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意外と知らない教職資格の注意点

大学で取得する教職資格の注意点

大学へ進学する理由は人それぞれですが、その中で大きなウェイトを占めるのが就職。そのために、重要なのは資格の取得です。大学に入ったらこんな資格を取っておきたい、と考えている方は少なくないでしょう。

ただし、大学によって、または学部学科によって、取得できる資格が制限されている場合があります。入ったあとになって、「資格取れないじゃん!」とならないように、どんな資格を取得できるかを考えて大学を選ぶのも大切です。

 そして、数ある資格の中でも、大学と関連するものではもっとも代表的なものが教員免許。今回は教員免許についてお話します。

 

大抵どこの大学でも、教員免許の資格過程は用意されていますが、気を付けるべき点が多いのもこの資格。以下の三点に別けて解説していきます。

 

 ・小中高のどの先生になりたいか? どの科目を教えたいか?

 ・教員免許を取得する人の割合、難易度は?

 ・就職で役に立つの?

 

 

小中高のどの先生になりたいか? どの科目を教えたいか?

 

 大学の学部学科よって、取得できる教員免許の指導可能科目が制限されます。これは入学前にも予想がつくことと思われます。

ところが、案外知られていないのが、小学校の教員免許を取得できる学部は非常に限られていること。

 文部科学省が取得可能な大学を公開していますが、これによると、早慶上GMARCHのうちで、小学校の教員免許が取れるのは、

 

・青山学院大学 教育人間科学部 教育学科

・学習院大学 文学部 教育学科

・立教大学 文学部 教育学科 初等教育専攻

・早稲田大学 教育学部 教育学科 初等教育学専攻

 

 文科省のデータを見る限りでは、上記四大学のみ。

 しかも、どの学部でも、ということはなく、学部ないし学科で教育学を専攻する必要があります

 

 ちなみにですが、関西だとちょっと事情が異なる様子。

 関関同立では、同志社大学のみ小学校の教員免許の取得できるコースがなく(ただし、同志社女子にはあるようです)、関西大学、関西学院大学、立命館大学では小学校の教職課程があるようです。

 ただし、関東は國學院大學や明治学院大学のようにMARCHに次ぐ大学でも初等教育専門のコースがありますが、文科省のデータを見る限りでは、産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷)では小学校の免許は取得できないようです。

 

 中高の先生になりたい場合は、自分の専攻に合った科目の免許を取得するだけになりあますが、もし小学校で教えたいと考えている場合には、大学から考えておく必要があります。

 

参考 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287044.htm

 

 

教員免許を取得する人の割合、難易度は?

 

 大学や学部によるので正確なデータはわかりませんが、私が大学入学後、教職課程のガイダンスで聞いたところによれば、「教職課程を履修した学生の半数程度しか、実際に教員免許を取得しない」とのこと。

 そんなに取得難易度が高いのか、というと、実はそういうわけでもありません。教職課程の必要単位を修めれば良いので、基本的には授業に出席してテストで赤点を取らなければなんとかなります。

 では、何が問題なのかというと。

1,必要単位が結構多い

 四年生大学の学士課程で習得する一種免許は、67単位が必要です。教育実習を除いても3年まで、学年ごとにざっくり20単位を取る必要があります。通常大学では半期一つの授業で2単位になるので、年間で10コマ、半期で5コマ授業が増えます。大学の授業時間は90-100分なので、週5日通学すれば、毎日この時間の授業が増えることになります。

 これが結構負担なので、そもそも諦める人、やってみたけどやめる人が一定数います。

 そして、履修を続けた人にも、まだ困難が待っています。それが次の2つめ。

参考 https://www.dnc.ac.jp/sp/center/faq.html

 

2,就活

 教職採用試験の結果がわかるのは夏ごろなので、普通の学生は就活が終わっている時期です。企業側も人不足でない業界・企業はすでに採用活動を終了しています。

 職職しか考えていない、という人は四年生になっても教職に絞ることもできますが、教職採用試験の倍率は高いので、結局多くの人が普通に就活をして、内定をもらってから教職採用の結果を待つことになります。

 しかし、三年から教職課程と並行して就活準備を始め、四年では教育実習を行いながら就活をすることになります。

 この両立ができず、結局教職を諦めて就活のみに切り替える、という場合も結構あります。

 

 上記のことからわかる通り、教職資格は「とりあえず取っとこう」と言えるほど楽な資格ではないので、先生になりたいのか、単に「教職あったほうがいいかな」くらいなのかは考えておいたほうがいいでしょう。

 

教員免許は就職では役に立つの?

 

「とりあえず教職課程やってみるか」

 という人が思いがちなのが、「役に立ちそう」「潰しが効きそう」ということですが、おそらく自動車免許のほうがはるかに役に立ちます

 教員免許はあくまで公教育機関で教師職に就くために必要な資格であり、採用活動をしている企業側からは「専門性のない資格」でしかありません。

でも、教育業界なら就職の役に立つのでは

 と思うかもしれませんが、教育業に関わっている人間からすると、「教職課程修了したんですね。大変でしたねー」くらいのもの。教育繋がりとはいっても私企業の現場で必要なノウハウとは無関係な資格なので、本当にそれだけ。

 むしろ、教職課程を履修しているということは、教職採用されれば内定辞退の可能性が高いので、表に出さないほうが良い可能性も。または、教職課程を受けているが、「公教育ではない形で関わりたい」という動機が必要になります。

 

 大学別の教員採用数について

 

 大学に入ってから、「先生になるのもいいかな」と思って教職課程を履修する方が少なくない一方で、大学進学前から「学校の先生になりたい!」と志を持っている方も多くいます。

 もちろん、採用されるかどうかは努力次第ですが、実績として、どんな大学から採用されやすいのでしょうか。

 東洋経済の記事(参考 https://toyokeizai.net/articles/-/153493?page=4)によると、他の就職情報に比べて圧倒的に目立つのが地方国公立大学。

 私企業への就職を考えると、関東や関西、首都圏に集まりがちですが、公務員やそれに近い仕事は地方でも働き口があるため、都心よりも地元での就職を望む人が多いはず。

 また、私立大学の採用者数をみると、大学の入学難易度とはあまり関係がない印象です。上位大学ほど不利になる、なんてことはないはずですが、GMARCHには前述のように教育学部が少ないのが理由の一つかもしれません。

 また、アカデミックな仕事としては。特定の科目を教えたいというよりは、自分の専攻分野をより深く究めるために、大学院に進学する人が多いのかもしれません。

 

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