はじめに
現代文の勉強をするときは何を意識しているでしょうか。入試の国語では現代文の得点の比率が最も大きい大学が多いと思います。実際に国語では
現代文によって他の受験生との差がつきやすいので一つでも多く正答していきたいです。そんななか、未だに現代文をカンで解いてしまっ
ている人は要注意です。また、そのような状態で問題演習を積み重ねてしまうとほとんど効果がないまま、漠然と勉強をしているようなも
のになってしまいます。なので今回は問題演習に本格的に移行する前に本当に現代文の解き方や読み方を理解できているかどうか・問題演習
に本格的に移行できるレベルかどうかということに焦点を当ててお話しさせてもらいます。
評論編
まず入試の現代文で正解を選ぶ方法には客観的なルールや理論的な根拠が必ず存在します。特に評論問題はその特徴が顕著に表れています。評
論の問題を勉強するうえで特に意識しなければならないことは 1様々なテーマがあるため背景知識を身に着けること 2語彙力を鍛えること の二つです。
1については評論の勉強をする上で皆さんも感じていると思います。例えば現代文の主要なテーマとして「化学」「芸術」「文学」「宗教」「社会論」
「哲学」「言語」etc. など少し取り上げただけでも多様なテーマで文章が構成されています。そのような中で入試問題を解くと言う課題が課さ
れるわけなので問題以前に文が読めないとどうしようもないと思います。
なので様々なテーマに対する知識というものは文章読解において非常に重要なカギになってきます。これを身に着けるためにも実践していた
だきたいことは多くの文章を読むということももちろんですが自ら積極的にそのテーマに対することを調べていくということが大切です。背景
知識はあればあるだけ読解において有利になれるので問題を解くごとに調べていくようにしましょう。
2については当たり前のように感じる人もいると思いますが現代文を勉強するうえで欠かせない要素になります。また、ここでいうところの語
彙力は熟語・ことわざなどといった一般的なものに限らず評論文に特有の語を意味します。語彙力があるかどうかで言葉の意味やその使われ
方を知ることができ、文章の理解度の大きな違いが生じます。
この力を身に着けるには現代文の語彙が収録された参考書を勉強するほか、一題一題の問題を解きながら分からない言葉は逐一調べていく必
要があります。意外とこの作業を怠っている人が多く、実際に模試や入試に出されたときに語彙力不足で文章が読み取れないといった人がか
なりいます。なので語彙力を身に着けるという作業は必ず行うようにしましょう。
小説編
小説問題は人によっては評論問題より難しく感じる・点が取りにくいと感じる人がいると思います。それは小説問題を苦手とする多くの原因として登
場人物の気持ちを正しく読み取れていないということが多くあります。ただ、これは正しいやり方を知っていれば文中から必ず読み取れるもので
す。具体的には、1.単に気持ちを想像するのではなく、記号から客観的に判断する 2解答の根拠となるキーワードを見つける と
いうことが大きく挙げられます。
1の記号から判断するとは、例として 〇〇は顔が赤くなったなら「照れor怒り」の感情が読みとれる 〇〇は口角を上げたなら「喜び」の感情が読
み取れる などの具体的に人物の心情が表れている言葉を見つけ、主観的な想像に任せるのではなく客観的に文章に基づいて判断する
ということです。
なので心情の問題をいつも間違えてしまっている人はこの客観的に判断することが出来ておらず、自分の想像で判断してしまっている人が多い傾
向にあります。
2は評論問題でも言えることですが、小説問題によく出る置き換えの問題に言うことが出来ます。置き換えの問題とは選択肢には文中の言葉がそのま
ま出てきてるのではなく、同一のことを言っているものを選べという問題です。このような問題は選択肢と本文を照らし合わせて、キーワードを
見つけ、同じことを言っている文を見つけ出すことが重要です。全く違うことを言っているような選択肢でさえキーワードを見つけれ
ば置き換えることが出来るといったものが小説の問題では多いので気を付けるようにしましょう。
おわりに
国語は現代文も評論も客観的なルールに基づいて答えを出すことが出来ます。いままでカンや偶然で問題を解いてしまっていた人はこれを機会
に正しく国語を解くルールを覚え、これからの問題演習や過去問演習に活かせるようにしていきましょう。次回は国語の問題演習や過去問演習をする上
で意識したいことや注意したいことなどをアドバイスさせていただきます。
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