているということになります。要するに、「志願者数は増えていないが、各大学における受験生のレベルが上がった」ということになります。
なぜ安全志向というワードが出てきたのか？
●私立大学の定員管理の厳格化
こちらは2016年度から進められてきたが、年々管理が厳しくなってきていたため、人気大学の競争が激化しました。
●入試制度改革のタイミングで浪人を回避
今年でセンター試験が終わって、来年から共通テストへ切り替わるため、そのタイミングで浪人は避けたいと考える受験生は多いでしょう。そこで、確実に受かりそうな大学を受験する人も出てくるはずです。挑戦しない受験生が昨年以上に増えた様子がうかがえますね。
来年の受験生はどうする？
やはり浪人したくないという不安から志望校を下げていく受験生は今後も増えていくことが予想されますが、受験生全体がランクを落とす傾向にあるため、逆に難易度の高い大学は狙い目とも考えることができます。受験はその先の未来を大きく左右するイベントの一つですが、行きたい大学に行くということが大きな財産にもなるので、やはり第1志望の大学は維持するべきです。他の受験生の動向に意識を取られすぎても意味はないので、直近3年ほどの合格最低点を見て、出願するかしないかを検討してみるのも良いでしょう。
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