こんにちは!武田塾小牧校の講師Sです。
前回(8/3)に引き続き、7月の暑さの変化に注目した内容を書きたいと思います。前回は、2018年7月と2019年7月の最高気温・最低気温を比較し、また20年間(1998年~2017年)の気温も比較し、今年の7月が涼しかったことをデータで示しました。
詳しいデータは前回のブログをご覧ください!(⇒こちら)
今回は前回予告したとおり、今年(2019年)の7月がなぜ涼しかったのか、について理由を考察していきたいと思います。考察といっても、そもそもこのテーマで書こうと思ったのは、”ある現象が起きているから涼しいらしい”ということをニュースで知ったことがきっかけだったので、ある程度書くことは決まっちゃっています(笑)
さて、今年7月に起きていたらしいという”ある現象”について書いていきます。
今年の7月は、エルニーニョ現象があったから涼しかった??
この現象、聴いたことはありますか?? どんな現象か説明していきますね。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線から南米沿岸にかけて海面水温平年よりも高くなる現象を指します。
いまいちイメージがつきにくいと思うので、〈図1〉を見てください。
〈図1〉
赤いほど平年より温度が高く、青いほど平年より温度が低いことを示しています。
左上に小さく日本が書かれているのが見えますね。
こんなに遠くで起きていることが、どうして日本に影響をもたらすのでしょうか??
これには風の強さとそれに伴う海水の移動が影響しています。
平常時:
太平洋の熱帯域では、貿易風と呼ばれる東風が常に吹いており、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられています。これにより、太平洋の西側では海面水温が高くなり積乱雲が発生します。〈図2〉
〈図2〉
エルニーニョ現象時:
東風が平常時よりも弱くなり、太平洋西側に溜まっていた暖かい海水が東側へ広がります。このため、太平洋西側では平常時と比べて、相対的に海水温が低くなります。このため、太平洋の西側における積乱雲の発生が抑えられます。〈図3〉
〈図3〉
このために、エルニーニョ現象が起こっている際には、太平洋西側に存在する日本は例年に比べ気温が低くなります。
梅雨明けの時期の違いも原因??
もう一つの理由として、梅雨明けの時期の違いが挙げられます。
梅雨については、7月の始めのブログにO先生が書いていたので、詳しい内容はこちらをご覧ください!!
例年、梅雨は東海地方では7月21日ごろに明けます。
2018年、東海地方の梅雨明けは7月9日ごろと例年より2週間ほど早いものでした。
一方、2019年は7月28日ごろと例年より1週間ほど遅いものでした。
つまり、昨年と今年では3週間も梅雨明けの時期が異なっていたのです。
梅雨明け前から暑かったり、梅雨明け後もしばらく雨が降り続いたりと、梅雨明けはあくまでざっくりとした基準ではありますが、暑くなる時期の目安になると思います。
2回にわたって、「今年の7月が涼しかった理由」を考えてみました!
7月のことをもうすぐ9月という時期にお話しする、というなんともヘンテコなブログになってしまいましたが、受験生にとってはこの2か月間を振り返るきっかけとなってもらえればいいな、と思います(*^。^*)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回の更新もお楽しみに!!
*図は、https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.htmlから引用しました。
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