こんにちは!武田塾伊勢崎校の高橋です。
みなさんは「暗記の法則」について知っていますか?受験科目が沢山あるので、どのように用語や内容を覚えていけばいいのか、わからなくなることもあるかと思います。 また、せっかく覚えてもすぐに忘れてしまってはもったいないですよね?
今回はこの問題を解決するためのヒントをシェアさせていただきたいと思います。
なぜ記憶することは重要なのか?
そもそもどうして記憶が人間活動において重要なのかについて考えていきましょう。
みなさんは、何か行動を起こす際にどのように意思決定をしていますか?これから何かを決めなくてはいけない状況を見てみましょう。
Case 1:友達とケーキバイキングに行く約束をして、A店かB店か迷っている
〈あなた〉
以前A店に行ったことがある。その時に、値段が高い割にケーキの種類があまりなくがっかりした経験をした。
一方、B店にはまだ行ったことがなく、たくさんのケーキが安く食べられると周りに評判。
このような状況で、あなたはA店とB店どちらに行きたいですか?A店にもう一度行きますか?
一度行ったことがるお店で、安心ということもあり、もう一度行ってみたいという人も中にはいるかもしれません。しかし、たいていの人はB店に行きたいと考えると思います。期待はずれの経験をしたお店にもう一度行きたくはないですよね?
別の例も見てみましょう。
Case 2: 受験をどの科目で受けるか考える
〈あなた〉
学校で数学の数列が苦手。一度もテストで半分以上の成績をとったことがなく、トラウマ状態。できれば受験に使いたくない。
このような場合には、三通りの選択肢があると思います。
① そもそも受験科目に数学が含まれていない大学、あるいは学部・学科を受験する
② 受験科目の数学の配点が低く、他の科目でその分をカバーできる大学、学部、学科を選ぶ
③ 数学の科目の中で、数列があまり出題されないところを受験する
以上2つのケースを見てきましたが、私たちはこのように自分の経験や記憶に基づいて判断しています。
ここで、記憶のメカニズムを簡単に見ていきましょう。
どのように記憶されるのか?
記憶とは情報を獲得し、蓄え、思い起こすという複数のプロセスを経る高度な人間活動です。
人は何か学んだり、経験したりすると、それを記憶しようとします。しかし、みなさんが知っている通りこの記憶という人間活動は完璧ではありません。私たちは日々大量の情報に触れているため、物事を忘れて正確には思い出せなかったり、間違えて記憶してしまうこともあります。
新しい記憶が作られるときには、encodingというプロセスを経て情報が利用可能な形へと変わっていきます。その後に、記憶として情報が保存(stored)されます。この時の記憶は私たちが実際に使うまでは、脳の中に無意識的に存在していますが、使うときになると保存された記憶が意識的なものへと変換されていきます。これをretrieval プロセスといいます。
ここで、記憶が一般的にどのくらい続くのか考えてみましょう。
記憶はどのくらい続くのか?
記憶には短期で消えてしまうのもと、長期間残るものがあります。記憶期間が短いものから、感覚記憶、短期記憶、長期記憶といいます。
これら3種類の記憶はそれぞれ異なる特徴をもっています(Atkinson & Shiffrin, 1968)。
感覚記憶 (Sensory memory):
何か覚えようというときに、最初にこの感覚記憶として記憶されます。この記憶は画像による情報であれば0.5秒、音声情報であれば3~4秒のみ保持されます。これは後に、短期記憶へと移行するものもあります。
短期記憶 (Short-term memory):
今現在考えている、あるいは取り組んでいる内容を短期的に保存しておくときに形成されます。これは感覚記憶に、よりフォーカスを充てることによって、記憶が活発になり、短期記憶へと変換されます。だいたい20~30秒間、短期記憶として保持されます。感覚記憶と比べると長く記憶が保存されますが、それでも短い期間で忘れてしまうというデメリットがあります。この種の情報に、より注意を向けることにより、長期記憶へと移行していきます。
長期記憶 (Long-term memory):
この種類の記憶は基本的に無意識的に脳内に存在していますが、必要になると意識的なものとして取り出すことができます。この種類の記憶は数日、数週間、数か月、あるいは数十年続くものまで様々です。このタイプの記憶は簡単に思い出すことができるものもあれば、かなり情報を思い出すことが困難なものもあります。
私たちは日々、この長期記憶からの情報を意思決定、問題解決や他者と関わる際に利用しています。
ここで、そもそも私たちはなぜ記憶したことを忘れてしまうのでしょうか?
なぜ記憶は失われる?
誰しも日々の生活の中で、何かを忘れてしまうことがあると思います。
例えば、最近会った人の名前が思い出せない、スーパーに買い物に来たのに何を買いに来たのかわからなくなる、携帯を机に置いたのにどこに置いたか思い出せない、など。
私たちは小さなことから、大きなことまで日々忘れてしまいます。では、なぜ私たちの記憶は失われるのでしょうか?
記憶における時間の重要性とは?
沢山の要因がありますが、その重要な一つとして時間が大きく関わっていることが研究でわかっています。
私たちの身体はあまり重要ではない情報によって脳が疲弊してしまわないようにできています。というのも、私たちの周りには日々大量の情報が溢れており、それらの情報を常に記憶してしまうと脳の容量を超えてしまうからです。
ここで心理学者のヘルマン・エビングハウスが提唱している記憶の「忘却曲線」を見てみましょう。
この曲線は学んでからどれだけ早くその内容を忘れてしまうのかを表しています。これによると、私たちは勉強してから1時間後にはすでに半分もの情報を忘れてしまうことになります。1週間後には、たったの20%のみしか覚えていないことになります。
この忘却を防ぐためには、情報を長期記憶へともっていく必要があります。これを実現するためには覚えたい情報を短期間で反復する必要があります。忘れる前に繰り返し復習するということです。
ここで実際にどのようなペースで繰り返せばいいのかを見ていきましょう。
どのようなペースで反復すればいいの?
学んだことを復習する重要性はみなさん既に知っていると思います。では、どのくらいのペースで復習していけばいいのでしょうか?
ここに目的に応じた一つの復習ペースの目安があります。
〈目的1:素早く記憶する〉
1回目 → 学んでからすぐ復習
2回目 → 学んでから15~20分後に復習
3回目 → 学んでから6~8時間後に復習
4回目 → 学んでから24時間後に復習
〈目的2:長期間記憶する〉
1回目 → 学んでからすぐ復習
2回目 → 学んでから15~20分後に復習
3回目 → 学んでから1日に復習
4回目 → 学んでから2~3週間後に復習
5回目 → 学んでから2~3か月後に復習
他に記憶しやすくなる方法はある?
今まで述べてきた通り、効果的な反復が記憶を短期から長期へともっていく方法だということはお分かりいただけたと思います。
ここでは、その他に記憶を助けてくれる方法についてシェアしたいと思います。
①覚えたい内容を理解するように努める
→理解した内容なら覚えることがより簡単になる
②一番重要な情報を学ぶようにする
→正しく、優先順位をつけて全て覚えようとしない
③逆の内容や言葉を一緒に覚える
→関連性のある内容を一緒に覚えることで、忘れにくく、一度に複数のことを覚えられる。(例えば、英単語を覚えるときに、"sweet"と"spicy"を一緒に覚える)
④覚えたい内容を他の何かと関連づける
→前の内容と似ています、覚えたい内容を複数のものと関連づけることにより思い出すことがより簡単になります。(例えば、英単語を覚えるときに自分の好きな音楽を聴きながら反復練習することで、その音楽を聴くたびに覚えた単語が頭の中にでてきやすくなります。
⑤物語を作る
→もし沢山ある情報を効率的に覚えたい場合には、その覚えたい言葉などを使って物語を自分で作ると暗記が楽になります。特に、流れを覚えなくてはならないような社会系の科目にはこの方法が効果的です。
⑥音声を使って覚える
→学んでいる内容を録音して、それを複数回聴くと暗記の助けになる。
⑦情報を視覚化する
→単語などで覚えにくいものは、その絵を描いたりして視覚化するとわかりやすい
⑧身体を使う
→勉強するときに、ボディーランゲージを使うと記憶に残りやすくなる。
一度相談してみませんか?
ここまで、「暗記の法則」について説明してきましたが、正直、内容難しくて実際にどう行動したらいいのかわからない人も多いと思います。そこで、一度校舎に来て相談してみませんか? みなさん1人1人にあったプランを考えていければと思います。
現在、武田塾伊勢崎校では無料受験相談を実施しております。
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