受験生にとって、「合格できるだろうか...」という不安は誰もがもつ共通の悩みです。この不安をそのままにしておくと、集中できずに勉強効率が下がってしまったり、勉強がつらくなってしまったりと良いことはありません。また、自分に自信を持てなくなってしまう可能性もあります。今回は受験生が抱えている不安を取り除くための3つの対処法を武田塾の中森先生に教えていただきます。
不安なのは不安の原因が漠然としているから
不安を細かく分けて明確にしよう!
受験生として勉強していると、志望校に合格できるかどうか不安になってしまうことがあります。この不安を解消するために大切なのは、不安を分割して考えることです。不安を細かく分割することで、不安の原因が明確になって解消しやすくなります。
受験における不安の原因の根本的な部分は「受験に合格できるのか?」というところです。これは全ての受験生の方々に共通している不安ですが、このままでは漠然としていて上手く不安を解消することができません。そのため、不安を細かく分割することにより自分の持つ不安が明確になり、適切に対応し不安を解消できるようになるのです。では、不安を分割するためにはどうすればよいのでしょうか。
どうしたら受かるのか?に視点を変換
不安を分割するために、「受験に受かるのか?」という考えから「どうしたら受かるのか?」という考えに視点を変えてみましょう。すると、これからの目標が具体的になって不安が分割できるようになります。例えば、
①どこまでやれば合格できるか? = ”これから”に対する不安
②いまなにをすれば合格できるか? = ”いま”に対する不安
③これまでやってきたことで合格できるのか? = ”これまで”に対する不安
など、自分がやってきたことや、これからのことなどに細かく不安が分割できます。これで、だいぶ自分の不安の原因がわかりやすくなりました。この後は、これらの不安を解消する方法を紹介していきます。
①”これから”に対する不安
「どれだけやるか」をハッキリさせる
受験において”これから”に対する不安は最も大きな不安と言っても過言ではありません。いままでやってきたことは変えられませんが、これからの努力次第では不可能だと思っていた志望校への一発逆転も不可能ではありません。
その志望校合格を成し遂げるために、また、これからへの不安を解消するために大切なのは、これからの進捗具合を「予測」することです。つまり、「どこまでやればいいのか?」「どこまでやれば終わるのか?」といったことを考えることが重要ということです。例えば、「夏までには志望校の1ランク下に合格できる力をつければ、本番までに志望校に合格できる力がつくだろう」と考えれば、自然と目標ができ、不安の解消もしやすくなります。
科目ごとの進捗の把握で空き時間を作ろう!
では、目標に間に合わないときはどうしたらよいでしょうか。どうしても間に合わないときは、科目ごとの進捗を考えて見ましょう。全体としては目標に達しないかもしれませんが、例えば英語が早めに終わったなら余った時間を数学に当てるなど、工夫次第では自分の思っている以上に時間があるかもしれません。
他には、終わらないと思っていた科目も良く見たら量は大したこと無いかもしれません。早く終わる科目は、それだけで自分の強みにすることができます。このように、”これから”の不安を解消するのに大切なのは、どこまでなら終わるのかを科目ごとにハッキリさせることです。
②”いま”に対する不安
いまやることは参考書単位で考えよう!
次は、”いま”に対する不安を解消していきましょう。”いま”に対する不安を解消するためには、短いスパンでなにをするかを考えると良いです。漠然と目標のレベルのことだけ考えていると、「まだ目標のレベルの学力になっていないから合格できないかも...」とネガティブな思考に陥りがちです。しかし、例えば「来月までにこの参考書をおわらせる!」のような短いスパンの目標を考えると、”いま”やっていることでどれだけのことが終わるか知ることができ、やる気にも直結します。
さらに、その小さな目標を積み重ねていくと受験本番までには目標のレベルに到達している、なんてことも良くあることです。なので、”いま”目標のレベルに到達していなくても心配せずに、小さな目標を積み重ねられるようにしましょう。
③”これまで”に対する不安
結果が出なくてもやったことは身についている
今まで勉強してきたのに模試などで結果が出ないと「いままでやってきた勉強法で良かったのかな...」と、ネガティブな思考に陥ってしまうことがあると思います。特に、夏の間まででは努力が模試の結果に出てくれないことも多く、この先残された期間でやり切れるのか不安になってしまいます。しかし、”これまで”やってきたことが無駄だったかと言うとそうではありません。模試で結果が出ないのは、結果に結びつくところまで終わっていないだけで、やったことはしっかりと身についていることは多いです。英単語と英文法だけ勉強していても点数には結びつかないかもしれませんが、英単語と英文法は身についてるはずです。身についているのにそれに気がつかずに不安になるのはもったいないことです。これまでの勉強が不安になったら、点数や偏差値だけでなく自分ができるようになったことに注目するポジティブな視点で見直してみると良いかもしれません。
自分が今まで積み上げてきたものにも目を向けて
また、今やっていることが入塾当初にも同じようにできたか考えてみましょう。ほとんどの人は「こんなに難しいの/こんなに量の多いのできない!」と思うのではないでしょうか。つまり、自分はそ数ヶ月前からそれだけの努力を積み重ねてきたということになります。自分では気がついていなかったかもしれませんが、過去を振り返ってみるとすごい量を積み重ねてやってきていることが非常に多いです。
今までのことが不安になったら、最初の頃の自分と比べてみると、自分の今までの努力に自身が持てるかもしれません。まだそこまでいっていない、そのレベルまで積み上げていないという人は一ヶ月でも一週間でも良いので努力を続けてみましょう。
まとめ
受験生の方の抱えている不安も、中森先生の不安解消方法で少しは解消できたかも知れません。不安解消で大切なのは、
①不安を分割して考える
②「どれだけできるか」をハッキリさせる
③参考書単位で今やることを考える
④点数や偏差値だけでなく身についたことにも目を向ける
でした。全体に共通して言えることは、不安を細かく分割して、冷静に分析することで解消することが大切だということです。不安を不安のまま漠然と抱えているといつまで経っても不安は解消しません。これからの受験勉強に向けて気分を入れ替えるためにも、自分の不安を見つめなおしてみると良いかもしれません。中森先生は、「自分自身を奮い立たせるのは、最終的には自分しかいない!!」とおっしゃっています。自分が今まで積み重ねてきた努力を信じて、さらにその上に積み重ねていけるようにしましょう。