みなさんこんにちは!
武田塾武蔵小山校の増田です!
今回は、「日本の学校で勉強している英語や受験英語って、結局使えるの?」というテーマについてお話ししていきます!
そもそも、なんで学校の授業に英語があるの?
どうして入学試験に英語という科目があるの?
学校で勉強した英語って、英語圏でネイティブに通用するの?
なんて、考えたことがある人も多いかと思います。
みなさんはどう思いますか?
このブログを読んでから受験相談に来てくれた人は、その際に「今」思っていたことを教えてくださいね!
そしてこのブログでは受験で役に立つ(かもしれない)英語クイズを盛り込んでいますので、そこだけでもチャレンジしてみてくれたら嬉しいです!
それではいってみよう! Let’s get into it!
日本の学校教育で学ぶ英語ってどうやって決まっているの?
学習指導要領
いきなりですが、みなさんは文部科学省が定めている「学習指導要領」って見たことありますか?
学習指導要領はおよそ10年に一度改定されており、現在のものは2018年に改定されたものです。
この学習指導要領は学校教育における指導科目すべてのものがあり、もちろん英語(外国語)も例外なく作成されています。
基本的にすべての幼稚園~高等学校までの学校はこの学習指導要領をもとに教育や授業が行われます。
これが日本の英語教育を決めている大きな指針なのです。
英語(外国語)一つだけで232ページにも及ぶ指導要領が練られており、指導要領の中では英語の5技能(聞く・読む・話す[やり取り]・話す[発表]・書く)の到達目標や内容、授業内での活動や支援についてのことが書かれており、かなり充実しています。
英語クイズ1
幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学・大学院
すべて英語で言えますか??
学校教育が変わるまで
学習指導要領が新たに定められたからといって、直ちに学校の授業が変わるわけではありません。
学習指導要領が定められると、出版社が指導要領をもとに学校教育の専門家、教科の専門家などを交えながら教科書を作成します。
その完成したいくつもの教科書の中から、実際に学校現場の教諭たちが内容や構成、使い方などを吟味し、その学校で採択する教科書を決定していきます。
決定したら学校で仕入れをして、4月に新学年となった生徒たちに配布をしていき、実際の授業で使われます。
指導要領が改定されてから、実際の学校現場の授業が変わるまでには2~3年かかります。
そして、学年によっては段階的にカリキュラムを変えていかなければ学習していない空白の部分が生まれてしまうので、そうなるとさらに数年を要します。
学校の先生たちが新学習指導要領に則った授業ができるようになるまでの期間を考えるとさらに時間を要するかもしれません。
学校で学習する英語の量
学習時間
みなさんは学校で学習する英語の時間をご存知ですか?
現在は小学3年生から外国語活動、小学5年生から教科として外国語の授業が入っています。
中学校で定められている英語の授業時間は3年間で約350時間
高等学校では学校ごとに履修させる英語の科目数を選べるので一概には言えませんが、多い方の高校でも3年間で約495時間という計算になります。(実はまだ増やせますが、、)
中学校と高校の授業で学習する英語の総時間は約845時間ということになりますね。
小学校では3~6年生の間に210時間の英語の時間があるので合わせると1055時間に及びます。
この時間を聞いてみなさんはどう感じますか?
英語クイズ2
英語で読むとどうなりますか?
10+5=15
10-5=5
115×3=345
495÷3=165
単語量
一番わかりやすい指標としてまず語彙数で見ていくことにしましょう。
みなさんは小学校・中学校・高等学校でどれくらいの英単語を学習すると思いますか?
学習指導要領の通りで考えるとすると、
小学校・・・600~700単語
中学校・・・1600~1800単語
高等学校・・・1800~2500単語
以上が学校で学習することになっている語彙数です。
小学校~高校卒業までで4000~5000の語彙を目にすることになります。
「いやいや、小学校でそんなに単語をやった覚えはないよ!?」という方は、3400~4300単語を中学校に入ってから高校卒業までに学習することになります。
文法量
次に、文法項目で見ていきましょう。
中学校に入って本格的に文法も含めた英語学習が始まりますが、その内容はかなり充実しており、学習指導要領通りの授業内容が実施されていれば、その文法を使って先述の5技能において使いこなすことができるようになるはずです。
例えば中学校では、、
My dog can run faster than that lion sleeping in a cage.
(うちのワンちゃんは檻の中で寝ているあんなライオンなんかより速く走れるわ。)
Guess what! He gave his mother carnations for Mother’s Day last year, but he didn’t this year!
(ねえ、聞いて?彼昨年は母の日にカーネーションをプレゼントしたのに、今年はあげなかったんだって!)
これくらいのことは十分に言える文法事項が詰まっています。
人称代名詞(IとかYouとか)からはじまり、be動詞・一般動詞・5文型・時制・助動詞、・接続詞・疑問詞・比較・分詞・関係代名詞などなど、基本的な会話はこなせてしまうレベルです。
高校英語になるとどうでしょうか?
A friend of mine has always been recommending me that I visit Vancouver since he made a trip there 2 years ago. That city may be nice and beautiful, but, you know, it’s super expensive to fly to Canada, right? Well, I would definitely do that if I had a little more time and money.
(友達が2年前にバンクーバー旅行から帰ってきてからずーっと俺も行け行けって、もううんざりやねんけど。確かにバンクーバーはきれいな街やけど、ほら、カナダまでの飛行機代めちゃくちゃ高いやろ?俺かてもうちょっと時間と金があれば行くに決まってるわぁ。)
このようなかんじで、中学校で学習した不定詞・助動詞・動詞の活用などをさらに深掘りし、文法の組み合わせも使って表現できるようになります。
また中学校ではカバーしきれなかった関係副詞や仮定法なども追加で学習します。
上の日本語訳は教科書に載っているものとはちょっと違った日本語に見えるかもしれませんが、このように細かなニュアンスまで伝えられる文法が盛りだくさんなのが高校で学習する英文法なのです。
高校までで学習する文法を完璧にしてしまえば、ニュースを聞く、洋書を読む、ビジネス文書を書く、プレゼンやディスカッションをするなどなど、まず困ることはないくらいのカバー率になっています。
なんで学校で英語勉強してんの!?→「英語が使える日本人」の育成計画
学校での英語教育が始まったのはなぜ?
日本という国は、歴史的に見てテクノロジーや軍事力が西洋の国と比べて遅れていた時代がありましたよね。
そこで、日本の技術的遅れを取り戻すために、外国の文献を読んだり、直接学びに行ったりする必要が出てきました。
そのためには英語が不可欠ということで、多くの人に広く英語教育をしようとしたことが国としての英語学習の始まりです。
今となっては、日本の技術は世界トップレベルを誇りますが、その技術を通して世界の国々がより近い時代だからこそ英語が必要という時代になりました。
そして近い将来、日本・世界はどうなりますか?
世界の人口は増えていますか?減っていますか?
日本の人口は増えていますか?減っていますか?
その分、日本の労働力はどこから補いますか?
考えてみれば日本という土地に、外国人の割合がどんどん増えていくことはみなさんにも簡単に想像できるかと思います。
それを鑑みて「英語が使える日本人」を国は育成するため、学校には英語という科目が残り続け、入試には英語があるのです。
大学入試においては、世界と肩を並べるレベルで学問に励むため、研究をするためにはこれくらいの英語はできてほしいというメッセージです。
国が定める「英語が使える日本人」の育成目安
文部科学省が定めている「英語が使える日本人」の育成計画では、
中学卒業時点で英検®3級程度(CEFR A1レベル)
高校卒業時点で英検®準2級~2級程度(CEFR A2~B1レベル)
英語教諭は英検®準1級・TOEFL®iBT79・TOEIC®L&R730以上の英語力(CEFR B2以上)
これを目標にしていると謳っています。
この目標は、読む・聞く・書く・話すのうちどれかが突出してできる、どれかが著しくできないということではダメなのです。
すべての技能がバランスよく身についていて初めて「英語が使える」といえる状態になります。
ちょうどそれら4技能を測ってくれる試験が英検®なので、文部科学省は英検®を目安に表現をしていますね。
↓CEFRってなに?
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf
受験で必要な英語力に言い換えれば、英検®2級を余裕合格できる。
難関大学を目指すなら英検®準1級を余裕合格できるくらいの力を付けておくことが望ましいです。
英語クイズ3
「目安」は英語で?
学校英語・受験英語の実用性
もちろん研究もされている
「学校で学習する英単語のうちどれだけのものが実際に使用されているのか」という研究があります。
研究方法はこうです。
①中学校・高等学校で使用する教科書数種類に掲載されているすべての語彙を洗い出し、語彙数を測る。
②発話時に使われた英単語をニュース・ラジオ・映画などからすべて洗い出し語彙数を測る。
③書かれた英語(読み物)に用いられている英語を雑誌・新聞・小説などからすべて洗い出し、語彙数を測る。
④ ②と③でネイティブ英語話者によって使用された語彙のうち、①でどれだけのものがカバーできているかを数える。
さて、みなさん予想してみてください。
英語を母国語とする人たちが使用している英語のうち、何%の単語が中高の教科書に出ているでしょうか?
結果はこちらです。
まず、発話によって使用された英単語は、
ニュース・・・約88%
ラジオ・・・約89%
映画・・・約91%
この結果は数種類の教科書の平均を取った数値ですが、かなりカバーされていると私は思いました。
ちなみに映画はあの有名な「タイタニック」を研究対象としたようです。
次に、読まれることを目的として書かれたものの結果はこちらです。
雑誌・・・約80%
新聞・・・約88%
小説・・・約90%
雑誌は、おそらく世界で一番有名なTIMEを調査しています。
小説は「ハリーポッター」です。
単語数で考えると、高校卒業時までに学習するもので、さまざまなメディアから十分に情報を得ることができるレベルのものを習得することができるという結果と言えそうですね!
実際の肌感覚は?
海外旅行をしたり、留学に行ったり、仕事で外国人に対して英語を使ったりと、英語を使う場面はみなさんにも簡単に想像できるのではないかと思います。
私は海外旅行でも留学でも仕事でも英語を使った経験がありますが、共通して言えることは、「高校生までの英語を使いこなせれば、困ることはない」です。
高校卒業までに学習する英語をあなどって「どうせネイティブはこんな英語つかわないでしょ?」とか「ネイティブって文法めちゃくちゃっていうじゃん?」なんて考えは今ここで捨てましょう。
先ほど紹介した研究結果からも分かるように、高校で勉強する英語でも90%近く実際に使われているものをカバーしています。
そしてネイティブ英語話者の文法はめちゃくちゃではありません。
発せられた英語を書き起こして、はじめからピリオドまで正しい文であるかと言われれば必ずしもそうではありません。しかし、それは言い換えたり、言い直しているだけのことで、語順や動詞の活用が間違っていたり、接続詞が変なんてことはまずありません。
レポートやエッセイなどを書かせると、正しい書き方ができていなかったり、表現がおかしかったりすることはありますが、それは日本語のネイティブである私たちだって、完璧にできる人は少ないということと同じです。
ただ、方言やトレンドの言葉、中学生・高校生という年代の人にとってなかなか出会うことのない言葉は、教科書にも出てきません。そのような話題の会話を繰り広げようと思うと、必要な語彙力や表現力を追加する必要はあります。
例えばこれ英語で言えますか?
今流行りの「仮想通貨」
記憶を司ると言われる脳の部位「海馬」
上衣とスカートが一体となっている衣類の「ワンピース」
小学生ならみんな知っているであろう「分度器」
これらのような日本の高校ではあまり触れることのないような、経済や心理などの分野の話、ファッション用語、子どもには身近だが大人になるとあまり使わない単語などには困るかもしれません。
ちなみに上から順番に、
“cryptocurrency”
“a hippocampus”
“a (one-piece) dress”
“a protractor”
ただ、こういったものは出会ったときに覚えてしまえばいいのであって、これらの用語よりもそれ以外の部分を理解したり、自分で産出したりすることができれば十分コミュニケーションは取ることができます。
ただし、人間と人間のコミュニケーションなので、「気持ち」が伝わる英語として自分に吸収させようと心がけながら英語学習に取り組んでください。
最低限伝わる発音ができることも大事です。
分かりやすいもので言えば感情を表す単語を覚えるときは、ただ字面と日本語訳で覚えるのではなく、感情を乗せて発音しながら覚えていくようにしましょう。
いざ使うとなったときに、自然と表現できれば受験英語も使える英語として出てきます。
英語クイズ4
以下は、感情が含まれる文です。
どんな意味でしょう?知らなかった人はこの機会に覚えてね!さあ、感情を込めて発音しながら覚えましょう!
You look gloomy.
Oh, I’m flattered!
まとめと英語クイズの答え
少しボリュームが多かったかと思いますが、なにか皆さんにとって新たな情報はありましたか?
日本の学校で英語を学習しているのは、すべて文部科学省が決めた学習指導要領に則って行われているからです。
そしてこの指導要領はかなり練りこまれたもので、完璧にこなしていけば、本来は相当な使える英語が身に着くようになっています。
学校英語・受験英語なんてどうせ使えないなんてことは全くないはずですが、学習の仕方を間違うと本当に使えない英語になってしまうので、そこはみなさんで注意するようにしなければなりません。
この表現は、「自分の身の回りだったらどんな時に使えるだろう?」「これってどうやって発音すればいいんだろ?」と常に考え練習をすることを忘れないようにしてくださいね!
英語学習でお困りのことがあれば、武田塾に来て私に相談してくださいね!
Bye for now!
英語クイズの答え
1→幼稚園 kindergarten / preschool 小学校 elementary school
中学校 junior high school 高校 high school
大学 university / college 大学院 graduate school
2→10+5=15 ten plus five is fifteen
10-5=5 ten minus five is five
115×3=345 a hundred and fifteen times three is three hundred and forty-five
495÷3=165 four ninety-five divided by three is one sixty-five
100以上の数はいろいろな言い方があるので、言いやすいものでOKです。
3→「目安」は英語で?
基準・規準という意味も含む「目安」は“criterion” ※発音注意
4→You look gloomy. (浮かない顔しているね。)←相手を心配しながらの言葉
Oh, I’m flattered! (もう、やめてよ(照))←誉め言葉を言われたときに使います
“gloomy”, “be flattered”はともにシス単に掲載されている語句で日本語訳だけ見ると、「暗い」とか「うれしい」などと載っています。
“dark”, “happy”でええやん!ではなく、使われる場面を考えるともっと適した日本語があることに気づけるかと思います。