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文系向け!学部紹介!文学部とは何を学ぶ学部なのか?

こんにちは!武田塾河内松原校です!

突然ですが、受験生の皆さんは志望校を決める際に大学を重視しますか?

それとも学部を重視しますか?

 

あくまで大学重視で学部は二の次、よくわからないけどなんとなく面白そうだから、という理由で進学する人も多いように思います。

特に文系の人に多いのではないでしょうか。

しかし、「なんとなく」のイメージで進むと危険な学部もあります。

専門性が高い割に興味が持てない学部に進学すると、大変苦痛で非生産的な4年間を過ごすことになります。

例えば、文学部が上の例にあてはまります。

文学部は、好きな人からすればこの上ない魅力的な環境になりますが、興味のない人からすれば「なんのために大学行ってるん?」状態になる恐れがあります。

そこで今回は文学部の具体的なイメージを摑んでもらうために、少し踏み込んだお話をしたいと思います。

漱石ふりー

 

文学部(人文学部)

文学部とは、過去から現在に至る人間の営みを研究し、人間の本質を探究する学部です。

簡単に言えば、人間と人間がつくったものを調べてみようという学問です。

 

学科・専攻により研究内容が異なり、文学、哲学、日本史学、西洋史学、言語学、心理学など非常に幅広く多岐に渡ります。

ここでは、文学部に代表される「文学」と「哲学」についてお話したいと思います。

なんとなくのイメージだけで進むには専門性が高すぎるため、自分に合っているかどうか確認してほしいと思います。

 

尚、文学部はその特殊性から各大学により研究対象も異なります。

そのため、文学部が気になっている人は志望校のHPから卒業論文を見てみることをお勧めします!

タイトルしか公開されていませんが、タイトルのキーワードを調べ、「おもしろそう」と思ったらその大学の学部学科に通っている学生のSNSを気合いで探し出し、ネトストしてみてください。

非常にリアルな情報が得られると思います!

 

文学

文学科にも日本、英米、フランス、ロシア、ドイツなど様々な学科があります。

アメリカ文学ならアメリカ英語を、イギリス文学ならイギリス英語を、フランス文学ならフランス語をといった風に、海外文学を研究するには、その国の言語を学ばなければいけません。

そのため、多くの文学部では英語に加え、第二言語の学習にも力を入れています。

 

文学科で日本文学専攻の人は日本文学しか研究しないかと言えば、そうではありません。

文学作品にはテーマがあり、テーマの背景には作者の思想があり、思想は作者の環境、つまり当時の社会情勢や文化から影響を受けているため、一つの文学作品を研究するには歴史を学ばなければいけません。

 

例えば、受験の文学史にも頻出の安部公房という作家をご存知でしょうか?

近現代には大江健三郎や三島由紀夫など大変著名な作家が多数いますが、文学の中心地であった西洋の文学者に熱心に読まれていたのは安部公房の作品だったと言われています。

安部公房は受験文学史では『砂の女』とセットで書かれています。

『砂の女』は砂浜に昆虫採集にやってきた男が、女が一人で住む砂浜の家に閉じ込められ、様々な手段で脱出を試みる話です。

安部公房は『不思議の国のアリス』のルイス・キャロルやドストエフスキー、ポーなどの海外文学の影響を受けています。

その中でも「実存主義」の流行に火をつけたサルトルの思想の影響が色濃く表れています。

ということで、安部公房を研究対象にするなら、西欧の文学、哲学、思想などを学ぶ必要があり、それらの本質を摑むには翻訳文ではなく原文で読まなければいけないため、言語の学習も要求されます。

文学、と聞けばなんとなく本を読んでるだけのイメージが強いですが、以上のように研究対象は非常に幅広く、様々な学問に触れることで理解を深めていきます。

いらすと読書

 

 

哲学

日常生活で哲学と聞けば何をイメージしますか?

「哲学的だ」
「あの人の哲学は~」
などど言ったりしますよね。

人生観のイメージが強いのではないでしょうか。

本屋さんに行くと、自己啓発本と哲学のコーナーが一緒に設けられ、『成功哲学』や『幸せになる方法』みたいな本が並んでいますよね。

しかし、そのような人生を豊かにするために用いられる時の哲学と学問としての哲学は異なります。

哲学の本質は懐疑です。
あらゆることに疑いを向けることから出発します。

※哲学にも西洋哲学と東洋哲学の二種類ありますが、ここでは前者を哲学とします。

いらすと怪しむ

哲学を学ぶ過程で得られる読解力や想像力、独創力、論理的思考力などは社会に出てから非常に役立つと思いますが、哲学そのものには何の意味もありません。

考える必要のないことを考える、考えずにはいられない人が向いているでしょう。

 

では、何を考えるのでしょうか。
哲学の命題は複数ありますが、共通していることは明確な答えがないことです。

 

ほんの一例ですが、皆さんは自分が存在していることを証明できますか?

このめんどくさそうな質問に理論武装した答えを導き出します。
しかし、いくら考え込んだところで自分と周囲の人が納得できる答えなど早々出るはずがありません。

そこで先人たちの知恵や発見を体系的に吸収し、自分が持つ赤ちゃんのようなか弱い思想に強固な理論を肉付け、独創的な思想に仕上げていきます。

例えば、デカルトの「我思う故に我あり」
自分が見ている、認識している全ての存在を疑ったとしても、その疑いを持っている自分の存在だけは疑いようがない、という意味です。

ほほーんって感じですが、このような理論の本質を探究し、そしてその理論を破壊することで自分なりの新しい答えに到達させます。

 

以上のことをするために、とにかく本を読み漁ります。

本を読むことで思想に課金していくイメージですね。

ただ熟考するだけでは無駄、ただ本を読むだけでは無駄、本を読みつつ熟考し、自分の納得できる答えを導き出そうとすることが哲学です。

あくまで導き出そうとするだけで、4年間の大部分は古代から近現代に至るまでの哲学家の思想と語学の学習に使うことになるでしょう。

古くは2500年前のソクラテスやプラトンの思想から学びます。

しかし、それらの本質を摑むには翻訳文では不十分です。

原文のテキストを読み込み、講義や討論を通して自分なりの解釈へと仕上げることが重要です。

ということで、哲学を理解するにはやはり語学の勉強もしなければいけません。

目的は考える必要のない、そもそも答えなどない問いに答えるためです。

いかがですか?

興味のない人からすれば苦痛で時間の無駄としかならないでしょうが、興味のある人からすれば自分の好きなことに没頭しながら社会に出てからも役立つ力をつける、大変有意義な時間となるでしょう。

これぞ学問といった感じがしますね。

 

まとめ

文学部で身につく力

・第二言語
・物事を論理的に考える力
・資料を正確に読み取り、分析する力
・文章構成力

向いている人

・読書が好きな人
・考えることが好きな人
・人間の存在や行動に疑問がある人

 

いかがでしたでしょうか?

文学部のイメージはつきましたか?

学部に悩む人も多いと思いますが、よかったら参考にしてみてください!

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