【映画に学ぶ受験と人生】Vol.3 ~TENET テネット~
京都市西京区、阪急京都線桂駅西口から徒歩1分のところにある
学習塾・予備校である武田塾桂校 校舎長の大平です。
この記事は
・映画『TENET テネット』が好き
・今まで体験したことの無い感覚を味わいたい
・自分の好きなものに自信を持ちたい
と感じている人にこそ、読んでほしい記事です。
私は趣味で映画の評論も書いております。(※完全に趣味です。)
そして、映画は時として、人生の過渡期にいる悩める人々に生きる指標や勇気を与えてくれます。
そんな映画を紹介しながら、「受験について」「人生について」に(無理矢理)話を展開していこうと思います。
第3弾は3月3日現在、大阪エキスポシティの109シネマズでレーザーIMAXによるリバイバル上映をしている「TENET テネット」です!
(エキスポ109シネマのIMAXは(西)日本最大の大きさを誇るスクリーンです。)
ちなみに関東にあるグランドシネマサンシャインのIMAXのほうが正確にはほんのちょっとだけ大きいですけど、誤差範囲です。(笑)
枚
『TENET テネット』映画情報
『TENET テネット』
監督: クリストファー・ノーラン
出演: ジョン・デヴィッド・ワシントン (父親はデンゼル・ワシントン)
ロバート・パティンソン (次のバットマン)
エリザベス・デビッキ
ケネス・ブラナー
(いつもの)マイケル・ケイン
公開日: 2020.9.18
粗筋は、時間逆行型スパイアクションです。下記参照で(笑)
粗筋は上の動画で確認してもらうとして、私からはTENETという映画の意義についてお話したいと思います。
この映画の主人公は、[PROTAGONIST (主人公)]として登場し、劇中で名前が出てくることは一切ありません。そして人物背景が描かれることもありません。
さらに、確固たる意志もなく、ただただ受動的に事態に飲み込まれ、前に進んでいくだけです。
どうしてこのような扱いになっているかというと、
この主人公はあくまで我々観客を物語の結末まで導く「乗り物」としての機能に特化しているからなのです。
ノーラン監督は映画そのもの、もっと言えば「時間」へのこだわりが強く、
今まで撮ってきた映画もだいたいが時間に関するものでした。
『フォロウィング』『メメント』ではカットバックで時系列をずらし、
『インセプション』では潜在意識下での時間感覚を描き、
『インターステラー』では重力や多次元による時間の歪みを表現し、
『ダンケルク』では異なる時間の流れを同時に描写するという離れ業をこなしてきました。
今回『TENET 』では、そんな時間を操ってきたノーラン監督の集大成ともいえる、
「一定の長さ・スピード・順番をもった、映像と音の時間芸術」としての、まさに「映画そのもの」の魅力を体現するような作品となっています。
IMAXとIMAXカメラ
さて、評論に入る前に、今回は映画の「フォーマット」のお話も少し。
ノーラン監督の作品とは切っても切り離せない関係にあるIMAX (アイマックス)。
皆さんはこのIMAXという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
じわじわと認知度を高めてきていますが、まだまだ一般にまでは浸透していないように思います。
IMAXというのはカナダのIMAX社が作り上げたフィルム規格および映写システムのことです。
映写システムとしてのIMAX
4DXやMX4D・ドルビーシネマ・ULTIRA・SCREEN Xのようなもの、と言えばイメージしやすいでしょうか。
IMAXの特徴としては、大画面(25m級のスクリーンもあります)、迫力のある重低音、4Kによる超高画質が上げられます。
フィルム規格としてのIMAX
さらにIMAXカメラというものもあり、これはIMAXで上映されることを前提に使用されるカメラのことです。
(出展:Wikipedia)https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=294017, commons.wikimedia.org
通常のカメラと比較して、アホほどでかくて取り回しがしにくいIMAXカメラ。それでもこれを使用するのには理由があります。
特徴としては、通常の撮影カメラに使用される35mmフィルムの倍である70mmフィルムを使用することにより、より高精細度な映像を記録することができます。
『TENET』ではこのIMAXカメラで多くのシーンが撮影されています。
そして、IMAXカメラで撮影された映像というのは、通常の映画サイズ(シネマスコープサイズ)に比べ、極端に正方形に近くなります。
つまり、通常の映画館でこの『TENET』を見てしまうと、せっかくの高画質が楽しめないだけでなく、上下の画が切れてしまった不完全な状態の作品を見てしまうことになるのです!
(出典:109CINEMAS) 実は上下に隠された映像があった!!!
じゃあ、IMAXなら何でもいいのか言うと、そうでもなくて、普通のIMAXでも僅かながらに上下が切れます。
IMAXカメラで撮影された画を100%の画角で見るためには、大阪エキスポか池袋グランドシネマサンシャインしか、今のところ方法がありません。
わざわざ映画のために遠出するのはハードルが高いかもしれませんが、IMAXカメラで撮影された画をフルスクリーンで鑑賞したときの没入感は他では味わえない特別なものがあります。
というわけで、せっかく大阪エキスポで再上映している今のうちに、是非一度体験してもらいたいとの思いから、このたび『TENET』の紹介をしています。
前置きが長くなってしまいすみません・・・(笑)
武田塾の特徴
『TENET テネット』解説&評論
さて、漸く映画の解説に入りますが、
皆さん、安心してください。この話を一度見ただけで理解できる人はいません(笑)
私も初見の感想は「話の意味はよく分からんが、とにかく凄い勢いの映像!!!」でした(笑)
初見で物語の構成を理解するのは不可能
色々な「分かりにくい」要素が絡まって、映画全体がもうとにかく何かよく分からないものになってしまっています(笑)
① ストーリー
マジで難解です。
ベースとしてスパイ物のテイストなんですが、スパイ映画特有の話の入り乱れ方してるというか…(笑)
特に序盤でそれが顕著で、
「あるブツが欲しいので、ありかを知ってそうなAに接触したい。そこで、Aの居場所を知ってるBにコンタクトをとるための作戦をまず立てる。すると、「Aに近づくためには、Cに会って情報を得るのだ…」とか言われて…」
っていう、RPGゲームやってるようなまどろっこしさ(笑)
ずっと、「何でそんなことしてるの…?」とか「それをしたらどうなるんだっけ…」って半ば諦めながら見てました(笑)
あとは「アルゴリズム」とか、何を表しているのかよく分からないワードが、さらに話をイメージしにくいものにしています。
② 逆行
加えてそこに「時間を逆行する」というオリジナル要素も入ってくるので、
どの登場人物がどの時間軸からどの時間軸へ戻ったのか、など頭は常にフル回転です(笑)
ただ今回は、会話の端々からも、あえて表現や説明を省略しているような印象を受けましたし、たぶん初見で理解させようとは思ってないのだと思われます。
まるで「複数回見て、この回文のような構造に酔いしれろ。」と言われているよう(笑)
③ 心情
登場人物の立場及び心情。これも分かりにくい。
登場人物が地味に多く、誰もが際立っていないため、それぞれの行動原理が掴みにくかったです。
さらに人物描写が薄いせいで、彼らに何かが起こっても、見ていてあんまり感情が動かない。
特にニールなんか、話を整理して行動を追っていくと、ほんと号泣するような生き様なのに、
観賞中の認識としては「こいつ誰やねん。いつから仲間になった?」って感じでした(笑)
主人公の素性が知れない感じは、冒頭で述べたように効果的なんですがね。
長々とハードル上げるようなこと言ってしまいましたが、一度目は大いに混乱を楽しんでください。
そしてパンフレットや解説サイトなどで物語の枠組みや逆行のルール、登場人物一人一人の行動を整理して、改めて2回目を見ることをオススメします。面白さが増すことは保証しますので。
(今回パンフレットも非常に詳しく解説されていて読みごたえがありました。)
映像
美
実はけっこうな観光映画です(笑)
IMAXフルスクリーンのところ、だいたい景観ですし(笑)
そして、登場する衣装(スーツ)の美しさが半端ありません。
おそらく普段スーツなんか全く意識しない人でも気付くレベルで凄いです。
衣装が良い仕事をしすぎている。
ルック
なんといっても逆行シーン。
ここの考察は映画が終わった後にするとして、とにかく圧巻の映像を楽しんでください。
ノーラン監督は極力CGを使わないことで有名ですが、逆行シーンもなるべくCGを避けているそうです。
撮影方法なんかを調べるのも楽しいですよ。
あと、飛行機を突っ込むシーンも、もちろん実際にやってます。すごすぎる(笑)
他にもルックでいうと、
時間巻き戻しアクションなら『DOCTOR STRANGE』のほうが分かりやすいし楽しいやんって思ってましたが、
これだけリアルな質感で通常再生と逆再生が同時に起こっている映像はなかなかに見応えがあって良かったです。
そこに「シーンとシーンが逆再生でリンクする」展開も加わり、超楽しめました。
カーチェイスシーン(THE DARK KNIGHTに続き、長いトレーラー使うの好きやな。)や、
飛行機突っ込みシーン(撮り方が完全に怪獣映画のそれで笑ってしまったw)なんかもそうですけど、
やっぱりノーラン監督の作り出す「ルック」は最高ですね。
「呼吸できない」とか「風や摩擦も逆になる」とか、一歩踏み込んだ設定も好みでした。
ただ、「炎が氷になる」だけは意味分かりませんでしたけど(笑)
あの設定、一回しか物語に活きてこなかったですし。
演出
映画ジャンル的には一見SFに見えるのですが、『Interstellar』同様、愛が軸にあるお話、といった印象をうけました。
結局主人公は、キャットのために動いてた感じですしね。
演出でいうと、
カーチェイスシーンで、「サイドミラーが割れてる…?え?もとから割れてたっけ…?」と思わせておいてからのアクションとか、ああいうさりげない伏線がよかったです。
ただですね、これは特に終盤で顕著だったんですけど、
舞台が地味な戦場で、活躍するのが所詮生身の人間だからなのか、
同じような演出を何回も見せられて、正直退屈なところもありました。
結局一番テンションがあがった箇所は冒頭のオペラハウスなんですよね…。(逆再生のシーンですらない)
あの意味分からん状態のままいきなり緊迫した空気に引きずり込まれる感覚を超える演出は、冒頭以降出てこなかったですね…。
あとここのエキストラさんたちの一斉に寝ちゃう演技、何か感動しました。金かかってるんだろなー、って(笑)
逆行の原理とかは「考えるな!!」って勢いで誤魔化そうとしてて好みでした(笑)
「難しい話はいいんだよ!!!」的な精神は、『ルーパー』みたいでしたね(笑)
音楽
音楽に関しては今回も最高。
どうやってるのかは分かりませんが、音楽からも「巻き戻ってる」って印象を受けました。
リバースシンバル的な音を使ったり、ビートの刻み方で表現してたんでしょうか?
音楽に明確な意図が感じられたのが初めてだったので新鮮でした。
ノーラン作品とは
世間的には、壮大なスケールで描く「スタイリッシュ厨二病」「大真面目バカ映画」なんて言われてるみたいですが、(言われてない)
そんな思考も世界観も大好物の私にはピッタリでした。
決して、見終わった直後にテンション上がって最高!!!!って感じの映画ではないですけど、
見たあともずっと考察やら何やらで、この映画のことをぐるぐる考えてしまう、まさに『TENET』というタイトルにふさわしい映画だと思います。
これは個人的な見解ですけど、
ノーラン監督の作品は、「毎回間違いの無い名作!」って感じではなくて、
「なんか色々ツッコミどころもあるけれど、諸々全部含めて楽しめる!」って感じだから、基本的にハズレがないんですよね。ハズレても楽しめるというか。
他塾との違い
『TENET テネット』映画に学ぶ
ニールは自分の運命を分かっていながらも、世界のため・主人公のために死地に向かいます。
「負けるからやらないなんて事は無いし、勝てるからやるわけじゃない。」(by 戸美キャプテン)
「挑まずにはいられない。」
己のプライドと矜持のためなんでしょうね。
ぜひ、行動に迷ったときには思い出してほしいと思います。
あとは、普通に見ればもはやギャグのようなシーンも、大真面目にシリアスでスタイリッシュに仕上げようとするノーラン監督。
みなさんにも、自分のやりたいことを自分の世界観で表現できるような人になってもらいたいと思っています。
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