こんにちは!!
今回は、福岡で多くの受験生が関心を寄せている、
文学史について西南学院大学の出題傾向を例にとってお話していきます。
まずは文学史はなぜ必要なのか、
そして西南学院大学の実際の入試ではどのような問題が出題されているのか、
その傾向を分析しながら対策法についてお伝えしていきます。
少しずつ文学史のプチ知識を盛り込んでいくので、
文学史の勉強に悩んでいる人、西南学院大学に興味がある人
どちらも必見です!
この記事を読んでいる人の中にも
「そもそも文学史って必要なのか?」
という疑問を抱えている人が多くいると思います。
簡潔にお答えしますと、
必要です。
文学史を知るということは、作品名と作者、成立年代やジャンルなどの基本情報をおさえるということです。
古文、特に物語や日記においては、初見の文章を読み進めていくのと、作品のストーリーや背景などの予備知識があらかじめ頭に入った状態で読むのとでは、読解の速度や精度に雲泥の差が出ます。
ここでは、わかりやすい2つの作品を紹介します。
まずは、落窪物語。
平安時代前期に成立した作り物語の代表作です。
このお話は「日本版シンデレラ」と言われています。
継母が義理の娘をいじめる「継子いじめ」の話です。ちなみに、擬古物語の代表的な作品の1つである住吉物語も継子いじめの作品として有名です。
この話のあらすじはいたってシンプル。
継母に冷遇されている落窪の姫君と右近の少将が恋に落ち、少将が姫を救出、継母に復讐、和解してハッピーエンド!女子は要チェックですね。
次は、更級日記。
菅原孝標女の作品です。彼女の伯母は、初の女流日記、蜻蛉日記の作者である藤原道綱母であるというのも有名な話です。
このことから、蜻蛉日記⇒更級日記の順番が覚えられます。
このお話は源氏物語の熱狂的なファンである作者が幼少期から自分の半生を振り返る作品です。ド田舎暮らしで最新の物語が読めないことを嘆いた作者が仏に祈り続けて、念願かなって都に上るところからお話が始まります。
現代のオタク女子にも突き刺さる作者の言動は共感間違いなしです。
また、ここまでの話から、源氏物語⇒更級日記も覚えられます。
ここまでのお話で、少しは文学史に興味がわいてきたでしょうか?
ここからが本題です。
西南学院大学の実際の入試ではどんな問題が出題されてきたか見ていきましょう。
(答えはこの記事の一番下に載せておきます。何点取れるかチャレンジしてみよう。)
*現代文 2018(文・法学部)芥川龍之介の作品でないものを選べ。
1.鼻 2.不如帰 3.藪の中 4.芋粥
*2017(神・経済学部)斎藤茂吉の歌集を選べ。
1.海やまのあひだ 2.邪宗門 3.悲しき玩具 4.赤光
古文のように、毎年必ず出題されているわけではありませんが、たびたび現代文の問題にも文学史が登場します。
問題のレベルは高くなく、基本的な作家に関する問題が多いため、教科書や参考書の赤字や太字の作品と作者名を覚えるところから始めるのがいいでしょう。
最初から、白樺派や耽美派などの細かい分類を気にするより、まずは有名作家とその代表作を結び付けていくことが重要です。
*古文 2019(人間科学部)藤原定家が編纂にかかわった勅撰和歌集の名称を記入せよ。
*2018(全学部)平安時代における宮廷生活の事物や出来事を「ものづくし」という手法によって描いた作品の作者名を漢字で記入せよ。
*2018(文・法学部)終章近くで甥が訪ねてきた際に筆者が詠んだ「月もいでてやみにくれたる姨捨になにとて今宵たづね来つらむ」という歌がタイトルに由来する作品を選べ。
1.土佐日記 2.蜻蛉日記 3.更級日記 4.十六夜日記
*2017(神・経済学部)雨月物語の作者名を漢字で記入せよ。
*2016(文・法学部)「四鏡」の中で2番目に古い作品の名称を漢字で記入せよ。
*2016(神・経済学部)徒然草の作者名を漢字で記入せよ。
*徒然草と同じジャンルの作品を選べ。
1.無名草子 2.方丈記 3.山家集 4.十訓抄
古文は毎年必ず文学史の問題が出題されます。基本的には、作品名や作者を問う問題がほとんどですが、2018年度の問題のように、それ以上の知識を問う発展的な問題も見られます。
詩歌、評論についてはまず、勅撰和歌集(八代集)の名称や順番、編纂者や主な歌人をおさえましょう。
歌論や私家集の代表的な作品とその作者も覚えておくといいです。
物語については、まず作り物語、歌物語、歴史物語、軍記物語などの各ジャンルの代表的な作品をおさえていきましょう。そのときにストーリーも少し気にすると、より文学史の勉強が楽しくなるかと思います。
随筆については、三大随筆の作者や成立順は必須です。
近世の本居宣長や新井白石の作品も頭に入れておきましょう。
日記については、成立順と作者名、そしてその日記の主な内容までおさえれば完璧です。作者の人間関係から他の作品とのつながりも見えてくるでしょう。(更級日記と蜻蛉日記や源氏物語のように。)
説話は、仏教説話と世俗説話に分けられます。説話集の分類はできるといいでしょう。そして、その説話の目的やどんなお話がまとめられているのかも気にするようにしましょう。
(例えば、十訓抄は年少者に勧善懲悪の精神を教える目的で、10項目に分けて教訓的な説話が収録されています。)
江戸になると俳諧や浄瑠璃、読本などのジャンルがでてきます。 しかし、中世に比べて各ジャンルの有名作品の数が少ないので比較的取り組みやすいかと思います。
西南学院大学の入試問題では中世までの作品の出題が多いため、まずは、平安や鎌倉時代の文学を優先的に整理するようにしましょう。また、解答形式が選択式である場合と記述式である場合があります。各作品やその作者名は、できる限り覚える際に漢字で書けるようにしておくことが重要です。
ポイントは、
①各ジャンルの代表的な作品とその作者名をおさえる。
②漢字で書けるようにしておく。
③作者や物語のバックグラウンドにも興味を持つ。
の3つです。
文学史の勉強は、1問か2問の文学史問題だけでなく、
本文読解の際の貴重なヒントになり得ます。
読解の基盤としての予備知識になる文学史を少しでも多く、そして楽しく身に付けることで他の受験生より1歩リードしよう!
解答
現代文 2018(文・法学部)芥川龍之介の作品でないものを選べ。 1.鼻 2.不如帰 3.藪の中 4.芋粥
A. 2 (徳冨蘆花の作品)
2017(神・経済学部)斎藤茂吉の歌集を選べ。 1.海やまのあひだ 2.邪宗門 3.悲しき玩具 4.赤光
A. 4 (1は折口信夫、2は北原白秋、3は石川啄木の作品)
古文 2019(人間科学部)藤原定家が編纂にかかわった勅撰和歌集の名称を記入せよ。
A.新古今和歌集
2018(全学部)平安時代における宮廷生活の事物や出来事を「ものづくし」という手法によって描いた作品の作者名を漢字で記入せよ。
A,清少納言 (枕草子のことです。)
2018(文・法学部)終章近くで甥が訪ねてきた際に筆者が詠んだ「月もいでてやみにくれたる姨捨になにとて今宵たづね来つらむ」という歌がタイトルに由来する作品を選べ。
1.土佐日記 2.蜻蛉日記 3.更級日記 4.十六夜日記
A.3
2017(神・経済学部)雨月物語の作者名を漢字で記入せよ。
A. 上田秋成
2016(文・法学部)「四鏡」の中で2番目に古い作品の名称を漢字で記入せよ。
A. 今鏡 (大⇒今⇒水⇒増鏡)
2016(神・経済学部)徒然草の作者名を漢字で記入せよ。
A. 吉田兼好 または 兼好法師
徒然草と同じジャンルの作品を選べ。 1.無名草子 2.方丈記 3.山家集 4.十訓抄
A. 2 (1は評論、3は私家集、4は説話集です。4の十訓抄の作者は2と同じ鴨長明です。)
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