京大生講師が最新の共通テスト数学ⅠAを解いて、高得点を取る対策を考えてみた
みなさん、こんにちは!
京阪「出町柳駅」から徒歩2分、徹底個別指導塾の武田塾出町柳校です。
わたしは現在、京都大学の工学部に通っている、講師のKといいます。
このブログを書いているのは1/18。はじめての共通テストが終わってその翌日になります。
共通テストを受験された受験生のみなさんは、共通テストお疲れさまでした。
教科によっては試行調査とは大幅に異なる部分もあり、思わぬ形式の変化に戸惑った受験生が多かったのではないでしょうか。
わたしも数学の問題を全問解いた後に思ったのは「センター試験世代でよかった」というのが正直な感想です汗
今回のブログでは、2021年の数学ⅠAに焦点を当てて、来年以降の対策について考えていきます。
いち早く情報をお届けするため、
京大生のわたしが共通テスト数学ⅠAを全力で解き、
高得点取得のために必要な対策について考えてみました!
下記のリンクからぜひ2021年の共通テストを入手し、試験問題を片手にこの記事を読んでください!
Q.今年の数学ⅠAの特徴は?
→A.2次に近いセンターです!
「共通テスト対策でいっぱいいっぱい」の人には厳しい問題
対策をお話しする前に、まずは今年の数学ⅠAにはどんな特徴があったか少し見ていきましょう。
一言で「2次試験に近いセンター試験」というのがわたしの感じた印象です。
2次試験の対策がある程度進んでいる人にとっては大きな問題は少なかったのではないかと感じました。
ただ一方で、「共通テストの対策だけで頭がいっぱいだった」もしくは「知識をとりあえず詰めただけになっていた」という方には少し厳しい問題だったのでは、とも思いました。
文章量が多いです!(無意味なのも含めて!笑)
全体の大問数にはセンター試験と変化はなく、出題単元から必要十分条件・集合が消えました。
また、やはり文章量が増えましたね。これは一長一短で、誘導となる文章が多かった一方で、「この文章って必要なの?」と思われるものありました。
特に【第2問】は、無意味と思われるような陸上用語が出てきました。太郎さんと花子さんという人物名もよく登場しました。
問題を解くために「必要な情報」と「必要でない情報」を素早く見分ける力も必要だと感じました。
各大問で思ったこと!
次に各大問について軽く話していきます。
【第1問】は、後半の方が難しいと感じた人が多いように思いました。「S₁とかS₂とかT₁とかいっぱい出てきてわけらん!」みたいな感じです。でも、コツはあります。(後述)
【第2問】はちょっとインパクトがありましたね。いきなりイラストと用語の解説だけで1ページ使っています。贅沢な紙の使い方です。
続いて、選択問題についてですが、今年は【第5問】の図形の問題がハズレで、曲者(くせもの)でした。図が描きにくく、条件も多いため見落とした人も多いはずです。
大まかな分析は以上になります!
高得点をとるのに必要な4つの力!
では、ここからは対策を考えていきます。
今年の数ⅠAを見る限り、以下の4つの力が必要になると考えました。
①使うべき公式を素早く選択し、応用する力
②難しい選択問題は選択せず、やさしい問題を選択する幅広い力
③誘導に乗り、情報を整理する力
④文章の中から必要な情報を見抜く力
それぞれについて見ていきましょう!
①使うべき公式を素早く選択し、応用する力
今年の【第1問】の[2](2)は、S₁-S₂-S₃の値の考察でしたが、これは「三平方の定理」をベースにした問題と言えます。
「a²+b²=c²」は有名な公式ですよね。でも、「この形だけ覚えている」という知識だけがある人には今回のテストは解けなかったと思います。
「直角三角形では統合が成り立つけど、直角ではなくて鋭角だったらどうだろう?鈍角だったら?...」
というように、公式の形だけでなく、そこからどのような応用が利くのかまで知っておかないと、共通テストでは通用しません。
また、その後の(3)(4)では、正弦定理を利用することになります。この正弦定理の発想に時間を取られないために、みなさんに意識して欲しいことがあります。
それは、「自分はどんなツールを持っているか」を把握することです。
例えば、今回の(3)では、三角形の面積T₁、T₂、T₃の大小を比べるのですが、そのためにはまず面積を式に表す必要があります。ただ、普通に式に表しても、使う文字がバラバラで、比較することができません。
そこで、このときに登場するsinに注目し、どうにか式を変形できないかと考えると、脳内で正弦定理がヒットします。「これを使うんだ!」とひらめくのです。
このように、自分が使える手段を正確に把握し、目の前の問題に適しているものを、その都度当てはめていく。そんな力が必要になるでしょう。
②選択問題の難易度を見極め、やさしい問題を選択する力
今年は【第5問】が【第3】,【第4問】と比べて非常に解きにくく、難易度の高い問題でした。
それに比べると第3問と第4問は、少し面倒臭い計算はあったものの、難しい箇所といえばそれくらいで、発想自体はいたってシンプルでした。
【第5問】と【第3問】・【第4】で難易度の格差をすごく感じます。格差問題は日本社会だけではなく、共通テストにも存在しているようです。
来年も今年のように、大問間の難易度の格差が大きくならないとも限りません。
そうすると、受験生にとっては簡単な2つの大問を解きたいところです。
だからこそ、捨てるべき難しい問題を捨てるための力が必要になるのです。
そのために、3つの単元を全て回答できるように準備をすることが望ましいです。
少し大変かもしれませんが、高得点を取るには必ず必要になる力だと考えます。
③誘導に乗り、情報を整理する力
思考力を試すような性質が強くなった共通テストですが、すべてを自力で思いつく力は必要ありません。
ご安心ください。
誘導文であったり、(1)(2)などの小問の答えであったり、答えを導くためのヒント・情報はたくさん散りばめられています。
それらを見落とさないことが高得点につながります。
④文章の中から必要な情報を見抜く力
第2問をご覧になって分かる通り、共通テストは従来のセンター試験とは異なって、文章量が多くなっています。
しかし、その長い文章のすべてが重要な情報かといえば、そういう訳ではありません。
どこが重要で、どこがそうでないのか、しっかりと見極められるように、模試や実践問題集などで演習を繰り返していきましょう。
どんな対策・勉強法が必要か?
➀基礎的な参考書をボロッボロにしよう!
とにかく、基礎を固めなければなりません。使う参考書、問題集は特には問いませんが、”完成度”が非常に重要です。
武田塾では『基礎問題精講 数学Ⅰ・A』という参考書を勧めています!
”完成度”を高めるには「何周も何周も繰り返す」ことが1番大事です。
問題数が厳選されており、解説も非常に丁寧なため、何度も繰り返すには最適の一冊です。
「時間があまりない!」という受験生が多いと思いますので、その意味でもいい参考書です。
他にも、『チャート式』や『focus Gold(フォーカスゴールド)』など、良い参考書はありますが、非常に分厚く、終わらせるのに時間がかかります。
よほど時間的に余裕がないと、何回も繰り返すのは不可能になりますので、完成度が落ちてしまいます。
「高1からしっかりと力をつけていきたい」という方には向いているかもしれません。
参考書がボロボロになるまで、徹底的に基礎を叩き込むようにしましょう!
②「暗記」だけの知識は使えない!徹底的に「理解」を重ねよ!
”完成度を高める”ことには”理解を深める”ことが当然含まれます。
・問題が解けるだけ
・公式を暗記しているだけ
ではなくて、
・「なぜこの問題はこういう方針で解くのか」
・「この公式はどのようにして成り立っているのか」
・「この定理を使うのはこういう時なんだな」
以上のことを常に考え、理解をお腹の底に落とす勉強を重ねていってください。
徹底的に理解した知識は、必ずあなたの武器になります。そして、自分の武器を増やしていくのです。
使える武器が増えるだけあなたは強くなります。ぜひ、大学受験の弁慶になりましょう。
③模試や実践問題集を使った演習も忘れずに
➀~②の勉強は解けない問題を解けるようにするための勉強です。
しかし、実践では時間的な制約がありますし、演習することで自身の苦手分野を見つけることができます。
時間内で最高のパフォーマンスを発揮するための練習として、復習すべき苦手分野を探す材料として、積極的に演習を積んでいくようにしましょう。
最初の共通テストがもう出題されたのですから、大手の塾・予備校が出す模試の精度も当然上がります。
来年の生徒は今年以上に共通テストの対策を練ることができるでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
センターから共通テストに試験が変わりました。たしかに、試験の内容に変更が見られます。難易度も上がったように感じます。問題文も長くなりました。
ただ、だからといって決して奇問ではありません。
いままではテクニックでもなんとかできたのが、本当の実力が試されるようになっただけです。
ただの暗記で済ませず、あなたの知識が理解に裏打ちされているならば、恐れることはありません。
時間がかかる話なので、十分に余裕をもって受験勉強を始め、数学の力をつけていきましょう。
あなたの実りある受験を応援しています。
もし受験に関することでお悩みのことがありましたら、ぜひ塾までお問い合わせください。
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