受験生の皆さんは、英単語や古文単語、日本史の年号や用語などを「暗記」する機会が多いと思います。
受験は暗記をはじめとする様々な勉強が必要になるため、「学習したことをいかに早く覚え、定着させることができるか」も重要です。
しかし、生徒さんの中には「暗記勉強が苦手...」「参考書の内容を覚えるのに時間がかかってしまう...」など、暗記に対してネガティブなイメージや悩みを抱えている方も多いと思います。
当記事では、暗記に対して苦手意識を感じている方、勉強した内容を早く覚える方法を知りたい方に向けて、武田塾流の暗記法や早く覚えるコツを紹介しています。
大学受験や高校受験を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
暗記をするのに最適な時間は?暗記のポイント
暗記をするのに最適な時間はどれくらいなのでしょうか。
教科や現在の学習進捗度にもよりますが、武田塾では英単語100個を覚えるためにかける時間を約90分としています。
ここでは、あまり時間をかけずに暗記勉強をするために重要なポイントを2つご紹介します。
時間を決めて集中力を保つ
暗記をする際は時間を決めて、その時間は集中力を保つように心がけましょう。
上述の通り、武田塾は英単語100個を90分で覚えるようなスピード感で暗記していくことをおすすめしています。
これを細分化してみると、英単語10個当たり約5分、復習に4分程度使うことで、90分で100個の英単語を暗記することが可能です。
これは英単語だけではなく他の教科の暗記にも使えるため、1度大きな目標を定めてからそれらを細分化し、決められた時間で集中して暗記することを癖付けましょう。
1度で完璧に覚えようとしない
暗記勉強は短距離走ではなく長距離走です。1回の暗記で全てを完璧に覚えようとすると挫折や知識に穴が生まれてしまいます。
瞬間的なスピード感は大事ですが、1回で覚えるのではなく復習することを前提に繰り返し暗記勉強をしていくことが大切です。
例えば今日は英単語を50個覚えて、2日後同じ単語の復習をしてみるといったように、復習をしながら徐々に完璧に仕上げていく暗記が知識を定着させます。
1回の暗記で落ち込まずに、徐々に理解していく過程を楽しみましょう。
【武田塾流】短時間で暗記ができるコツ
どちらかと言えば暗記勉強は苦手意識がある方が多いと思います。
「好きな勉強をしたいのに暗記勉強に時間を取られる...」と暗記が嫌いな方もいるでしょう。
ここでは、暗記が苦手な方に向けて武田塾流の暗記勉強のやり方、そして早く知識を定着させる方法についてご紹介していきます。
暗記のコツ|①覚える単語を小分けにして暗記する
暗記勉強は、覚える内容を小分けにすることを心がけましょう。
小分けにする目安は教科によって異なりますが、1~2分の確認テストができるくらいの量で区切ることをおすすめします。
例えば英単語の場合は10個~15個が目安となります。50個覚えたとしても確認テストで間違いが多ければあまり意味がないため、自分がしっかりとインプットできる量に区切ることが大切です。
勉強をはじめたての頃は、5個~7個などにして徐々に増やしていくやり方でも構いません。
大切なのは1度にたくさん覚えようとせずに、1回1回の暗記の時間を集中して効率良く覚えていくことです。
また、小分けする前の暗記の目標は、必ずその日にやり切ることも意識しましょう。
古文単語を100個覚えると決めた場合は1回の暗記を10個に小分けし、10回分の暗記と確認テストが完了するまで勉強を終わらせないようにします。
暗記のコツ|②覚えた単語は必ずテストを実施する
暗記した単語は、すぐに確認テストを実施しましょう。
英単語を声に出して読むなどのインプット勉強はどうしても覚えた気になりがちですが、確認テストをしてみると答えられないということも多いです。
確認テストを実施することで、先ほど暗記した内容の定着率がわかるだけではなく、自分の弱い部分も知ることができます。
確認テストは、100点を取れるまで次の暗記に進んではいけません。英単語10個を暗記した場合は、10個全ての意味を瞬時に答えることができてから次の10個の英単語の暗記に進みましょう。
また、この確認テストはあくまでも現時点で暗記できているかを確認するものであるため、時間を空けてもう1度復習することも忘れずに行いましょう。
教科別!効率よく暗記する方法
暗記の基本的な流れは上記でご紹介しましたが、受験は英語や数学など教科によって対策が変わっています。
ここでは、教科別に分けて効率良く暗記する方法をご紹介していきます。
英単語の暗記方法
大学受験の暗記で1番時間を使うのは英単語ではないでしょうか。
大学受験の英語は長文問題がメインですが、リスニングや文法問題を解くにしても英単語の理解は必要です。
大学受験の英語は基本的にスペルまで書くことは少なく英単語の意味を和訳できれば良いことが多いため、スペルを見て瞬時に和訳できるようになればOKです。ここでは英単語を100個覚える方法をご紹介します。
①自分がまだ覚えていない英単語をピックアップする
②ピックアップした単語を順番に和訳していくテストを実施
③すぐに言えなかった英単語をチェックしてノートにまとめる
④単語が100個集まってから英単語を覚える作業に移る
⑤100個の単語を10個ずつに分けて5分かけてインプットする
⑥覚えた10個の英単語の訳を隠してテストする
⑦答えられなかった英単語は再度覚え直す
⑧もう1度テストして完璧に答えられたら次の10個に進む
⑨50個ほど覚えた後で10分かけて前半50個の英単語を総復習する
⑩後半50個の英単語も同じように暗記をする
⑪最後に100個の英単語の和訳テストを行う
⑫答えられなかった英単語を復習して再テストする
このやり方を行うことで、約90分で英単語を100個覚えることができます。
ただし、英作文の例文暗記などは紙に書いた方が効果的です。
英単語は声に出しながら読んで覚えるようにし、英文はノートに書いて覚えるなどの使い分けを行いましょう。
国語科目の暗記方法
国語は「現代文」「古文」「漢文」の3つに分けることができます。
現代文では漢字や熟語の暗記があります。小説問題等に比べると得点の比率は低いですが、漢字や熟語を知っていると10点~20点を毎回落とすことなく点数を安定させることができます。
漢字は読むことよりも書いて覚える方が効率良く覚えられるため、漢字用のノートを作り、答えられなかった漢字や知らなかった漢字を書いて覚えていきましょう。
古文では古文単語の暗記があります。古文単語を知っていると知らないとでは問題の難易度が大きく変わるため、古文単語帳を用意して英単語のように小分けして覚えていきましょう。
漢文は単語の暗記というよりは句法の例文を音読して理解していくことが効率の良い勉強法です。二重否定や使役といった句法を理解してから問題演習で実力を付けていきましょう。
社会科目の暗記方法
社会科目は「日本史」「世界史」「地理」「政治経済」「倫理」等があり、どの科目も暗記がメインになっていきます。
教科書や資料集、1問1答の参考書を活用して全体の歴史の流れを確認したところで、ひたすら問題演習することが得点UPのカギと言えるでしょう。
しかし、「用語は覚えたけど、順序がバラバラ...」という方の多いのではないでしょうか。
そのような悩みを抱えている方は、1度参考書を閉じてノートやコピー用紙のような白い紙に出来事を順番に書いてみましょう。
自分が覚えた内容の整理ができるだけではなく、出来後の背景や出来事の説明までを一連の流れで覚えることができます。
特に社会科目では出来事の並べ替えなど歴史の順番を知っていないと答えられない問題も出題されるため、試験対策としても効果的な方法と言えます。
理科科目の暗記方法
理科科目は「物理」「化学」「生物」「地学」の4つがあり、物理と化学は計算問題、生物と地学は暗記問題が多いです。
物理や化学では、構造式や反応式をノートなどの公式を何回も書いて覚えましょう。何も見ずに書けるくらいまで反復することで理解が早まります。
生物や地学では、暗記が問題が8割を占めるため、社会科目のように横の繋がりを意識した暗記が必要になります。参考書を使って基礎知識をインプットし、具体的な現象と関連づけてセットで覚えることを意識しましょう。
数学の暗記方法
「数学で暗記...?」となる方もいるかもしれませんが、数学も暗記を活用して効率良い勉強が可能です。
まずは、基礎問題が網羅されている参考書を使って、書いてある解法を完全再現できるようにしましょう。
完全再現するところまでは暗記の部分ですが、ここで終わってしまってはいけません。
数学はほとんどの場合初見問題を解くことになるため、初めて見た問題でもしっかりと解けるようにする必要があります。
解法の完全再現ができるようになった後は、初見問題をしっかり読み、解答の1行目を自分の力で導き出せるように問題演習をしましょう。
判別式を使っている問題がある場合、「なぜこの問題は判別式を使っているのか」という解き方の理由や解答の根拠まで答えられるようになると、初見問題でもスムーズに解答まで導けるようになります。
暗記勉強でのNG行動3選
暗記の方法は人ぞれぞれですが、その中でも効率の悪いNG行動が存在します。ここでは、大学受験をする方に向けて暗記勉強でのNG行動を3つご紹介します。
暗記のNG行動については下記の動画でも詳しくご紹介しているため、こちらも合わせてご覧ください。
NG暗記法|①紙に単語を10個ずつ書いて覚える
書いて覚える方法が効果的な教科もありますが、英単語を覚える場合は、何も考えずに手だけを動かしている状態になりがちです。
書いて覚える場合は、必ずその後確認テストを行いましょう。間違えた単語は必ず復習し、正解できるまで何回もテストを行うことで、知識が定着していきます。
できるようになった単語は完了して次の単語へ進みます。ダラダラと暗記を続けるのもNGです。
10個単語を書いているのと、10個の単語を音読する作業を3周するのはほとんど同じ時間です。効率良く暗記をするためにも書く暗記はであまりおすすめしません。
ただし、漢字の確認など書く暗記が適している場合もあるため、書く暗記を完全にやめるのではなく、「書くことが目的となってしまう暗記」をやめるように心がけましょう。
NG暗記法|②眺めているだけの暗記
英単語帳をなんとなく眺めていませんか?
単語帳をインプットしただけで暗記したと断定してしまうのは危険です。この場合も上記と同様に必ずテストを実施するようにしましょう。
5分間かけて単語を15個覚えると決めたら、5分後にその単語をしっかりと覚えているのかテストをします。間違えていた単語は再度覚える時間を設けて再テストを行いましょう。
テストを行うことでしっかりと頭に記憶され、いちいち単語帳に戻って復習する時間を減らすことができます。
NG暗記法|③コツコツ少しずつ覚える
「継続は力なり」ということわざがある通り、コツコツ少しずつ覚える暗記も大切ですが、大学受験の範囲内は膨大です。
「毎日コツコツ英単語を5個覚える」といったようなスピード感では受験に間に合わないだけではなく、復習の時間を取れずに結局覚えた英単語を忘れてしまいます。
人間は誰しも忘れてしまう生き物です。1回で完璧に覚えようとせずに復習することを見据えて繰り返しで覚えていくようにしましょう。
武田塾では、生徒さんに英単語を1日100個覚えて1か月で単語帳1冊を完璧にするスピード感をおすすめしています。
1回で覚えようとせずに1度にまとめて暗記をし、その後は何回も復習を繰り返すことで定着を図りましょう。
短時間で暗記ができるコツは?教科別に効率よく早く覚える方法|まとめ
今回は、短時間で暗記ができるようになるコツや教科別に効率よく覚える方法についてご紹介しました。
重要なポイントをもう1度おさらいします。
- 暗記は1回で完璧にしようとしない
- 単語を小分けにして暗記する
- 暗記した内容は必ずテストを行う
暗記は苦手な方が多いですが、正しいやり方を行うことや毎日の積み重ねで徐々に知識が定着していきます。
中々暗記できずに困っている方は武田塾流の暗記方法である単語を小分けにし、確認テストを行うやり方を活用してみてください。
武田塾では暗記のやり方はもちろん、生徒さんの志望校別に最適な勉強ルートを提案しています。ご自身に合う勉強方法がわからない方や自分の勉強スケジュールの管理ができない方はぜひ武田塾をご利用ください。
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